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ゴッシーが行く

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NH k交響楽団で33年間首席チェリスト でした その間に出会った素敵な人、今思えば信じられないほど可笑しな事、名指揮者達の言葉… 私だけの思い出にしてはもったいないような気がし…
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2024年1月の記事一覧

ゴッシーが行くvol.26《カミング サウンズ》

指揮者名言集 その8
C.デュトア

カミング サウンズ

デュトアが良く使っていた言葉だ
やっと それらしい音に
なって来たよ という意味

N響はデュトアが音楽監督
になる以前は

ラヴェルやドビュッシーなどの
フランス物を良い演奏をしたことが
ほとんど無いオーケストラだったので

レパートリーにはなっていなかったと思う

デュトアがドビュッシーの曲などを
リハーサルしているうちに
みんなが

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ゴッシーが行くvol.25《紀伊豪将》

「なんだ、なんだ、なんだ、ゴッシーって、お前、木越って立派な名前があるだろう、木越って名前はなぁ……」

そうなんだけどキゴシって
なんかカタいんで
なんかニックネームないかな、
と思ってたら最近こう呼んでくれる
友達がいたんで使ってみたのよ

「貴公シ、とかフルネームで、
巨ショウとか言う奴はいねーのか」

いるわけねぇだろう!そんな奴、
ああ、紀伊豪将って名前を思いついて使ってみたんだけどな

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ゴッシーが行くvol.24《私がチェリストになった経緯》その2

前回はチェロを初めたところから
齋藤先生のレッスンが始まり
音楽教室に入るところまでだった

最初のオーケストラの合奏で
体がふわっと浮き上がる感覚があったと書いたが

今だにオーケストラの中で弾いたり
室内楽で合奏した時の音の中にいる
特別な感覚は 当時より体重が
重いせいか体が浮き上がりはしないが
楽しい

さて 音楽教室
私のチエロのレッスンはまだ指の形を並べてる段階

しかしオーケストラは

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ゴッシーが行くvol.23《耳栓》

耳栓
それを 初めて
ステージで見かけたのは 20年ほど前
上野の東京文化会館だった
譜面台の端に置いてあった

他にもないかと探してみると 近くの
譜面台にも置いてある

1包に1つパッケージされていて
包のビニールには 英語が書いてある

そうか!
外国のオーケストラが来てジョークで
置いて行ったんだな 笑える いいな!
よーし 
今度、アメリカに演奏旅行するときは 仕返し

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ゴッシーが行くvol.21《コラッジォ》

指揮者名言集 その8
C.デュトア
コラッジォ(伊)
Coraggio

日本語は「勇気!」

大人数で合奏する時
音楽が一旦止まって
もう一度スタートする時が怖い

自分だけ先に飛び出す
「アホ」 や
出遅れてしまった
「チキン」
には なりたくない ので怖いのだが

デュトアは
プレイヤーの心理を知っていて
しかもイタリア語は便利な言葉で
大阪弁みたいなニュアンスがあ

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ゴッシーが行くvol.20《シューベルト現場のヒミツ》その3

最高な日本人ピアニストの一人
橋本京子 から電話がかかってす来た

昨日 私が投稿した
シューベルトのdim.について

A-durのピアノソナタでは
dim.の後に a tempo が書いてあって
decrscendの後にはa tempoが無い事

他の作品でも大概はdim.の時
少し遅くすると上手くいくが 
ただし例外がある事

また
ベートーベンの初期のピアノソナタ
にも dim.と

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ゴッシーが行くvol.19《シューベルト現場のヒミツ、その2》

昨日は橋本で
堀正文さん率いる室内オーケストラのモーツァルト、プロの演奏会に出演

室内楽でもオーケストラでも

堀さんと一緒だと
フルトベングラー サウンド
(言うなれば洞窟の中の丸い響きとでもいうか)
が いつも来ると思っていて
昨日も素晴らしかった

弾きながら

そうだ シューベルトの続き
と思ったので
これも堀さんから
コソッと教えてもらったのだが

シューベルトは
dim.とdecr

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ゴッシーが行くvol.18のB《vol.58超マニアックから、音色の部分》

