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【Felix Blumenfeld, 1863-1931🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ4】

ホロヴィッツの師匠でもあり、名ピアニストで作曲家のブルーメンフェルト(Felix Blumenfeld, 1863-1931)はロシア帝国キロヴォグラード(現ウクライナ)生まれ。すでに紹介したゲンリフ・ネイガウス(1888-1964)の叔父だ。

1881年からサンクトペテルブルク音楽院で作曲をリムスキー・コルサコフに師事しており,卒業後もとどまって1918年までピアノを教える。この時期の弟子の一人が名ピアニストのシモン・バレル。この間にマリインスキー劇場で指揮者としても活躍し、「ボリス・ゴドゥノフ」のパリ初演、「トリスタンとイゾルデ」のロシア初演等もしている。

1918年にキーフに移り,そこでの弟子の一人にホロヴィッツがいる。ブルーメンフェルトは指を伸ばして弾くよう主張していたらしく,ホロヴィッツの演奏スタイルは、このブルーメンフェルトによるもののようだ。

ブルーメンフェルトの作品は知らない人も多いかもしれないが、ショパンの影響を受けながら超絶技巧かつ幻想的な雰囲気のものが多く、技巧派ピアニストの中には根強い人気がある(のだと思うが、気のせいかもしれない)。

ボロディンの歌劇「イーゴリ公」の「だったん人の踊り」のピアノ編曲もあり、これは結構よく出来ている。 学生時代に初めてパリに行った時に「イーゴリ公 」のオペラを見て感動した僕は、この編曲の楽譜を買って練習していた時期があるが、オーケストラの響きをピアノで表す限界を感じて挫折した。。。と当時は思っていたが、これはただの言い訳。ピアノ編曲の限界が原因なのではなく、当時の僕の技術の限界が原因だったと今は痛切に思う。 ちなみに、この「だったん人」と訳される部分は、ボロディンによる表記だと「ポロヴェツ人」になる。これはウクライナからカザフスタン付近の草原地帯に存在した遊牧民を指すらしく、ウクライナのキーウ州やジトーミル州には「ポロヴェーツィケ」という地名がある。

以下は,Blumenfeld作曲の「左手のための練習曲」。演奏は弟子のシモン・バレル。
左手だけで、これほど表情豊かな曲を作れるという見本のような曲。

IMSLP: https://imslp.org/wiki/Category:Blumenfeld,_Felix
wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Felix_Blumenfeld


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