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よりよい課題解決の手順について

「問題」と「課題」について、よく言われる下記の表現に疑問を感じる。
疑問を呈することでより良い課題解決の手順を考える。

「問題」
目標と現状とのギャップのことで、目標達成のために、解決しなければならない事柄。

「課題」
目標と現状とのギャップを埋めるために、やるべきこと。問題を解決するために起こす具体的なアクション。

例) 飲食店A
「目標」: 一日の来客数300名を目指す
「現状」: 一日の来客数は200名程度である
「問題」: 目標よりも100名ほど少ない
「課題」: DMの配布エリアを拡大する。新メニューを考案する

■疑問点提示

<疑問①>
「問題」はあくまで目標と現状にギャップがあるという事実であり、
解決すべきことかは検討が必要なことである。

上記例で言うと、

目標よりも来店客数は100名ほど少ないが、目標客単価の2倍のため
最重要目標である売上は達成している!という可能性もある。

ここで来客数を1.5倍にするために、例えば回転率を上げようとすることで
逆に客単価が減少してトータルの売上減になる可能性もある。

つまり、目標と現状のギャップ=問題=必ず解決すべきこと!ではないということ。
あくまで問題を事実として受け止めたうえで何が解決すべきことかは吟味する必要がある。

<疑問②>
「課題」とは、問題解決の具体的なアクションをとる為の指針を示すもの。であるべきと考えている。

つまり、よい課題設定とは、解決策の提示ではなく
より良い解決策を考えるためのサジェストになっていることが重要である。

■本来あるべき課題定義

「問題解決のアート」(エイコフ)の「エレベータの話」
をイメージしながら
例示の課題定義と本来あるべき課題定義の差異を記す。

<例示の課題定義>
・問題: ビルに設置されたエレベータの待ち時間が長いとの苦情が発生
・課題: (待ち時間短縮の為)エレベータの機種を最新に変更する

待ち時間短縮を隠れた前提として、解決アクションを考え始めている。

<本来の課題定義>
・問題: ビルに設置されたエレベータの待ち時間が長いとの苦情が発生
・課題: 待ち時間を長く感じさせない工夫ができないか
・解決策: 各階のエレベータの前に鏡を置く

ポイントは課題と解決策(アクション)を切り離していること。
こうすることで問題の原因や本質を考えるステップが必ず入る。

<差異>
「課題」とは解決アクションを考えること。とした場合、
どのような解決策があるか?という視点で考えがスタートしてしまう。

一方で「課題」はあくまで方向性のサジェストである。とした場合は
どのような方向性があるか?という切り口に着目した思考が可能となる。

<まとめ>
単純に課題の解決アクションを考える前に上記のサジェストを考えれば良い。ということではあるが、

プロセスとして明確に分割しておくことで半強制的に方向性のサジェストを考えることができる。というメリットがある。

■問題が発生した際の課題解決の手順

①事象発生: ある事象が発生する
②問題特定: 問題点を明確にして解決すべき事象かを判定する
③課題設定: 解決すべき事象の場合は解決の方向性を考える
④解決策: ③の方向性に従い、具体的な解決アクションを考える
⑤解決方法: ④の具体的な実現方法を考える

よりよい課題解決の手順は以上の通り。
別途、③の課題設定について深堀りしていこうと思う。

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