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コールセンターで成果を出す秘訣は適度な「塩」対応である📞

緊急事態宣言の発令を求め、遊園地やゴルフ場に「無観客開催」を求め、居酒屋やカラオケ屋に休業要請をする一方、何故か休業要請の対象に入らない仕事が存在します。
それがコールセンター。
カラオケボックスにも匹敵する密な環境であり、クレーム対応などは正に大熱唱状態で喋る職場ですから、当然クラスタなんて発生します。発生するのですが、何故かコールセンターは休業要請の対象には入りません。
「感染拡大予防したいならコールセンターこそ休業させろよ」と思うのですが、まさかコールセンターがエッセンシャルな仕事だなんて勘違いしてる人っていないですよね?

ところで私が現役のオペレータだった時代、最も電話を多く取った日は8時間で164本、9時間で168本の電話を捌いたことがあります。
その理由はそれだけ質の低い問合せが多かったからに他ならないのですが、実際問題、商材によっては問い合わせの9割は質の低い問合せだったりします。速く捌くコツは通話時間を如何に短くし、如何に応対ログを素早く残す仕組みを作るかなのですが、今回は通話時間を短くするやり方について見ていきます。

☎成績を測る物差しがCPHしかない

コールセンターなんてものは経営視点で見ればハッキリ言ってお荷物です。
大抵のコールセンターは客からの電話を無料で対応していますが、無料であるが故にお荷物そのものだし、何とかして企業は「客に電話をさせないようにしよう」ということに、躍起になっておりました。
最近ではフリーダイヤルを廃止し、ナビダイヤルを使う企業も出てきましたが、問合せそのものを有料化しないと、依然としてコールセンターはただのお荷物でしかありません。
これはコールセンタ-業務を受注する側からすると、なんとかしてクライアントにコールセンターの存在価値を訴求し続けないといけない状態でもあります。
そこでアウトソーサーはセンター存続のため、顧客に色んなデータを提出しています。その中にはオペレータの成績もあり、時に音声も提出されます。
一応コールセンターに勤め始めた当初なんかは、私の応対品質はクライアント企業から評価され、新入社員研修の電話応対モデルとして使用された経験があります。が、ある程度業務が長くなり、質の低い問合せばかり受けてれば、そんな品質はとっくに捨てています。
代わりに強く意識するのは業務効率です。
コールセンターの応答効率はCall Par Hourと言って、その頭文字を取ってCPHと呼ばれています。
コールセンターは4現場ほど回りましたが、なんだかんだでCPHが絶対の価値基準だったんですよね。じゃあ何故CPHが価値基準だったかって言うと、数値化できるものがCPHしか無かったからです。

☏必要以上に答えず応えないのが効率化の鉄則

これは現役時代に成績を出していた人の多くに共通していたことですが、お世辞にも「神対応」なんて呼べる対応をしていた人は殆どいません。ごくまれにコミュニケーションの達人がいますが、応対品質と効率を両立できる人は、まぁ100人に1人いれば良い方です。
コールセンターの存在意義としては、お客から感謝され、ロイヤルカスタマーになって貰えるのが一番です。が、そんなものは所詮理想論でしかありません。
だいたいからして入ってくる問合せの9割は質の低い問合せですから、いちいち満足されても困るわけです。
一応、センターには品質管理者がいますから、一程度の応対品質は建前上、求められはします。ですが、CHPを出す方が優先なので、こうなると顧客の満足度を高めるよりも、効率を高める方が大事になってくるのです。
じゃあ効率を高めるための秘訣とは?
「訊かれた以上のことは応えないし、求められた以上のことは応えない」が鉄則です。クレームに発展しない程度の「塩対応」こそ効率アップに最適なのです。

☎応対品質を上げたくば問合せ有料化すべし

「やっと電話繋がったと思ったらオペレータ冷たい」
そりゃオペレータ冷たいの当たり前です。
「貴方にとっては数いる客の一人でも、お客様からすればたった一人の相手なんだよ」
これはよく言われる言葉ではあるのですが、オペレータからすりゃ後ろで管理者が「待ち呼5です」だの「待ち呼誰か取れませんかー!」と捲し立ててくれば、そりゃイライラも募るってもの。応対品質が良いコールセンターって言うのは、それだけゆとりもあるんじゃないかしら。
もしかしたら今はAIが応対品質の採点なんかもしてるかもしれないし、まだそこまでは行ってないセンターが多いのかもしれないけど、ワクチン関係のコルセンの話聞いてると、まぁ本筋と関係ないことでクレーム出す輩が多いんだとか多いんだとか・・・。
正直、これだけネットが発達した時代になれば、割とコールセンター無くても問題解決の手段いっぱいあるんで、未だコールセンターに積極的に電話する人の気心が知れんのですが、本当にオペレータに応対品質を求めたいなら問合せすることに対して、料金が発生するようになった方が良いと思うんですよね。
「何言ってんだ、電話繋がらない会社とかあり得ないし、問合せで金取るとかふざけてる」
という人もいるかもしれません。尤も私からすれば「情報をタダと思ってるんじゃねぇよ。そんなに品質求めるなら対価を払え!」と言いたいんですけどね。
正直、日本の消費者は甘えすぎなんで、等価交換が理解できてない人が多すぎなんですよ。1泊4000円のビジネスホテルにシティホテルのサービスを求めるような消費者が多くてもう・・・。
なんで企業側から見た自社のコールセンターってやっぱりコストでしかないし、コストでしかないから席数(発注数)を減らしたい。アウトソーサーとしてはそれに抗うための手段が今もCPHしかないのなら、やっぱり「適度な塩対応」をお客にすることが、センター維持の有力材料になってしまうんですよねぇ・・・。

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