2021年度秋学期のゲスト講演

2022年2月17日 17:58

2021年度秋学期は、法律科学研究所共同研究会との共催で、ワイン法関係のゲスト講演をオンライン形式で開催いたしました。ご協力いただきました講師のみなさまには、この場を借りて、心より御礼申し上げます。

フランスにおける日本酒市場と見本市の現状

2021年10月21日（木）

講師： Hisako Shimizu-Besseさん（ソムリエ・唎酒師、元Dassaï Joël Robuchon 獺祭・ジョエル・ロブション勤務）

テーマ：フランスにおける日本酒市場と見本市の現状

コロナ禍が続く中、フランスにおいて、どのような形で日本酒のプロモーションが展開されているか、また、パンデミックの中での見本市の開催状況について、フランス・パリからZoomを使ったオンライン形式で講演していただきました。「食文化と法」の授業時間を用いた講演であったため、参加者からは、フランスにおける日本食ブームについて多くの質問が寄せられました。

花巻市大迫町のブドウ栽培とワイン産業

2021年11月6日（土）

講師：鈴木寛太さん（岩手県花巻市ブドウ栽培農家）

テーマ：花巻市大迫町のブドウ栽培とワイン産業

学生時代の震災ボランティア活動を契機に岩手とかかわりを持つようになり、花巻市大迫町の地域おこし協力隊員になった鈴木さん。2018年に就農し、生食用ブドウとワイン用ブドウを栽培。同市のエーデルワインに委託醸造して造られたワインは「KANTA WINE」として販売されています。ブドウ栽培の数々の苦労話の中でも、とくに獣害・鳥害をはじめとする種々のリスクの深刻さに驚いた参加者が少なくありませんでした。他方で、東京出身で岩手に移住し、就農するにいたった鈴木さんの人生観や、ブドウ栽培やワイン造りのやりがいには、共感を覚える人も多く、ぜひ「KANTA WINE」を飲んでみたいという感想も寄せられました。

https://www.furusato-web.jp/iju/iwate-hanamaki/

https://mainichi.jp/articles/20191005/ddl/k03/040/166000c

https://www.iwanichi.co.jp/2020/09/04/3125784/

福島県川内村でのワイン造り

2021年11月20日（土）

講師：北村秀哉さん（ふくしまワイン広域連携協議会事務局長）　

テーマ：福島県川内村でのワイン造り　～その取り組みを振り返る～

東京電力社員として復興事業に取り組む一方で、地域と共通の目標をもって、双葉郡川内村で「私人」としてワイン用ブドウの栽培を開始した北村さん。2016年に約2000本の苗木の植え付けからスタートし、翌2017年には、圃場が３ヘクタールまで拡張され、約8000本が植え付けられました。2021年6月には醸造設備が完成し、村内でワインを醸造する体制が整いました。講演では、ワイン造りの理念のほか、多くの人々の熱意と努力の結晶としてワイナリーが誕生したことが語られるとともに、復興ワインおよび川内村のワインとして、どのようにオリジナリティを打ち出していくか、飲み手に選ばれるワインとして長続きさせるにはどうしたらよいか、といった課題も示され、教室およびオンラインの参加者との間で活発な意見交換や質疑応答が行われました。

https://www.tohoku-bishu-shoku-tourism.jp/1229/

https://jp.sake-times.com/special/project/sake_g_terroage-fukushima

長野県池田町におけるブドウ栽培とワイナリー設立

2021年12月11日（土曜）

講師：横山弘樹さん（ヴィニョブル安曇野社長）

テーマ：長野県池田町におけるブドウ栽培とワイナリー設立

2021年6月に新たにワインの地理的表示に指定された「GI長野」。その長野県の池田町で、GI指定の１年ほど前に、はじめて誕生したワイナリーが「ヴィニョブル安曇野ドメーヌヒロキ」です。社長の横山弘樹さんは、13年以上前から大手ワイナリーとの契約でワイン用ブドウの栽培にたずさわってきました。しかし、数年前にワイナリー設立を決意し、みずからの圃場を確保。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを栽培し、2020年にオープンした自社ワイナリーで醸造されたワインは、すでに店頭に並んでいるそうです。池田町のワイン用ブドウの品質の高さは日本ワイン愛好家の間では知られていますが、今後、どのように一般の消費者や、若者などのワイン初心者にプロモーションしていくかが課題になるでしょう。　