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あけまして2021年ふりかえり

あけましておめでとうございます。
温かいおこたで酒飲みつつおせちを食べつつ昨年のまとめを書こうとしてるんですが、おかげさまで脳が溶けそうです。お煮しめのニンジンをつついて野菜を取った気になっている、そんな2022年令和4年の元旦。まとめていきましょう。

2021年、創作の大きなターニングポイントはこちら。


  • 占い師さんによる創作指針の発見

  • 紙の本を出すぞ、という決意と実行

  • 創作(すけりふ)の煮詰まりと、新たなる創作の発見

  • より能動的に創作していくための計画を立てる


具体的にひもといていきましょう。
まずは占い師さんによる創作指針の発見から。

2月頭に受けた湊先生の電話占い。先生ご自身が創作活動をされているということもあり、「同人作家御用達の占い」とも。

去年1月の江古田の創作はとにかく混迷を極めていた。
LINEスタンプを作ってみたり、skebやSKIMA、ランサーズ(フリーランス向けの技能マーケット。なんで登録したのかマジで謎)へ片っ端から登録してみたり、クリエイターコミュニティに登録してみたり、素人ながらデザインコンペに応募してみたり。色々とやっているようには見えるけど、実際のところ本筋の創作に絡んでいるものはほとんどなく、言ってしまえば「目標もないままただ焦りに任せて行動している」ような状態でした。いや本当にランサーズでは何をしようとしていたん自分?
学生時代からのコンプレックスであった美術系・デザイン系への憧れを突如爆発させるあまり(これについてはなかなかに闇が深いのでいつかきちんと書きたいです)、漠然と「イラスト・デザインで何かをしたい!」という向こう見ずな情熱を振り回していました。そういえば転職活動にやっきになっていたのもこの頃でした。今はしてません。いいんだ、いずれ芽生えるのがペンペン草だろうが貧乏草だろうが置かれた場所で咲くんだ俺は。ほっといてくれ。はい。

そんな折、Twitterでちょくちょく話題になっていた「同人占い」なるものを受けてみることに。

今回お話をお伺いした湊先生は、ご自身も同人活動をされていることもあり、そちらの方面での造詣がめちゃめちゃ深いです。占い半分、カウンセリング半分のような。創作について詳しい人にガッツリ相談する機会って意外とあまりないので、「占いなんて…」という先入観はちょっと脇において、一度受けてみる価値はありです。
まず言われたのは「創作してください」とのこと。まあそうだろう。寝かせたりするのではなく、一日少しでもいいから創作するのがモチベーションを保つ一番の方法です、と。

・とにかく色々な方法を試してみる
・普段書かないもの(エッセイ・散文など)を書いてみる
・多くの人に見てもらうよう行動する
・とにかく量を書く

今になって思うと、このときに頂いたアドバイスを全て凝縮させたものが、後述する初の同人誌「あなたは 東興随筆集」だったのだなあと改めて思い至りました。紙本、モキュメンタリー、文庫サイズ140ページ。いや頑張ったなあ。
また、その時に言われた言葉で印象的だったのが「絵か文章か、いずれかに尽力してください」「一行、一文字でもいいから書いてください」というもの。

それのなにが印象的って、文字を書くか絵を描くか迷っている、とは言ったものの、その時点では一言も「物書きとして活動するべきか」とは言ってないんですよ。作品をお見せしたわけでもない。にも関わらず「書いてください」「本としてコミティアへ出展してください」とアドバイスを頂いたことが、「やっぱり物書きやりたい」という無意識の本心を見透かされていたようでとても不思議でした。
もちろん「占い師さんの言ったことは絶対!従うべき!」と盲信しているわけではありませんが、こうした形で「物書きとしての活動」「創作を紙の本にする」という創作の指標が打ち出されたことはけっこう衝撃でした。
結果としてほぼ占いの通りになったわけですが。

湊先生、その節は本当にありがとうございました。
おかげさまで本出ました、ってご挨拶に行きたいなあ。


続いて、紙の本を出すぞ、という決意と実行について。
これについては別記事に簡単にまとめてます。

湊先生のアドバイスを受け、紙本を作るという目標を打ち立てた江古田。そのチャンスはわりあい早く訪れました。
それが、11/14に開催されたオンライン同人イベント
「一次創作小説オンリーInkstork」。
懇意にしているフォロワーさん主催によるこのイベント情報が舞い込んできたのは、多分5月くらい。先述した占いのアドバイスに従ってイベントを探していた私にとって、このオンラインイベントはまたとないチャンスでした。
出る!!!!!(アルティメット見切り発車)

