政党政治に必要なのはグランドデザイン

三菱重工株主にして川崎重工の株主という立場でものを見ると、この２ヶ月間、本当に安倍政権には損失を負わされることになりました（言うて大した損失ではないけど）。
イージス・アショアで河野太郎にしてやられ、ＧｏＴｏキャンペーンで菅義偉に食わされる。も、川崎重工の株価なんて殆ど回復しないんですよ。自身が造った北陸新幹線なんて車内ガラガラでしたからね・・・。
そんな最中、安倍政権は遂に終わることになりました。個人的に一番なんとかしたかったのは在特会なので、安倍政権はその過程でしか無かったのですけどね。ちょうど第二次安倍内閣に呼応するように桜井誠の勢力も強くなったので。
その安倍内閣も最後は自滅によって終了し、在特は日本第一党と名を変えて勢力は更に大きくなっていたので、石破茂辺りが総理になってくれれば彼らの勢力も弱くなると思うのですが、麻生太郎とかなっちゃったら、ちょいと展開わからないです。まぁ防衛株の株主としては石破茂の方が助かるのですが・・・。

🗾日本の方向性を描けるマスタープランが・・・無い

日本の政治政党に無いのはグランドデザインである | 横浜センチュリー

僕自身は今後、政治活動の一線に身を置き続けるのかどうかは迷いどころですが、一応Ｔｗｉｔｔｅｒでは社民主義政党の支持者が集まるグループチャットに参加しているので、彼らに対してはこうアドバイスします。
「グランドデザインを描きなさい」とね。
日本の政党政治に於ける有権者への大きな損失というのは、グランドデザインを描けないということです。
なのでＴｗｉｔｔｅｒなんか特にそうなんですが、各論の争いでしかなく、壮大な計画に基いて「こんなことをやっていく」というものが無いんです。
例えば企業には経営理念というものがあります。建前だけの理念な会社も多いですし、人材会社なんて理念すらないケースも多いんですが、参考までに川崎重工のケースを踏まえてみてみましょう。

川崎重工の経営理念ピラミッドはこのようになています。
頂点にグループミッションとしての『世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する"Global Kawasaki"』があります。
グループミッションの下にはカワサキバリューがあり、それを基に経営の方向性や従業員の行動指針に落とし込み、事業を展開していくわけです。

カワサキグループ・ミッションステートメント | 企業情報 | 川崎重工業株式会社

この川崎重工のミッションステートメントは２００７年に策定されました。
一応これが川崎重工としてのマスタープランなわけです。まぁグローバルとは言ったものの、実態としてはボーイングへの依存度が結構高かったんじゃないかと思っていて、グローバルに事業を展開していたバイクなんかは赤字だし、日本で三菱重工と並ぶ二社しかない潜水艦を造れる会社なのに、これもあんまり旨味が無いんですよねぇ。
とはいえ、東証一部上場企業であれば、大抵こうしたグランドデザインは持っていると思います。
じゃあ政党にこんなものは無いのか。いや、実は自民党にはちゃんとあるんです、形としてのグランドデザインは。でも形だけだった。ちゃんと党のマスタープランにそって政治が運営されていたかを評価する、仕組みが無かった。
「美しい国ニッポン！」
威勢は良いんですが、何をどう美しくするのかとか、そういうのが全く見えてこなかった。結果７年半、投資家ぐらいしか得した人間いないでしょ？

📰マーケティングだけは上手だった自民党

とはいえ、自民党はマーケティングに関してはとても長けていたと思われます。特にコンプレックスを持った人達へのアプローチが非常に巧かった。
そのせいか、投資家でもない生活困窮者が「何故か自民党を支持する」という不思議な事態が起きました。確かに自党が描いたグランドデザインには全くと言って良いほど沿ってない動きなのですが、しかし「どんな層にアプローチすれば良いか」という点に関しては、確かに小泉純一郎時代から受け継がれてきたノウハウがあります。
あと、地方なんかだと親父（一世）が作った基盤（人脈）にフリーライドできるって点で、自民党の二世議員が結構生まれたんじゃないかしら。いくら形だけグランドデザイン持ってても、こうした議員には浸透はしないでしょうね。そもそも首相が率先して破ってたと思いますが・・・。

📔国民にとっては大きな損失

いずれにしても、グランドデザインを提示できる政党がないっていうことに関しては、日本の大きな損失となっていることでしょう。少なくとも、国民は「どの政党に投票に入れれば良いか」っていうのが見えないんですね。それだけで投票率が上がるとは限らないのですが、少なくともグランドデザインは次の３つの人間的欲求に則して描かなければいけません。
・安全
・安心
・安定
この３つの「安」に対する国民の欲求を基に「党として目指す理念」を策定し、党としてやっていく政策を決めていくのです。その政策に基いて「党や党員はこう動く」という一連の指針の策定がグランドデザインとも言えるでしょう。今の日本の政党にはそれがない。
今後どんな世の中になるかわかりませんけども、グランドデザインを描ける政党が無いのは日本人にとっても損失ですし、その重要性を一人一人が認識してくれると良いですね。