音色の話し 

2022年末から2023年の正月を跨いで
編曲とパート譜の作成の為に
ほとんどチェロを弾かない期間が
1か月ほどあった 

2月になって久しぶりにチェロを弾いてみてビックリした
音域によってこんなにも音色が違うのかと

暫くぶりに音を出してみたので新鮮に感じたからだと思うが

弦の長さを3等分したそれぞれの部分に3っの音色が有ると感じた

クラリネットの横川晴児にどう?
と聞いたら

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ゴッシーが行くvol.18のA《音色の話し、呂律》

新作、2024年1月

呂律が回らないという、呂律の由来は
中国の「漢書」
の中の記述から来ている 

「漢書」は西暦82年に編集された中国の歴史書

ゴッシーが行く、Vol58に

音色の話しとして

弦の長さの3分1 と
9分の1 に

音色の境目があると感じているという話を書いたが
(時系列が前後しているのでNOTEでは
次回vol.18のB
でその部分を掲載している)

その考えでこの1年

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ゴッシーが行くvol.17《それは死かも知れない》

指揮者名言集(ジョーク)
その6
チョン ミュンフン

マエストロ チョンが
N響に久しぶりに登場して
練習前にリラックスして 話し始めた

実は最近 大笑いしたことがあって
アルゲリッチとマイスキーが一緒の
演奏会で合わせの時 

マルタ姉さんが 

ひさしぶりじゃない
どおよ調子は 
と言うので

実は肩が痛くてさ 
と言ったら

あーら
私なんかさ
あの病気でこんな目にあって
その後ここ

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ゴッシーが行くvol.16《シューベルト、現場のヒミツ》

今日はひさしぶりに
コンサートマスターの
掘さんとN響のメンバーで
シューベルトの鱒の合わせ

掘さんがモーツァルトを弾くと
まるでモーツァルトが 乗り移ってる かのように
モーツァルトの音と音楽が出現する

そんな彼から
こっそり教わった事がある

ピアノ クインテット鱒の
第4楽章はテーマと終曲を除いて

「バリエーションは全て泳ぐ鱒と
 水を描写している」

と堀さんが小さな声で 皆ん

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ゴッシーが行くvol.15《初心忘れるべからず》

600年以上前の
足利義満の時代の能役者

世阿弥

が書き残した秘伝の書に

現代の音楽家にも通じる大事な事が
書いてあると感じるので
紹介しようと思う

先日 能役者の 梅若基徳さん
が自身のノートに

世阿弥の有名な
「初心不可忘」
初心忘れるべからずを紹介されていて

改めて
強い感銘を受けた

32才の時私は一流の音楽家になる!
と決意したのには
世阿弥の書との劇的な出逢いがあ

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ゴッシーが行くvol.14《希望のようにお願いします》

指揮者名言集
その6 N.サンティ
《希望のようにお願いします》

ウェーバーのオベロン序曲 
冒頭 ホルンのソロ  

れーみ#ふぁ

クレッシェンドでもディミヌエンド
でもなく 

希望 

のようにお願いします

素晴らしいこと言うなと
思った

希望のようなホルンのソロの後に 
バイオリンが らー#ふぁ♭しー
チェロが
感嘆詞! みみー

ジァバみたいな人が 
凄く詩的な事言うので面食

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ゴッシーが行くvol.13《髪の毛が抜けるように弾いてください》

シリーズ指揮者明言集
その5
O.スイトナー

髪の毛が抜けるように弾いてください

大きな音を出すのには
内面の力を使って下さい
という意味

1980年代だったと思う
ミュンヘン フィル音楽監督の
チェルビダッケが雑誌のインタビューで

《サヴァリッシュのような指揮者にはオーケストラを本当に大きな音で鳴らす事は出来ない》

と言ったらしく ちょっとした騒ぎになっていた

チェルビダッケの発言に

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