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【国有林】を民間に開放するべきでない

前回のおさらい

前回の記事で国有林を民間に開放するべき論の根拠を提示した。ざっくりといってしまえば、国有林経営、国家経営が不安定だったからである。しかし、国有林が解放されることは少なかった。欧州では民間の購買力が低かったからであり、日本での国有林開放論は、農政学者によって牽引されたが、じもと施設を設置することで最終的には国有林を開放しなかった。

国有林を民間に開放するべきでない6つの根拠

一時、国有林開放論が世論の主流となったが、この本が書かれている当時の理論では国有林を民間に開放するべきではない6つの根拠が示されていた。そして当時は、保存論というべき論調が正しかった。今回は3つの根拠について書く。

経営性質の特徴

これは森林経営の特徴になる。森林経営を農業経営と同じ面積で比べたとき、投入する資本と労働力は森林経営の方が少ない。なぜなら森林は人手がなくても成長する期間がある。民間経営であれば投資した分リターンを期待するが、そもそも投資量の限界が農業に比べ、小さいからだ。

例えば50年間あったとして、農業は毎年投資したとして収穫が50回あるが、林業は最初の数年は毎年かもしれないが、以降は数年に一度であり、収穫は1回のみとなる。つまり農業に比べ営利向きではない。

計画の長期性

森林経営の計画には長期性が求められる。下の記事でも軽く触れいているし、前の項目でもそれがわかるだろう。それに耐えるには、寿命が短い民間ではなく、寿命が長い、もしくは崩壊しない国家が適任であるとした。


需給調整

樹木の成長には、長期間が必要だ。したがって、一度森林資源が枯渇すれば、回復には長い年月がかかる。まさにそれは70年前戦争によって、はげ山となった国土をみどり豊かな状態までに回復するのが70年もかかったように。

回復に長期間必要するからこそ、長期的な視野が持てる国有林が需給調整をするべきとした。

次回予告

次回は6つの根拠の後半3つ公共性、国のリーダー、国家財政と国有林の必要性と役割について書こうと思う。


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