見出し画像

人は誰しもが魔王になり得る…⛰

ひぐらしのなく頃に綿明かし編3話が放送され、意外なことがわかりましたね。
綿騙し編で相打ちと思われた沙都子と魅音ですが、なんと沙都子の完封、雛見沢症候群を発症して能力強化を受けた魅音が一方的にやられました。
結局最後は被害者になるのが園崎魅音というのは反転した世界でも変わらずで、園崎魅音は園崎魅音だったわけです。
それにしても卒になって沙都子の好感度が一方的に下がる展開しかなく、視聴者の中には沙都子が嫌いになった人もいるかも知れません。
個人的にはアレです。今の沙都子を見てると、ライブアライブのオルステッドを思い出します。

🏰主人公が魔王(ラスボス)になる

画像1

ライブアライブというゲームをザックリ説明すると、主人公がラスボスになってしまうゲームです。物語全体を通して見ると、真の主人公はプレイヤー(英雄)側ではなく、魔王側になります。
個人的にRPGのキャラで一人だけ親友に出来るとしたら一番親友にしたいのがオルステッドなのですが、正にオルステッドが魔王オディオとなり、最期のセリフが「誰しもが魔王になりえる」というものです。
じゃあどうしてオルステッドが魔王になってしまったのかと言うと、端的に言えば次の流れになります。

❶親友に騙され、王殺しの罪を負わされる
❷王殺しの罪を負わされたことで国を追われる(捕まれば死刑確定)
❸魔王山で親友から逆ギレ決闘を挑まれ殺害する羽目になる
❹いつの間にか婚約者が親友に寝取られ後追い自害
❺最初から魔王はいなかった⇨全てを失ったオルステッドは自ら魔王になることを決意⇨祖国を滅ぼす

という具合で、短期間に壮絶なことが目白押し。魔王になったオルステッドは祖国の国民を虐殺し、時代の異なる7人の英雄を自分のいる次元に召喚します。
大雑把に言えば、これがライブアライブの顛末です。

🏠そして沙都子は魔王になった…

ひぐらしのなく頃には、当初のラスボスは鷹野三四でした。
幼少期に孤児となり、辛い施設から引き取ってくれた優しい養父が醜い大人によって研究がバカにされることで、養父の正しさを証明し、大人を見返してやろうと言う執念が鷹野を魔王へさせたのでありました。
令和版ひぐらしでは、沙都子がボスキャラになります。ラスボスになるのか🈭ボスになるのかはわかりませんが、ともあれ沙都子は魔王になってしまったのです。

邪神(エウア)に付け入られたとは言え、沙都子は魔王になるための下地は充分にありました。オルステッドのように短期集中的にキツイことが連発したわけではありませんが、幼少期から辛い人生を歩んできたのは確かです。

❶ダム戦争で一家が迫害を受ける
❷両親が死別する
❸叔父/叔母から虐待を受けてPTSDを抱える
❹兄が精神疾患(雛見沢症候群)で寝たきりとなる
❺恐らく小5の1年間が人生で一番幸せな時間となる
❻高校に入り勉強について行けず校友関係も悪く四面楚歌になる
❼親友に見放され孤立
❽同窓会に参加したら魅音もレナも圭一もリア充になってるらしい
❾豪雪で元住んでた家(帰る場所)を失う

こうした条件見てると、沙都子は他メンバーと比べて魔王化する下地が充分にあるんですよね。
沙都子の憎しみの対象は梨花だけでなく、大学生になってリア充になった部活メンバーにも向いているので、綿明かし編における魅音との戦いでも、人間やめられない魅音と魔王になった沙都子とでは、勝負にならなかったわけです。

🏯現実に比べれば沙都子なんてマシな子に見える

画像2

ひぐらし卒に関する検索ワードでは、すっかり「沙都子 クズ」が定着してしまいました。
まぁねぇ、沙都子のやってることは擁護しようもないし、今の沙都子はまごうことなき悪役です。
それでもアレだぁ・・・、私が政治に関わることになった2016年を振り返ると、沙都子なんかより遥かに悪質な人間を見てきたわけで、沙都子が極端なクズには見えないんですよね。感覚麻痺しとるんやろな、私。

だいぶ古いですが、私が政治に関わるようになった2016年は、勤めてた川崎市でヘイトデモが行われてたことを知った年でして、人種差別というものを目の当たりにした年であります。
あの現場に行った時を振り返ると、退屈な日常を過ごせるって如何に幸せなことかと考えたりもしますね。
今は川崎勤務じゃありませんし、西多摩は静かなこと、安倍政権から菅政権に変わって在特会(現・日本第一党)は目立った動きが起きてないことから平穏に生かさせて貰ってますが、ひぐらし卒で「クズだ」と非難される沙都子を見ても、それほどクズと思えないのが、本物を見てるからと言えましょう。本物の悪人と言うのは正義を掲げて醜悪な主張/邪悪な行動をするのです。

🏢やっぱり人は誰しもが魔王になりえる

こんなこと書いてる最中に外じゃ雷が鳴ってるんですが、改めて「人は誰しもが魔王になり得る」のは、政治活動に関わっていれば実感します。
そう言えば政治界隈では新自由主義がとても嫌われていますが、この新自由主義は人種差別を受けていたユダヤ人から広まった思想です。
人種差別を受けていたユダヤ人が「人種ではなく生産性で人の価値が決まる社会を創りたい!」と願ったことで広がっていったのが新自由主義と言えるでしょう。
相模原やまゆり園事件以降「生産性で人の価値を量る社会にNO!」という声が強まりました。しかし、私の思想は新自由主義です。社会主義志向ではありません。少なくとも現段階で私が新自由主義から改宗する理由は無いですし、やはり私は平等主義者では無い。
しかし、新自由主義は人種差別を受けてきたユダヤ人が「人種じゃなくて生産性(利益を生む力)で人の価値を決める社会にしたい」と願ったであろう背景を考えれば、やはり私自身も魔王になり得るということを認めざるを得ないわけであります。
綿騙し編/綿明かし編において、雛見沢症候群を発症しつつも、ある程度コントロールできた園崎魅音は魔王になれない人間だったという点で、大した人物と言わざるを得ません。
オルステッドと北条沙都子。金髪であること以外はあまり共通点は無い(ハズ)ですが、沙都子を見て「この子嫌い!」とか「沙都子はクズ」と思うなら同時に、次の言葉を意識してください。
「誰しもが魔王になり得る」
これは私もそうだし、きっと貴方だって例外じゃありません。
それを是非、沙都子から感じ取ってみて欲しいなと思います。

この記事が参加している募集

#私の推しキャラ

5,441件

ご一読ありがとうございます。お読みいただいた記事がもし無料、あるいは価格以上の価値があると思ったら、フォローならびに、サポートいただけますと幸いです。