手紙の中の、肩書きのない人へ
茶褐色のよれよれの封筒に入った手紙が6通。会社の書類を探していて、ふと目に止まりました。こんなによれよれだと、いつ読めなくなってしまうのかわからない。前回の病気の話に加え、大事な気持ちは残しておきたいから書いておこうと思う。
2020年7月去年の夏、イギリスで移動制限が出る数日前に、滑り込みでスコットランド行きの夜行バスに乗り込んだ。財布も持たず、トートバッグに詰めたのは最小限の身の周り品と、この6通の手紙のみ。自分の誕生日は、グラスゴーで過ごすと渡英が決まった時から決めて