マガジンのカバー画像

ウクライナの芸術家シリーズ

21
ロシアの芸術家と思っていた人の大半が,実は現ウクライナの出身だったりして驚いてます。その芸術家が生まれ育った当時はソ連の一部だったりしたわけですが,それにしてもウクライナはロシア…
運営しているクリエイター

#ユダヤ

【アレクサンダー・ブライロフスキー, 1896-1976🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ17】

ショパン弾きとして名高いピアニスト,アレクサンダー・ブライロフスキー(Alexander Brailowsky, 1896-1976)はロシア帝国キーフ(現ウクライナ)でユダヤ系の家庭に生まれる。 ピアニストだった父親にピアノを習い,8歳から数多くの巨匠を育てたレシェティツキの門下生だったVladimir Puchalskyにキーフ音楽院で師事。Vladimir Puchalskyは,やはりキーフ生まれのホロヴィッツ(1903-1989)の師匠にもあたる。ただしブライロフス

【Leonid Kogan, 1924-1982🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ7】

20世紀の名ヴァイオリニスト🎻の一人,レオニード・コーガン(1924-1982)はソビエト連邦エカテリノスラーフ(現ウクライナ, ドニプロ)の生まれ。アマチュアのヴァイオリン弾きでもあった写真家の父親がレオニードの才能に驚き,音楽の勉強をさせるためにモスクワに行き,10歳からモスクワ中央音楽学校(1934-43)で,その後モスクワ音楽院(1943-51)で,アウアーの弟子のヤンポルスキー(Abram Yampolsky)に師事する。 コーガンは,モスクワ音楽院で同門となった

【Maria Grinberg, 1908-1978🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ5】

マリヤ・グリンベルク(Maria Grinberg, 1908-1978)はロシア帝国オデッサ(現ウクライナ)生まれの伝説的なピアニストの一人。同じ年に同じくオデッサに生まれた芸術家にはダヴィド・オイストラフが、少し上 (1904生まれ)にはナタン・ミルシュタインがいる。 グリンベルクは18歳まではオデッサでピアノを学ぶが,その後,前回紹介したブルーメンフェルトに師事している。ホロヴィッツはキーフで1920年ころにブルーメンフェルトに師事していたが,グリンベルクが弟子入りし

【Emil Gilels, 1916-1985🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ1】

20世紀の名ピアニストのエミール・ギレリス(Emil Grigoryevich Gilels, 1916-1985)はオデッサ(ロシア帝国,現ウクライナ)生まれ。両親は共にユダヤ人の音楽家だったとのこと。妹のエリザベート・ギレリスはヴァイオリニストで,レオニード・コーガンと結婚している。見出し写真はエミールとレオニードだ。 「鋼鉄のタッチ」と呼ばれるテクニックの持ち主で,どちらかというとルバートは控えめな一方,端正で緻密でありながら強烈な音量のコントロールによる表現が魅力的