文披31題:Day31 またね
暑さから逃れるための方法として、何があるか、ということがふとした会話の中で、議題となった。
冷たい飲み物。アイスキャンデー。冷風機。アカデミーの外にあるミスト発生機(ただし常に満員状態)。口々にあげてはみたが、全員が薄々感じていることは同じだった。
「なんか、違うんですよねぇ」
研究室の助手が事務書類を束ねながらうーん、と唸る。魔法の研究とあらば体調、奇行、雰囲気その他あらゆる諸々を気にしないタイプの上司でさえ、日々の暑さに少々バテ気味で、最近は鍋をかき混ぜることもなく