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サンシャインを超えるラブライブは作れないのではないか

ラブライブは気付くと『スーパースター』というシリーズが出ておりますけども、私的に見て一番人気があるラブライブはサンシャインなんじゃないかと思っとります。
サンシャインは恐らくこれまでのシリーズで最も成功したラブライブなんじゃないかと思う反面、虹ヶ咲学園なんかは割と失敗だったんじゃないかと思っていて、セブンのコラボは一回も目にせずスーパースターに切り替わっていたような印象があります。
京都に引っ越し前にと4回ほど沼津に行っていた私ですが、ここで何故サンシャインを超えるラブライブは出ないと思うか書いてみたいと思います。

🌸廃校危機の学校を救うことに価値があった

初代ラブライブはご存じの通り、廃校寸前の学校をアイドルの力で再興させる展開です。この背景を聞くとどうしてもドラゴン桜との対比をしてしまうのですが、ラブライブの前半2作品は廃校寸前の学校を立ち直らせることが最終ゴールとなっておりました。
虹ヶ咲学園に関する評価として「キャラデザがイマイチだった」と言うコメントを見たことがありますが、虹ヶ咲学園が売れなかった理由はキャラデザでは無いと思います。ぶっちゃけラブライバー以外から見ればみんな同じに見えるので、キャラデザがラブライブ同士におけるヒット具合の決定的な差にはならないと思われます。
なんならµ'sの穂乃果が唐可可であったとしても充分成立したでしょう。
前半2作品と虹ヶ咲学園の大きな違いは「これから堕ちていく学校」と「安定経営の学校」という違いがあります。
前半2作品で学校再建というプロジェクトに視聴者(プレイヤー)は間接的(疑似的)に関わり、美少女達と学校再建する過程を共有することにラブライブの意味があったのです。
対する虹ヶ咲学園はマンモス校なので、経営が安定しているマンモス校の同好会なんか見せられても面白くないわけです。

🏢ベンチャー企業のスーパースター

虹ヶ咲学園にしろ結ヶ丘女子校にしろ、感覚的に第三次ベビーブームで少子化を解決した日本の話なんじゃないかと思ってしまうのですが、結ヶ丘女子新設されたばかりのベンチャー高校です。ここもまた、前半2作品との対比が発生します。
ラブライブ4作品を企業に例えるなら、こんな感じになります。
音ノ木坂:倒産寸前の元大企業(かつてのJAL)
浦の星女学院:倒産寸前の地方企業
虹ヶ咲学園:安定経営の大企業(ユニクロみたいなモン)
結ヶ丘女子高校:新興ITベンチャー
言ってしまうと、結ヶ丘女子校はラリー・ペイジであるとか、イーロン・マスク的な人間が通う(スクールアイドルをやる)学校と思えば良いのかなと思います。
ある意味、新興企業(高校)だからこそイケイケであるとも言えます。

🍂衰退企業を再興させるのは新規企業発展より難しい

これは経営の世界ではよく言われることですね。
倒産寸前の企業を再生させるのは、新規で興した会社を発展させるよりずっと難しいことであると。
新興企業に集まる人と言うのはプログレッシブ(進歩主義)な人間で固められています。これに対し、衰退企業というのはコンサバティブ(保守主義)の人間との対立が必ず起こるんですよ。
それこそ初代ラブライブにおいては絢瀬絵里、サンシャインにおいては黒澤ダイヤが立ちはだかりますが、歴史があるだけに保守的な価値観の(現状維持を望む)人間が一定数いるわけです(というか多数派かも)。
衰退組織を立ち直らせるには、組織を生まれ変わらせないといけないわけです。そこで保守派との対立・確執は必ず起きます。ここで保守派に対して取る行動は和解をするか、抗戦(粛清)をするかの2つになります。
尤も、初代ラブライブでは絢瀬絵里が高坂穂乃果や園田海未を粛清しようとしたわけですけども・・・。

🗻µ'sは理想に辿り着き…Aquosは現実を見る

初代もサンシャインも学校再建をゴールに頑張ってきたところは一緒です。
ですが、初代は努力の末に目標に到達した(夢を叶えた)反面、サンシャインでは浦女の統廃合が決定します。
「努力ではどうにもならない」という現実を見せつけられるのです。ここが初代との見事な対比になっています。
人間、大人になれば1つや2つくらい挫折を経験して生きているものです。
Aquosは夢破れることで視聴者(プレイヤー)が感情移入しやすいのです。
初代は努力をして夢を叶える物語。ですがサンシャインは挫折を経験することで彼女達と一緒に大人になっていく物語なのではないでしょうか。

🚃サンシャインは官民一体のプロジェクト

最後にラブライブの各学校ですが、音ノ木坂、虹ヶ咲、結ヶ丘は全て東京都心・副都心の学校です。これに対し、サンシャインだけが沼津という、静岡の都市を舞台にしています。
この沼津というのが絶妙に微妙な距離なのでして、東海道本線では一日に数本、東京への直通便が存在します。一昔前は特急あさぎり号で新宿とも直通だったんですよ。
そしてサンシャインは官民一体となって沼津PRの広告として使われてきました。ここまで発展したラブライブはサンシャインくらいでしょう。
これらを総括してしまうと、やはりサンシャインを超えるラブライブはもう登場しないんじゃないかなと思うわけです。
まぁ人によって好きなラブライブが結構違うかも知れないし、本当は私の思惑と裏腹に一番人気は初代かもしれない。まぁ容姿は間違いなく絢瀬絵里が一番です。
それでもサンシャインは確かに沼津をPRする大事なイメージキャラクターであり、今も確かに愛されているのであります。
願わくばね、今後のラブライブでは丹波橋(京都市伏見区)辺りからスクールアイドルが登場し、或いはサンシャインが好きな人の静岡IターンやUターンなんて言うのが起きたらね、もっとラブライブも面白くなるんじゃないかなと思います。


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