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ウクライナの芸術家シリーズ

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ロシアの芸術家と思っていた人の大半が,実は現ウクライナの出身だったりして驚いてます。その芸術家が生まれ育った当時はソ連の一部だったりしたわけですが,それにしてもウクライナはロシア…
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#ピアノ

【レジーナ・ホロヴィッツ, 1899-1984🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ19】

レジーナ・ホロヴィッツ(Regina Horowitz, 1899-1984)は,ジトミール(旧制ロシア,現ウクライナ)の生まれ(キーフ生まれと説明しているページもある)。あの,ウラディミール・ホロヴィッツ(以前の記事も見てね)の姉だ。ウラディミールは,「姉の方が自分より演奏がうまい」としばしば語っていたらしい(情報源)。 レジーナは,キエフ音楽院でウラジーミル・プチャルスキーに師事して1919年に卒業。ウラディミールもプチャルスキーに師事していたことがある。 1920年

【ウラディミール・ホロヴィッツ, 1903-1989🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ18】

ピアノ界の伝説の巨匠ウラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Horowitz, 1903-1989)はロシア帝国キエフ(現ウクライナ, キーフ)生まれ。 ユダヤ系の家庭の生まれで,父親は腕利の電気技師。ドイツのメーカーに電気モーターを卸していた。叔父のアレクサンダーは、スクリャービンの弟子で親友だった。ホロヴィッツが10歳のときにスクリャービンのもとで演奏したら、スクリャービンはホロヴィッツに非常に才能があると両親に言ったらしい。 ホロヴィッツはアマチュアのピアニ

【Samuil Feinberg, 1894-1962🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ10】

名ピアニストで作曲家であるサムイル・フェインベルク(1890-1962)はロシア帝国オデッサ(現ウクライナ)生まれ。バッハ研究で名高く,ソビエト連邦で平均律クラヴィーア曲集の全曲演奏を初めてしたピアニスト。見出し写真の右がフェインベルク,左が弟子のメルジャーノフ(Victor Merzhanov, 1919-2012)だ。メルジャーノフは弟子の原田英代氏の招きで晩年に何度か来日しており,原田氏に時々レッスンを受けていた嫁がマスタークラスを受講したと言ってた。羨ましい。 モス

【Vladimir de Pachmann, 1848-1933🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ9】

ピアノギークなあなたなら,きっと知ってる伝説の名ピアニスト,ヴラディーミル・ド・パハマン (1848-1933)もオデッサ(ロシア帝国,現ウクライナ)出身。ショパンは1810年に,リストは1911年に生まれているので,その少しばかり後の子ども世代になる。 オデッサ大学の教授だった父親はかなりの腕前のアマチュアのヴァイオリニストで,ウィーンでベートーヴェンやウェーバーらにも会ったことがあるとか。パハマンはこの父親に18歳まで音楽を習い,その後,ウィーン音楽院でピアノをカール・

【Leo Sirota, 1885-1965🇺🇦 ウクライナの芸術家シリーズ8】

ピアニストのレオ・シロタ(1885-1965)を知っているだろうか? ちょっと検索してたらたまたま出てきたこの名前,どこかで聞いたことがあるんだけど...と気になって調べたら,実は日本のクラシック黎明期の重要人物。 シロタの生まれはロシア帝国(現ウクライナ)だが,娘は「パパはキーウ生まれよ」と,シロタの弟子は「ウクライナ南西部の出身って聞いてるで」と言ってるとのこと。ユダヤ系の一家の生まれで,父親は洋服屋。二人の兄は指揮者と音楽エージェントになっている。 シロタは5歳でピ