トルドー政権下で侵食されるカナダの民主主義
ガーネット・ジェニュイ氏は、シャーウッド・パーク-フォート・サスカチュワン地域の保守党国会議員である。国会議員時代には、国際的な人権侵害に対する認識を高め、カナダの原則に基づく外交政策への回帰を推進した。現在は、保守党の国際開発担当の評論家である。Genuis氏についての詳細は、www.facebook.com/MPGenuis
カナダの民主主義は衰退している。
数年前であれば、このような指摘は衝撃的であったが、制度の弱体化やチェックアンドバランスのほころびの兆候は、今や紛れもない事実である。
「民主主義の衰退」を批判する人々は、カナダはロシアでもイエメンでも中国でもないとすぐに指摘する。これは明らかに正しいが、これらの批評家は重要なポイントも見逃している-民主主義はオール・オア・ナッシングの命題ではない。
民主主義の状態とは、ある政治体制が様々な変数に照らして相対的にどのような成果を上げているかによって測られるものである。「完全な民主主義」と「完全な独裁主義」の間には、多くの空間がある。
カナダは多くの国々と比べて相対的に民主主義的であることに変わりはないが、カナダは強力な民主主義の属性から遠ざかっているのも事実である。カナダ人は、自分たちがどこかの国よりもうまくいっているという事実を喜ぶのではなく、この瞬間をとらえて政府の責任を追及し、この民主主義衰退の軌跡を逆転させるべきである。
ストックホルムに本拠を置く国際民主・選挙支援研究所（IDEA）は、各国の民主主義のパフォーマンスをランキングした世界的権威である。IDEAの指標は、代表的な政府、基本的権利、政府へのチェック、公平な行政、参加型エンゲージメントという5つの複合変数に焦点をあてている。カナダのデータは、懸念すべきものである。
IDEAは、世界の特定の地域で起こっている民主主義の衰退の懸念を繰り返し強調してきた。カナダでは、行政権力の制限を示す「政府へのチェック」の項目が最も低下している。民主主義がうまく機能していれば、政府の行政部門は恣意的な権力の行使を制限される。議会、メディア、裁判所は行政権力に対する重要なチェック機関であるため、IDEAではこの属性に、議会の有効性、メディアの健全性、司法の独立性に関するデータを組み合わせています。
政府に対するチェックの総合スコアは、2015年以降0.77から0.68に低下し、「ハイパフォーマンス」から「ミッドレンジパフォーマンス」に移行しています。この属性では、現在、米国に次いで、西ヨーロッパのすべての国の後塵を拝しています。
政府に対するチェックは、他の指標に依存するため、特に重要な指標である。基本的権利、公平な行政、民主的参加はすべて、行政権に対する効果的なチェック機能がない場合に低下し始める可能性があります。1975年から2015年まで、カナダのこの指標のパフォーマンスは0.76-0.78の範囲外では変化しなかったことを考えると、この低下は非常に重要である。これにより、ジャスティン・トルドーは、IDEAがデータを収集し始めて以来、この点で最もパフォーマンスの悪いカナダの首相となった。
カナダの政治を日々追っている人にとって、トルドーが就任して以来、民主的説明責任に関するパフォーマンスが低下した理由は、今となっては特に明らかです。
現在、私たちは、議会が命じた文書を政府が引き渡さないこと、緊急事態法を恣意的に使用し、その行動を調査する責任を負う調査団に内閣文書を引き渡さないこと、行政官に議会の議題をコントロールする前例のない権限を与える極端な「動議11」の発動、RCMP調査への政府による干渉の疑いなどを扱っている。これらは、ここ数カ月で見られた民主主義の衰退の主要な要素に過ぎない。
これらの行動はすべて、実はIDEAの最新の数字が発表された後に起こったことです。したがって、これらの最新の動きが起こるずっと前から、トルドー政権下ですでにスコアは下がっていたのです。
トルドー政権の民主主義に関する記録は一般的にどのようなものだったのでしょうか。トルドー政権は就任以来、国営放送を劇的に拡大し、民間メディアへの公的資金投入制度をスタートさせました。これによって、カナダのメディアの独立性に対する信頼が著しく損なわれました。トルドーは議会の機能と市民的自由を縮小し、パンデミックを口実に、委員会のわずかな精査も受けずに多くの大型支出法案を通過させた。また、深刻な結果を避けながら、倫理法を破ってきた。
もし中欧や東欧の名目上の「保守」「ポピュリスト」指導者が、メディア、議会の尊重、抗議者の扱い、法律の遵守についてジャスティン・トルドーと同じ記録を持っていたら、彼らが全面的に、繰り返し批判されないとは考えられません。
カナダは偉大な国であり、その偉大さは常に強力な民主主義の基盤の上に成り立っています。その基盤が完全に失われようとしているわけではありませんが、侵食されつつあります。事態が悪化するのを待ってから発言するのは意味がない。
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