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新規事業と『誤謬(まちがい)』

どこか違和感があるけれど、あたかも正しいことのように相手から主張されてしまい、困ってしまうことありませんか?
それは、いわゆる『誤謬(ごびゅう)』、まちがいかもしれません。

新規事業でよくある誤謬をいくつかみていこうと思います。

みんなが言ってるから正しい

「その企画、みんながイケてないって言ってるからイケてない」
これは『バンドワゴン(Bandwagon, 衆人に訴える論証)』という誤謬です。NGを出す人が多いと、さらにNGを出す人が増える。多数決で多数派が正しいはず、という考え方ですね。

最近だと反対に「10人中1人だけイイという企画がイイ」という少数派を賛美する、一見不合理なアイデアを良しとする主張もありますが、多数か少数かという視点でアイデアの良し悪しを判断しようとすること自体が、ナンセンスですよね。次いきましょう。

どうせみんな失敗する

「こないだの農業の企画が失敗したんだから、農業の新規事業は全部失敗するに決まっている」
これは『早まった一般化(Hasty Generalization)』という誤謬。先人が失敗したからといって、同じ失敗をするとは限りません。

失敗した経験こそ、次の挑戦に活かしたいものですが、失敗談は何年か経ってからでないと聞き出しにくい。。というのも困ったところです。しまいには「うちの会社の新規事業は、ぜんぶ失敗する」とまで思われていると、当の本人たちからすると、デモチしてしまいますんで、絶対思っても口にしないでくださいね!(思ってると、うすうす感じてしまうものですが。。)


いつもやっているやり方が正しい

「これまで新商品はこうやって生まれてきたんだから、これからもこのやりかたでやるべきだ」
これは『伝統に訴える論証(Appeal to Tradition)』の誤謬です。変わらず引き継いでいくべきものはもちろんありますが、全て今まで通りでいようとすると、なかなか新しいことにはチャレンジできません。

不易流行、という言葉もありますが、永遠に変わることのないことの中にも新しく変化するものを取り入れていく、という姿勢をもつことが、企業内で新規事業に取り組む人と、その周囲の人達には必要ではないでしょうか。


既存事業か、新規事業か

「これからも新規事業を続けるのか、それとも既存事業に戻ってくるか。よーく考えて、どちらかを選びたまへ」
『誤った二分法(False Dilemma)』という誤謬です。こんな誘い文句を言われたことはありませんが、なかなか成果が出ない新規事業担当は、つい気持ちが弱くなって、元部署に戻りたい、と思ってしまうかもしれません。

既存事業と新規事業を対立構造でみるのではなく、「既存事業のための新規事業とはなんだろう」という組織貢献の考え方をもつのもいいでしょうし、「半分だけ新しい半新事業というのはどうだろう」と考えてみるのも新しい発想につながるかもしれません。

要は、新規事業に対していろいろ周りから言われることもあるけれど、どれも誤謬だらけで本当じゃないことも多いから、自分とチームとお客さんを信じて挑戦を続けましょう!ということがいいたかったんです。はい。

ちなみにこちらの誤謬シリーズは、以下の書籍のp.40から発想のヒントと、誤謬の知識をもらいました。ベレ出版さんいつもお世話になってます!