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いよいよ明日公開『ニューヨーク 親切なロシア料理店』

数ヶ月のブランクのあといきなり、またNoteに登場いたしました。もっと早くからまた連載を再開したかったのですが、半年ぶりの新作『ニューヨーク 親切なロシア料理店』の公開日まで秒読みになってやっと再エンジンがかかりました!

セテラでは昔は英語の映画、アメリカ映画やイギリス映画も配給していましたが、ここ20年近くはフランス映画中心になっていました。セテラ・ヒストリーの中の英語作品の話は別の機会にまた書きたいと思いますが、2015年に配給したイギリス映画『パレードへようこそ』から5年、久しぶりの英語作品は、『パレードへようこそ』同様セテラのベテラン宣伝チーフが、2019年のベルリン映画祭で試写をして配給したい!と決めた映画でした。この『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、映画祭のオープニング上映作品で、キャストも勢揃いして華やかに上映されました。

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この映画は台本段階からチェックしていて注目していましたが、私の大大大好きな映画『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ監督の新作だったからです。舞台は現代のNY、マンハッタンにある老舗ロシア料理店を中心に繰り広げられる見知らぬ人たちが交差する人間ドラマです。最近映画にもよく登場するNY公共図書館が今回も登場します。そしてNYの街もこの映画の根底に流れている息吹で大きな魅力なのです。さらにセテラ俳優(セテラが配給した映画の出演者を社内ではそう認識して親しみを持っています)であるビル・ナイと、ゾーイ・カザン(巨匠エリア・カザンの孫)、フランス映画中心に引っ張りだこで前から素敵な俳優だと思っていたタハール・ラヒム(アラブ系の俳優の名前を覚えるのが苦手でしたが、彼の名前も今回めでたく覚えられました!)、そして傑作『スリー・ビルボード』でいい味を出していたケイレブ・ランドリー・ジョーンズなど、名監督たちの作品に出ている個性的で演技派の俳優が勢揃いしていて素晴らしい脚本に現実味を与えているのです。

この映画の原題は“見知らぬ人の親切”で、事情があって悩みや過去を抱えている様々な人が救いの手を差し伸べられ、また自分も人を助けることになる、慈悲を考えるクリスマスの時期にぴったりの心が温かくなるとても素敵なお話が交差します。そして、さらに今のコロナ禍の閉ざされた厳しい現実と不安を体験している我々が希望を感じることができるのも、映画が与えてくれる大きな力だと改めて気がつきました。より時代が映画を必要としているのかもしれません。この映画を昨年買い付けて今年の今の時期に公開することに、神様が導いてくれたような気がしないでもありません。

山中陽子

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🗽『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、明日12月11日より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開🎥

👉公式ウェブサイト

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