好きじゃないのかな?
夫や家族の食事を作るのが面倒だという話を聞くたびに、ふと不思議な感覚に襲われる。
体調不良、多忙、といった理由があるのならもちろん納得できるのだが、ただ漠然と面倒だという話だと、その人は夫のことや家族のことが「好きじゃないのかな?」と思ってしまうのだ。
私は主婦ではないと周りに宣言している。
「主婦だから家事をする」とか「主婦だから夫や家族の身の回りを整える」という考えに疑問を持っているからだ。
主婦が家事をするという世の中の考え方に疑問を持っているとはいえ、家事を放棄するのではない。
主婦だから家事をするのではなく、夫や家族の健康を気遣い、愛情を示すために家事をするのだ。
その考えに賛同している私の夫は、「体調が悪ければ家事はしなくていい、忙しいなら掃除もしなくていい、やりたいようにやりたいペースでやったらいい」というスタンスだ。
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好きな気持ちの表現として、好きな人の快適な暮らしのために掃除をしたり、料理をしたりすることは、決して女性らしさではないと思う。
好きな気持ちを表現したいというただそれだけのことなのだ。
料理が得意じゃないならスーパーの総菜を買って並べればよい。総菜をどう選ぶかというセンスに愛情を発揮するなど、いくらでも気持ちを示せる方法はある。
「昨日は魚だったから今日はお肉にしようかな」と思案することでも愛情は示せる。その小さな気遣いや思いやりを愛情として受け取ってくれない夫なら、それこそが問題であろう。
私は主婦だから家事をするのではない。
ただ、夫が好きだから家事をするだけなのだ。
このように考えたとしても、やはり家事は面倒だろうか?