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歌誌『塔』より

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歌誌『塔』に掲載された歌や評をまとめています。
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2024年2月の記事一覧

歌誌『塔』2023年12月号作品批評(2024年2月号掲載)-後編-

歌誌『塔』2023年12月号作品批評(2024年2月号掲載)-後編-

みなさま、こんにちは。
今日は時折みぞれが降っています。

それでは12月号の評の後半をどうぞ。

選者:梶原さい子
評者:中村成吾

上の句の間投助詞「よ」が余情を添えながら、下の句の主体の動作へと歌の流れをなめらかに導いている。「開けて確かむ色あせぬうち」という無駄のない引き締まった下の句も魅力的だ。
硝子窓の全面に映っている夕陽。窓を開ければさらに景が広がる。一首全体の運びに淀みがなく、たい

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歌誌『塔』2023年12月号作品批評(2024年2月号掲載)-前編-

歌誌『塔』2023年12月号作品批評(2024年2月号掲載)-前編-

みなさま、こんにちは。
歌誌『塔』が家に届くともう一か月経ったのだなと思います。
月日が経つのは早いものですね。

本記事では、2023年12月号分で私が担当した評の前半を採録しました。
自分が歌を詠む以上に、人様の歌を読むことに喜びを感じています。
後半はまた別の記事で…。

選者:梶原さい子
評者:中村成吾

群れ咲く白いあさおが、少しぼかしてしっとりと描かれている。そんな抒情ゆたかで涼感ある

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