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開業までの経緯③(スペースのこと)

前回までの記事を読み返してみると、どうも移住・開業に寄りがちな内容になっているような気がしたので、今回はもう少し場所だったり文化的な面にスポットを当てようと思います。画像はプレオープンのイベント後の様子。まだガレージ感満載。


2000年代前半あたりまで

そもそもなぜスペースをやりたかったか。
私は学生時代に始めたバンドの流れで、2000年代前半にイベント企画のスタッフをしていました。当時は渋谷o-nest(1996-)や青山CAY(1985-2020)といったライブ会場に頻繁に出入りし、アップリンク渋谷(1995-2021)や下北沢mona records(2003-)では自分の企画もやらせていただきました。とにかく何かが産まれる"場"だったり、生音を聴く体験にのめり込んでいました

特に影響を受けたのは、神保町美学校(1969-)に通うことになってから足を運ぶようになった代々木Off Site(2000-2005)でしたが、これは今まで何度か話をしているので今回は割愛。Off Siteには海外からのアーティストや観客もたくさん来ていて、英語の必要性をひしひしと感じたので留学を決意したということにだけ触れておきます。

※色々調べてたらo-nestのインタビューがありました。懐かしい、面白い。まさに私もここに(ひそかに)いた。nestはライブハウスなのに怖くないしカフェもあっていろんな人と話せて居心地が良いし、もしかして実はここが原体験だったかもしれない。

2000年代後半あたりから

2000年代後半に自分で演奏するようになってからは、海外のアーティストからもコンタクトが来るようになり、来日の際にはイベント企画をしていましたが、まずはとにかく場所探しから始まる
千駄ヶ谷LoopLine(2003-2011)(のちの大崎l-e(2011-2021))、高円寺円盤(2003-2024)、桜台pool(2010-)、八丁堀七針(2006-)、江古田フライングティーポット(1997-)、八広HIGHTI(2004-2016)、明大前KID AILACK ART HALL(1964-2016)等々、どの会場にもお世話になりましたが、集客が少ないゆえに会場費をまかなうので精いっぱいだったり、時には自腹で出演者にギャラを渡したり、フライヤー作成費用で結局赤字になったり…ご自身で企画されたことのある方は何かしら似たような経験があるかと思います。

※桜台poolの開店前の映像を発見。すでに閉店しているスペースはウェブサイトすら残ってなかったりするので、場所の様子が記録として残っているのって意外と少ない。Centerではなるべくイベントの様子などをアーカイブするように努めている。

一方で、田巻も上映やパフォーマンスの企画をしており、同じような悩みを抱えていたようです。しかも上映が出来る場所となると、もっと選択肢は少なく、かなり場所探しには苦労していたとのこと。

そんな背景もあり、それぞれの中で「いつか自分のスペースを持ちたいなぁ」といった想いはかなり以前からあったと思います。

翻ってCenter(2022-)

Centerを始めようと決めてからの場所づくりの参考としては、水道橋ftarri(2012-)、三ノ輪space dike(2014-2021)、恵比寿→清澄gift_lab(2005-)(※越後妻有山ノ家カフェ&ドミトリー(2012-)も運営)に色々とお話を伺いました。ftarriはCDショップ、space dikeはギャラリー、山ノ家はゲストハウスなので、それぞれ業種も異なりますが、今のCenterはなんとなくこの3者が入り混じった感じになっているのかな…と書いていて思った次第です。恐縮ながらあくまで個人的な感想です。そして、私目線だと田巻のメインフィールドである映像の要素が漏れてしまっているので、そこのところ申し訳ないです。

自分が企画で関わったスペースを主に挙げたので、他も見に行ったり出演したスペースはまだまだあります。(実験音楽や即興の括りとしては、吉祥寺GRID605(2006-2012)、不動前permian(2021-)、東北沢otooto(2016-)など。六本木SuperDeluxe(2002-2019)が東京を離れ鴨川に移転したのにはシンパシーを感じました。)

各スペースの開店~閉店の年は自分調べによるものですが、あらためてこうやって調べてみると、どこも10年20年と続けられているところばかりで本当に頭が下がります。

またあっという間に文字数と時間が過ぎてしまいました。まずは東京のスペースの名前はざっと羅列することが出来たような。(とはいっても、ここ数年でも状況は変わってるし、あとからあとから名前が出てきてキリがない。。)一方で、ここ栃木でスペースをやることの意義などにも触れたかったのですが、とりあえず④へと続きます。

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