ちなみに2月から5月までは、すけりふについての説明イラストを描いたりしてました。この頃はまだ文章のスイッチが入っていない。

すけりふの世界観まとめ。サツバツ!
キャラシも何枚も描いてました。これは山羊人の互藤はすみ。
自警団の与野さん。こういう図解、小さい頃から好きだった。

5月〜6月は、再び創作についてモヤモヤとした気持ちをつのらせていた時期です。イベントに向けて本を出したい。でもどうすれば?何をすれば?需要はあるのか?そもそも本編完結してないけど?(大問題)
この時まだ「絵か文か」で血迷っていた自分を後押ししてくださったのが、6月に受けた、湊先生2回目の占い。半年経たずして同じ占い師さんのお世話になっていることに、今初めて気付く。まあ何事も経験だし。
右も左も分からない初めての同人誌づくりについて、具体的な段取りとスケジュール立てに助言を頂いたのは非常にありがたかったです。まず印刷所決めて!とか、見本取り寄せて!とか。基礎の基礎もいいところだけど、だって本当になんんんにも分からなかったんだもん。助かりました。
「コピ本よりクオリティの高い同人誌作ったほうが絶対にモチベーション上がります、逆に言うと中途半端なもの作ると今後二度と同人誌作らなくなるから気を付けて
というサドンデスな助言に従い、未完結のすけりふ本編ではなく、ルポ形式の設定資料集(それもコピ本ではなくがっつりめの文庫本)を作ることに決める。フリーのルポ記者としてすけりふの舞台を取材しながら、登場キャラクターにインタビューをする、いわゆるモキュメンタリー(ドキュフィクション)。

江古田にとって、テーマに沿ってがっつり本を書く、というのはこれが初めての経験。ちなみに本文はもちろん、挿絵やカバーデザインまで全部自分で手掛けました。商業誌さながらのクオリティには自信があります。
下のリンクから買えます!!!!!(宣伝)

時間と尺の都合でネタを泣く泣く削ったり、思ったより早すぎる締切にヒーコラしながら追われたり、入稿データのテンプレや保存形式を間違えていたり(マジで笑えなかった)。
デザイン系に明るい友人に手伝ってもらったりしながら、半年経たずして「紙本を作ってイベントに出る」という最大の目標を達成してしまったことになります。しんどさもあったけど、本当に楽しかった。この経験が「単なる中途半端な趣味人から本格的に物書き創作者へシフトしていく」という後の方向性に大きく寄与していきます。

いや本当に、2月と6月に湊先生からの後押しがなかったら「本作りてえなあ〜〜でも面倒くせえなあ〜〜デザインしてえなあ〜〜学校通おうかな〜〜」という中途半端な頭で終わっていた可能性は多々あります。本書いて本当に良かった。
ちなみに2月にはデジタルハリウッド大学でグラフィックデザインとWebデザインを学ぶために60万本気で払おうとして家族に阻止されています。
多分やりたいことはそこになかったよ、過去の自分。


次に、創作(すけりふ)の煮詰まりと、新たなる創作の発見について。江古田の新たなる創作「ラントバルト奇譚」が誕生した経緯もまとめます。

11月のイベントは大成功。当日はたくさんのお客様にもいらしていただき、お客様や出展者さんと新たなご縁があったりと非常に実り多い体験となりました。
しかし、それと同時並行的に新たな問題が浮上。

すけりふ書けない問題。

元々、江古田の創作「SCALY FOOT」は、決まったプロットを持たせずにつらつらと書いていたものです。それこそ創作の登場人物を、ハンディカメラ片手に追い回すような創作。個人的にはこの書き方はとても好きでした。しかし短編集ならまだしも、このスタイルで長編を書くとなると「だんだんと話が噛み合わなくなってくる」という物書きにおいて致命的な問題が浮上してきます。
6話で雑営団地の地下に囚われたはすみ。そこから先の光景が、何をどうしても浮かんでこない。つじつまが合わない。書けない。創作というのはウ○コと同じで(あえて言う)、新しいものを取り入れないと出ません。出ないときは何をしても出ないくせして、出したいのに出せないと非常に苦しい。こうなるともう悩んでいても創作が前に進まないので、一旦すけりふから離れて新たなる創作を立ち上げることにしました。
それが「ラントバルト奇譚」。

