ゴッシーが行くvol.16《シューベルト、現場のヒミツ》

今日はひさしぶりに
コンサートマスターの
掘さんとN響のメンバーで
シューベルトの鱒の合わせ

掘さんがモーツァルトを弾くと
まるでモーツァルトが 乗り移ってる かのように
モーツァルトの音と音楽が出現する

そんな彼から
こっそり教わった事がある

ピアノ クインテット鱒の
第4楽章はテーマと終曲を除いて


「バリエーションは全て泳ぐ鱒と
 水を描写している」


と堀さんが小さな声で 皆んなに
教えてくれた

そんな事は何処にも書いていないので
彼のアイデア?それとも仲間の?
と思っているが
わかる奴にはわかる ヒントがあって
自分で感じる事が出来れば
それは教わったことではなく
自分で見つけた宝になる
だからコソッと言って
みなまでは言わない

堀さんはそんな人で
以前にも
共通の友人のパーティーで私が弾いていたらジーっと私の右手親指を見ていた
当然気になるのでN響にソリストで
来る弦楽器奏者の親指を片っ端から
観察する事になる


堀さんにも どうやって持ってるの?と聞きに行って自分の問題点に気付き改革した



話しは鱒に戻って
堀さんはミナマデ言わないので
以下は私の考え


Var.1は
Vl.とVc.が水面に映えるキラキラした光りの描写
ビオラが水の動き

Var.2は
Vc.Cb.Pf.で川辺に打ち寄せる水が ジャポーン

Var.3は
ピアノが川のせせらぎ
Vc.とCb.が ちょい跳ねしながらPianoで泳ぐが
大概はピアノが大き過ぎて
Vc.Cb.は フォルテで泳ぐ羽目に

Var.4は
全員で激流
ただしイグアスの滝に鱒はいないので私のイメージは
川幅20mくらいの川の流れの速い
浅瀬を鱒が泳ぐ
或いは渓流の激しい流れだと思うが
ピアニストはいつもナイアガラ
最初の合わせで渓流の流れを
表現してくれたピアニストはいない

めんどうな時は我慢して放っておくが
気に入ったピアニストには
もう少し小さな流れでどう?
と提案したりしている

Var.5は
Vc.ソロの鱒が川の淵を悠々と泳ぐ

確かに ベートーベンに憧れていたシューベルトは 鱒のバリエーションを
音で情景描写するバリエーション
にして
Sym.田園の真似をしてみたのかも
知れない。



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