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⚖QC数学のはなし読了⚖

取り合えず営業の仕事が終わって失業状態になりましたので、時間という物はタップリあります。
いざ纏まった休息を取るとなると休み方がなかなかわからないもので、取り合えず時間だけはタップリあるから本を読む時間はありますね。

京都府立図書館が現住居から離れてないので、府立図書館で本を借りることにしてみました。
今回は「QC数学のはなし」を手に取り、読むことにしたのです。


📄内容としてQC検定2級レベル

この本を取った理由はQC検定2級の統計学が「少しわかった気がした」というのが理由です。
まず全体的に読んでみたところとして、やはり入門書ではありません。
入門書として読むなら、普通にQC検定2級用のテキストを読んだ方が参考になります。

そういう意味では、ある程度記述統計学と推測統計学の公式が使えるようになって、少し「体感的に統計学の公式を理解できる」ようになってから読む方が良いですね。

📉正規分布の理解は正直追い付かなかった

いわゆるQC検定2級用のテキストや問題集を使っても、正規分布の理解に2週間掛かってしまった私ですが、本書を読んで正規分布の原理的な部分については、今一つ身に浸透しませんでした。

元々QC検定のためだけに勉強している数学というのもあって「数学自体の基礎力」って言うのがあまりないのも要因かなと思てます。

今読んでみると「二項分布やポアソン分布のが理解しやすいな」と思うところがあり、正規分布の方が何か奥深さのようなものを感じて、取っ付きにくかったです。

📈やっぱ数学素人には記述統計学から入った方が解りやすい

本書の初版はQC検定が始まる前に書かれているのでQC検定用にできた本ではないのですが、構成としてはQC検定用のテキストと似ています。

まず正規分布⇒二項分布⇒ポアソン分布で入り、推定・検定⇒相関・回帰分析⇒実験計画⇒信頼性工学の順に入ります。

この内、推定や検定は推測統計学、相関・回帰分析、実験計画法は記述統計学と言われる部分なのですが、じゃあ私のような数学素人に取っ付き易いのはどちらかというと、記述統計学の方ですね。

相関・回帰分析、実験計画法には分散分析表を作る手順があるのですが、この計算で分散分析表を埋められる成功体験を積んでからの方が、推定・検定も理解しやすくなるんですね。

なので推測統計学からやろうとすると眠くなるので、先に相関分析の項目を読んだ方が良いと思います。

🏭Made In Japanの信頼性を確保するために

ところで本書は冒頭と信頼性工学に関する部分で、アメリカの品質管理についても触れられています。

どうにも太平洋戦争によってアメリカの品質管理能力が大幅に向上したようで、今日の民間工場で行われる「抜き取り検査」も、太平洋戦争期のアメリカで始まったようです。

気になってネットで調べてみると、丁度この頃にアメリカで起こった品質管理手法が後に「QC7つ道具」として完成されたようですが、日本の品質管理能力が高まったのは敗戦後、デミング博士を招聘してからというのがわかりました。

アメリカから品質管理技術を取り入れることによって日本製は「安い」から「高品質」に転換して経済大国になれたものと思いますが、近年の品質不正が露になるにつれ、メーカーにもQC検定合格者が多くいるはずなのに活かされていない現実に落胆するものです。

三菱、東レ、ダイハツと品質不正が立て続いておりますが、かつて信頼を得ていた「Made In Japan」は揺らいでいます。
統計的な品質管理が浸透すれば、本来起きなかった不正が起きていることを鑑みると、もっとQC検定合格者が品質管理で活躍する社会になってほしいものです。
尤も「Made In Japan」を目にすることはすっかりなくなりましたけど。


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