見習い神父と毒舌悪魔によるフォークロアミステリー。
(画像クリックで本編に飛びます)

伝承が息づく架空の土地「ラントバルト」を舞台に、見習い神父イーライが、教会に囚われている悪魔コンラッドと共に数々のミステリーを解き明かしていく、というもの。これまでの江古田の創作にはない「ファンタジーミステリー」をテーマにしています。
そしてもう一つの大きなテーマが「プロットをしっかり立てて書く」。実はこのラントバルト奇譚、物語づくりの基礎練習として立ち上げたものでもあります。三幕構成を基本に、どこを見せ場にするか?話のテーマは?伏線の張り方は?などなど、書く側も読む側も物語としてがっつり楽しめるように…という気持ちで書いています。なので、すけりふを知っている方からすると、ラントバルト奇譚はちょっと違ったふうに映るかもしれない。
ちなみに余談ですが、ラントバルト奇譚のそもそもの発端は10月に一瞬だけ参加したマンスリー企画「Inktober※」で描いたカラスのキャラクターから。こちらです。
※あらかじめ提示されたお題に沿って一日一枚イラストを描く、というもの。毎年10月開催。

10/5のお題「カラス」。この時のイラストが銅版画風だったので、「童話×ミステリー」はここから着想を得ました。

このイラストを書いた当時は、まさかここから新たな創作が生まれるとは思わなかった。イラストの雰囲気から「中世風のファンタジー」という着想を得て、二転三転しつつ「'80年代、ヨーロッパの架空の地方を舞台にしたフォークロアミステリー」という形に落ち着きました。今まで書いたことないやつ。そもそも江古田の代名詞といえる一次創作「SCALY FOOT」は架空のスラム街を舞台にした血と暴力に彩られためくるめくドメスティックなアングラ群像劇なわけで、マジカルな雰囲気なんて毛ほどもない。慣れ親しんできたすけりふから遠く離れた創作だからこそ、一度すけりふから離れて創作の練習をするにはうってつけだったわけです。

しかし練習とはいえ、私にとっては大事な創作の一つ。いずれすけりふと同じように、江古田の創作者の代名詞として色んな方に親しんでいただけたらいいなあ、と思います。
暴力癖のヤニカスヤンキーと生意気ざかりの生真面目神父、どちらもあんまり可愛げがないという点では共通してます。


最後、より能動的に創作していくための決意について
決意といっても、あくまで「こうできたらいいな〜」程度のもの。厳密にあれもこれもやらねば!になると、いずれしんどくなってしまうので、あくまで目標として意識するつもりです。

プロットを立てて創作する、という創作スタイルを本格的に立ち上げたのは11月後半。年の後半になって物事が動きすぎている気がしますが、物事のタイミングというものは人間都合で訪れてはくれません。ならば私はチャンスの神様の前髪をむしり取る勢いで掴み取るだけです。さて、本も出来た!方向性が定まった!ネタをまとめて、プロットを立てて本編を書いてみた!今までとはテイストが違う出来になったはず!ではその判断は誰がするのか?

これはあくまで持論なのですが、「小説はイラストと違って客観視しづらい」というものがあります
なぜか。イラストは、もちろんそれ自体に込められた思いやストーリーなどもありますが、色彩やタッチ、構図など「なんとなく好き」といった風に感覚で受け取れる要素が多いと思っています。ひるがえって小説は、どうしても一度頭の中に入れて噛み砕かないと解釈できない。「この文体が好き」という感覚も、文章を頭の中で読み上げるからこそ湧き上がってくるものだと(私は)思います。それで、これがなぜ客観視のしづらさに繋がるのかというと、作品を噛み砕いて解釈するという過程で様々な脳内フィルターが掛かりやすくなるから、なのではないかと。文字を読む行為自体も意外と体力使うしね。
一言で言ってしまえば「読了後の自分の感想に自信が全然持てない」。具合が悪いときに自分の作品を読んでも「ダメだぁこんなの何も面白くないやい!」になりやすくなる。
もちろんイラストも見る人によって解釈が大きく変わりますし、しんどい時に自分のイラストを見て「なんじゃいこの…この…この!!!!!」になる事は多々ある。なので一概に「イラストより小説のほうが、その感想が脳内フィルタに左右されやすい」とは言い切れませんが、「自分の書くものがホントに良いものか分かりづらい」というのは、共感してくださる物書きさんは多いのではなかろうか、と。
小説には他に、他作品と自作品を比較参照しづらい、他作品の良い点を自作品に活かしづらいというウィークポイントもありますが、これもやっぱり「作品を一度脳内で噛み砕く必要がある」からではないだろうか、と。

