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普通の地方公務員が、ある日突然システム担当になったら(調達編)

今回は調達編です。

システムの大小、既存のサービスの利用、既存アプリのなどによって、これらの手順が変わることがありますが、ここでは、できるだけ普通の流れを説明したいと思います。

大枠の流れは次の通りです。
 ①情報を集める
 ②仮の仕様書を作る
 ③見積もりをとる
 ④調達用の仕様書を作る
 ⑤調達をする

①情報を集める

◆庁内で集める
 他部署が過去に同様の調達をしていないか調べてみましましょう。システム部門が情報を一元管理しているようだったら、システム部門に確認しましょう。

◆他自治体から集める
 システム規模が大きいなどの理由で、庁内で参考事例がなければ、同じようなシステムを他自治体が調達していないか確認しましょう。調達をしている自治体があれば、仕様書などを提供してもらいましょう。

◆システム業者(ベンダー)から集める
 同様のシステムを納品している業者から資料をもらいましょう。業者が納品している自治体の情報を教えてもらえることもありますので、その自治体から情報をもらいましょう。
 また、パッケージのシステムを持ってるようであればデモをしてもらい、システムを確認し、イメージをつかみましょう。

◆国の情報を集める
 住民情報を扱う大規模なシステムは、国がシステム標準化を進めています。また、電子申請などもマイナンバー制度と絡めた動きがありますので、注意が必要です。
 この辺は、庁内のシステム部門に確認したほうがいいでしょう。

②仮の仕様書を作る

情報収集が終わったら、集めた資料をもとに仕様書ぽいものを作ります。
仕様書ぽいもので十分です。
この仕様書では、詳細まで書く必要はありませんが、次の③見積もりが取れる程度は完成する必要があります。
ただ、まだ、仕様の変更はできますので、未確定の部分もとりあえず書いておく感じで大丈夫です。

③見積もりをとる

②の仮の仕様書で業者に提示し見積もりを依頼します。この見積もりを参考に予算要求や予定価格を立てます。
ここで注意していただきたいのは、見積もりを積算するのも業者としては人件費がかかります。
なので、システム事業者に無理強いをしてはいけません。ただ、ここで業者の本気度がわかります。

④調達用の仕様書を作る

見積書を取った時に、業者さんから、条件がついていることがほとんどだと思います。業者さんから意見を踏まえ、仮の仕様書を修正していきます。
また、現場の意見を拾い上げるなどして、仕様書を確定させましょう。

⑤調達をする

仕様書ができたら、いよいよ調達です。(予算はついている前提です。)
調達には、単純に金額が安い業者にする競争入札から、企画提案を評価して行う方式などさまざまです。

【競争入札がいい場面】
 ・システムの規模が小さい
 ・仕様書がばっちりできている
 ・システムに独自性がない場合
 
【企画提案がいい場面】
 ・システムの規模が大きい
 ・仕様書の精度が低い
 ・システム業者の提案を求めたい

システムの規模などから一番いいやり方で調達しましょう。

最後に

わからないことも多いかもしれませんが、まずは、普通に調達手続きをすすめましょう。
システム担当になったからといって、システムのプロになる必要はありません。
業務知識が知っていれば、それで充分です。
システムのことでわからなれば、システム部門に教えてもらいつつ、調達手続きをすすめましょう。


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