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【シューラ・チェルカスキー,1909-1995🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ21】

名ピアニストのシューラ・チェルカスキー(Shura Cherkassky, 1909-1995)はロシア帝国オデッサ(現ウクライナ)出身のピアニスト。ユダヤ系だったチェルカスキー一家は1917年に起きたロシア革命の時にアメリカに亡命。チェルカスキーは,やはりかなりの腕前のピアニストだった母親からピアノの手ほどきを受けていたが,渡米後にラフマニノフの門戸を叩く。しかし,「腕の姿勢が悪いから,2年間リサイタルやめて練習しなはれ」と言われたらしい。結局,「コンサート? そりゃ,どんどんやったほうがええで!」と言ってくれたヨゼフ・ホフマンに師事。

レパートリーは,古典から現代まで幅広く,晩年になっても近現代の曲を暗譜しまくって弾いていた。これもホフマンの教えに従ったらしい。技巧派ながら,それを見せびらかすような演奏では決してなく,常に真摯に音楽に向き合っているように感じられる正統派スタイル。

1989年に来日した時に聞きに行ったときには難曲で知られるバラキレフのイスラメイを弾いていたが,このとき80才。ニコヤカな人の良さそうなお祖父ちゃんがヒョコヒョコ出てきたと思ったら,すごい勢いでピアノを弾きだして,それが無茶苦茶うまいというギャップ萌え。そういえば,アンコールには師匠ホフマン作曲の「万華鏡」を弾いていた。

確か,毎日4時間練習するのが日課(これもホフマンの教えとか)で,ポカリスエットが好きで,コンサートの直前には木製のものに触るんだとかインタビュー記事にあったっけ。

動画はサン・サーンスの白鳥をゴドフスキーが編曲したもの。1990年前後(80歳くらい)と思う。


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