物書きの言う「感想ください!」は、「私の!書いたこと!どの程度!伝わってますか!?分かりづらくないですか!?どうですか!?」といった具合に、真っ暗な洞窟の中で助けを求めて絶叫する行為に等しい。そんな折に頂けた感想はそりゃもう暗闇の只中で差し出されたカンテラの灯り、ゴビ砂漠で遭難中に投げ落とされた水筒よりも尊い。
読んでくださる方がいらっしゃる、という事実だけで「私の作品は他の人にたしかに受け取られてるんだなあ」としみじみ嬉しくなります。Twitterで頂いたあらゆる感想を逐一ブックマークしてるからね私は。心が疲れたときは舐めるように読んでるからね。いつもありがとうね。(気持ち悪い)

さて。
自他さまざまな意見を元に創作をブラッシュアップしていくためには、もちろん創作を見ていただかないと始まらない。「自創作のプロモーション」に目が向いたわけです。そして小説という自創作の特性上、ただ書いてアップロードしただけでは目に留まる機会も少ない。イラストと小説では、閲覧数の差がそれはもう如実に現れます。小説にシフトしてすぐの時はこれが結構しんどかった。先述したように、文章を読むというのは意外と体力使うので、いかにそのハードルを下げるか、ちびっとでも書いたものを目に留めていただくか、という努力が不可欠になります。
そこでチャレンジしたことが以下。

・小説のスクショ抜粋
・創作プラットフォーム用サイト作成
・ビジュアル面の強化

こんな具合。以下に具体例。

悪魔コンラッドと神父イーライの会話を抜粋。
面白い台詞回しをピンポイントで抜き出してます。

ジンドゥーで制作した個人サイト。
創作のプロモ、各リンク先の紹介がこれ一つで済むように。

すけりふ時代から行っていた図解風イラスト。
絵はあった方が!絶対にいいです!(断言)

努力いうてもストイックに考えすぎるとしんどくなるので、ここは「俺の俺による俺のための俺の創作だ!!俺が好きで書いてるぞ!!あわよくば俺以外にも刺さる人に届け!!」と強気かつ楽しい気持ちで書いていきたい。創作の場では人は皆綺麗なジャイアン。
あとは焦らないこと。すけりふが色々な人の目に留まるまでにはそれなりに時間が掛かりましたし、絵もたくさん描きました。媒体がイラストから小説にシフトしたという大きな変化はありますが、なおさら一歩ずつ、とにかく楽しんで創作していくことで、より多くの人に親しんでいただけるのではないか、そうあればいいな、と思っております。
自分の創作を作れるのはこの世でただ自分だけなんだから、好きにやればええんや!


と、いうことで。2021年の頭から終わりまで、江古田の創作をまとめてみました。
こうして書いてみると、その当時は自分では大したことしていない気持ちでも、色々と活動していたんだな…としみじみします。いや本当にお疲れ様、去年の自分よ。2月21日にはNEOKETで新刊出すから年明け早々全然ゆっくりしてられないけど、今年も創作の波を乗りこなしていこうな。

2/21〜2/23、オンラインイベント「NEOKET」にて出展します。

一ヶ月とちょっとで20pのマガジン誌(全ページカラー)作らなきゃいけないから正月休みもへったくれもない。
というわけでさっそく執筆を始めなくては。2022年も江古田煩人、それと泥眼書房をどうぞよろしくお願いします!
よければ下のボタンからコーヒー代など差し入れいただけたら幸いです!(クソデカボイス)
※この記事はここで完結です。課金しても続きはありません。あしからず。

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