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北陸新幹線という名の偉大なる失敗作🚄

インドネシアの高速鉄道受注合戦において中国に負けたこと、結構キレてる人がいるんですが、あのインドネシアに対する態度を見てると、日本の新幹線の失敗を直視できてない人って、きっとたくさんいるんだろうなと思います。
「日本の新幹線は無事故で失敗なんかあるわけ無いだろ!」
こうお怒りになる人も多いでしょう。そう、日本の新幹線は大きな事故なく定時運行もでき、その技術レベルは世界随一であることは間違いないのであります。
ただね、安全に運転できること=失敗がない、というわけではありません。
現に先日、北陸新幹線はくたか号に乗った時、北陸新幹線が改めて失敗作であるということがわかりました。富山から帰った瞬間だけは良いんですよ。
「あぁ、川崎重工株主として僕らはこういう新幹技術に貢献してるんや!」
と思うことができるんでね。
でもね、よくよく考えたら北陸新幹線開通前に思ってた「北陸新幹線いらなかったんじゃね?」っていうのが、割と正解だったということが分かった気分になっています。

🚄平時でも北陸行く人は多くない

北陸新幹線は平時でも赤字の便が存在します。それが「つるぎ」です。
富山~金沢だけを結ぶという、ある意味なんの為に存在してるのわからない便なのですが、平時における乗車率が約30%と決して高くはありません。
はくたかも乗客の多くは軽井沢で乗り降りするので、あさまでも大して変わらないんですよね。
かがやきも便が少ないからこそ一定の乗客がいますが、結局のところ北陸本線を第三セクター化して地域住民の利便性を奪ってまで北陸の経済を活性化するほどの効果は無かったわけです。
しいて言えば直江津までを新幹線区間として、直江津~金沢間は在来線区間をMax140Km程度で走れていれば充分だった気がします。越後湯沢始発のはくたかを廃止し、直江津での新幹線線路から直通をやれば利便性も一程度維持されますし、E7系の在り方もずっと違ったと思います。

🚄直江津からの直通の方がE7系の未来もマシだった

新在混合型車両の方が海外展開もしやすいですし、高速鉄道市場における日本のプレゼンスも変わっていたでしょう。
北陸新幹線は全体的にカーブが多い路線となっています。よって山陽新幹線や東北新幹線のような300Km運転はできません。
整備新幹線法によって最高速度が260kmと決められてることもありますが、カーブの多い北陸新幹線区間は最初から300Kmで走る予定なんて無かったんでしょう。E7系のトップスピードは275Kmですし。
そうするとね、秋田新幹線で使われてたE3系を北陸新幹線で使っても良かった気がしますし、改めて北陸新幹線は失敗作なんですよ。
これがせめて直江津から金沢直通ならE7系の在り方はずっと変わってたと思ますが、最終的にはあの姿に落ち着いたので、単にグランクラスのためだけのE7系という気がしないでもありません。間違いなくE7系は日本でしか通用しない車輛であり、世界で戦っていける車輛ではないですね。

🚄新高岡駅のダメさ加減

北陸新幹線きっての失敗作、それが新高岡駅です。も、ね・・・。

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なぜ経路そこにしたし・・・。
市内の単距離輸送である万葉線、氷見への輸送を担う氷見線はJR高岡駅から出ているのです。新高岡はイオンがあるくらいで、城端線は本数が少ないです。毎時1、2本しかないので、乗り換えは不便。下手すりゃ高岡駅まで歩いて行った方が早いです。
高岡駅に止まるようにすれば利便性も確保できたのに、新高岡駅にしたばかりに利便性はなくなりました。東の新幹線だとこうした意味不明な駅がいくつかあります。白石蔵王とか。

🚄世界と戦える最も優秀な新幹線はE6系よ?

確かに日本の新幹線って、日本国内における運行そのものは極めて安全運転であり、正確性の高いダイヤで動き、車輛にも様々な技術が詰め込まれています。単純に「車輛を安全に動かす技術ポイント」という面で見れば、日本の新幹線は間違いなくトップクラスと言えるでしょう。
ただし、車輛を動かすだけが高速鉄道ってわけじゃあないんですね。勿論海外で受注するにはセールス力が必要だし、線路設計という点じゃあ、ちょこちょこと不便な設計が存在しています。あと妙にN700に対する独特の信奉心が強い気がしますね。多分、ダイヤの過密度、輸送力、カーブへの強さと速達性と知名度の観点から見てN700に対する期待が集まりやすいのかと思われますが、実は日本の新幹線で一番高い技術が投入されてるのって、秋田新幹線で使われるE6系の方です。これが世界と戦える新幹線なのね。
E6系の良いところはE5系とのドッキングができるところ。
東京ー盛岡まではE5系の持つ大量輸送力と両者の持つ速達性。盛岡で切り離し・合体をして新幹線区間で函館に向かうE5系と在来線で秋田に向かうE6系は非常に可用性が高いんです。

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参考までにこれがインドネシア(ジャワ島)の鉄道網なんですけどね?
僕がセールスやるんだったら、ジャカルタからスマランはE5系型とE6系型の連結運行をさせて、スマランでE5とE6を切り離させ、E5系型をスラバヤまで最高時速350Km運転、在来線を走れるE6系でジョク・ジャカルタへ南下させる方法を提案しますね。だってトップスピードで戦ったら絶対大陸に負けるに決まってるじゃないですか。
こうすれば中国の高速鉄道との差別化もできたかもしれないし、ICEやTGVと対等に戦えます。
そう考えるとN700に固執するようになってしまった段階で、N700はもう失敗作なのです。それこそN700に代わって岡山で切り離し、伯備線区間をスーパーやくもとして走れる車輛作らないとダメ。
改めて考えるとE6系こそ大成功と認識できなかった日本のコンセンサスはなかなか痛く、北陸新幹線にもその失敗の精神が露骨に反映されてると思うと、やっぱり北陸新幹線は偉大なる失敗作であり、この新幹線の延伸を止められないこともまた、一種の地獄にしか思えませんね。

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