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入院中に学んだアトピーの原因とステロイドのQ&A

2017年のアトピー入院中に、アトピーについて学ぶ講座を受けました。
そこで学んだことを記録します。

アトピーの因子

アトピー因子は、環境因子と遺伝的因子に分けられる。
遺伝的因子はさらに2つに分けられる。
①皮膚の素質(乾燥しやすい・バリア機能が弱い
アレルギー体質(元々IgEが高い・炎症を起こしやすい・炎症が長引く)

なんのこっちゃ、なのですが。
乾燥しやすい、というのは冬の乾燥を経験していれば分かりやすいと思う。
バリア機能が弱いとは、皮膚の角層(=バリア機能)を構成している、皮脂・天然保湿因子・細胞間脂質(セラミド)がもともと量が少ないことを言う。

簡単に言うと、遺伝子的異常でたんぱく質をつくる遺伝子が少なくて皮膚を守るたんぱく性物質が足りてません、ということ。
少ないともろいので壊れやすい。
皮膚の角層(バリア機能)が壊れると細菌が入りやすい。
侵入してきた細菌に反応して、白血球が増えて炎症を起こす。

私も、さきほど掃除機のなかみを素手で掴んだところ、指がちょっと腫れました。でも昔と違って、洗い流すだけですぐ治まりました・・嬉しい。

では、アレルギー体質とは?
頭でイメージしやすいのって、例えばAという因子があって、Aにアレルギーを持つ人がそれに暴露すること(触れること)でアレルギー反応が起こる、ということだと思う。
そのイメージの根本をみていくと、こうなる。

ヒトは誰しも、血液内にリンパ球というものが存在して外部からの細菌の侵入を防ごうと働いている(免疫機能)。
リンパ球には、Th1リンパ球とTh2リンパ球がいる。
この2つはいつもシーソーに乗っていて、どちらかの反応が過剰にならないようにお互いにバランスをとっている。
この免疫バランスが整っている状態だと、アレルゲンに暴露しても過剰反応することはない。

Th1リンパ球は細菌やウイルスに反応して、それらを他の細胞に食べさせたり破壊させてやっつける。その結果、体の表面上では発熱やのどの痛みが起こる。
Th2型リンパ球はホコリやダニなどのアレルゲンに反応して、抗体を作るように別の細胞へ働きかける。すると、IgE抗体が大量に生産される。
IgE抗体は、さまざまな物質の反応の連鎖を引き起こして、結果的に皮膚に炎症を起こすことで体を守ろうとする。

その炎症が長引いてしまうと、Th2型リンパ球が反応してしまい、またIgE抗体が増える。そしてTh2型リンパ球も増える。
そのうちに、シーソーがどんどん傾いてTh2リンパ球が優勢になる。
このリンパ球の「免疫バランスの崩れ」がアレルギー体質を持っているという状態。

リンパ球のバランスを崩すものは、どんなものか?
・感染すること(ウイルスや黄色ブドウ菌)
・不規則な生活習慣
・腸内環境が悪い
・ストレス
・皮膚の炎症が長引くこと
・年齢(乳幼児は、リンパ球が未熟なためバランスも不安定)

薬物療法は、この皮膚の炎症が長引くことに対してアプローチしている。
もちろん薬物療法と原因を取り除くための生活習慣の管理(しっかり寝るとか掃除をするとか野菜を食べるとか)の両輪で自己治療することが大切。

リンパ球の働きについて詳しく説明しているサイトを貼っておきます。
このサイトの商品をお勧めしている訳ではないですよ。


ステロイドは悪いくすりなのか

ステロイドに関しては以前から様々な報道がされている。
1990年ごろには脱ステを美化するかのような報道、ステロイドバッシングと受け取れるような報道もあった。
Q:外用ステロイドで肌が黒くなる?
A:皮膚の炎症(赤み)が治まると黒くなるもので、薬が原因ではない。
Q:ニキビができやすい?
A:副作用として免疫力を低下させるため、ニキビはできやすい。
Q:体内に蓄積するのか?
A:外用ステロイドの作用時間は10時間のみで、血液に乗って肝臓で分解されるので蓄積しない。
Q:骨や血糖値に影響する?
A:内服薬や注射薬は全身にまわるが、外用薬は局所的なので体内の臓器に影響しない。
Q:内服ステロイドの副作用は
A:顔が腫れる・骨が弱くなる・太る。血糖値が上がることがあるが、まれなこと
Q:外用ステロイドの副作用は
A:皮膚が薄くなる(正常な皮膚の生育も抑えてしまうため。強い薬や長期使用を避ければ大丈夫)、色素が抜けて白くなる、ニキビ、毛細血管が目立つ。「副腎抑制」はまず起こらない、内服でもまれなこと。
Q:なぜ身体の部位で外用薬を使い分けるのか
A:顔や首は皮膚が薄いため効きやすい反面副作用も出やすい。足の方は効きにくいが副作用が出にくい。そのためステロイドの強さで分けている。

リバウンドが起こりやすいと言われるが、数日間だけきちんと塗って、効果が目に見えると塗るのを怠ってしまい、炎症がぶり返す。
アトピーの重症度を測るためにTARCという検査項目があるが、これはTh2型リンパ球がどれくらい暴れているかを見ている。
目で皮膚の状態を見て正常に見えても、このTARCは高い値となっていることも多い。
皮膚がきれいでも、その下では炎症の準備がされていると思って、同じ量を同じ場所に塗り続けることで炎症を抑えることができる。

今回はここまでにします。
講座で配られた資料と、自分の手書きノートを参考に書いています。

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