幸福な夜に光あれ
テーマパークといったらこれと観覧車よね、と彼女が嬉しそうに笑って指を指している。これ、と指されたのは様々な馬たちがくるくると駆け巡る、メリーゴーラウンド。
夜の闇の中で、どのアトラクションもきらびやかに輝いているけれど、今夜は一際と思ってしまうのは、彼女の笑顔のせいだろうか。
楽しげな表情につられて、無意識に指が動く。わぁ、と彼女の声が上がった。
彼女の乗った馬のそばで光の玉が飛び交って、ますますきらきらと輝いて。
「お姉ちゃん、お姫様みたい!」
少女の興奮した声が聞こえて、本人より満足して息を吐く。
楽しげに笑う彼女がくるくると馬と共に駆け、同じように光が舞う様を自慢げに見守る幸せな夜。
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