ゴッシーが行くvol.15《初心忘れるべからず》

600年以上前の  
足利義満の時代の能役者

世阿弥

が書き残した秘伝の書に

現代の音楽家にも通じる大事な事が
書いてあると感じるので
紹介しようと思う



先日 能役者の 梅若基徳さん
が自身のノートに

世阿弥の有名な
「初心不可忘」
初心忘れるべからずを紹介されていて


改めて
強い感銘を受けた



32才の時私は一流の音楽家になる!
と決意したのには
世阿弥の書との劇的な出逢いがあり
(私の事が書いてあると思った)
背中を押してもらったと思っている

600年も前の 日本人の芸術家が
私の進むべき道を指し示していると
感じて 
一字一句 震えながら読んだ



世阿弥の著書『花鏡』から
「初心不可忘」
初心 忘れるべからず

一般的には 初心の ういういしさを忘れるなと理解されているが  

意味は 更に深く

「初心の下手だった時の自分と
上手になった今  何が違うのか
はっきり認識して
その後の修業の糧にすること」

と言っている

さらに

「初心不可忘」に続いて
「時々初心不可忘」
「老後初心不可忘」
とあり

この3つは我が家の家訓である
よくよく口伝せよ とある

2番目の
「時々初心不可忘」は
我々 音楽家に当てはめれば
初めての曲を勉強するとき
最初は下手なのに
だんだん理解が深まり 
良くなる 

何が良くなったのか
何処が下手だったのか
日々考えろ と言っている

そして3番目
「老後初心不可忘」は
名声を得てなお
老練のスタイルで演奏する時も

何が出来るようになったか
何が出来なかったのか
考え続けろ と言っている

頭が 下がる



バッハより300年も前に

素晴らしい芸術家が日本にいたことを
心強いし 誇りに思う

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