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握ったその手には

果たして貴方は来るのかな、来ないんじゃないかな、ごめん行けないってまた連絡が来るのかな、来ない可能性ばかりを考えていた日々からやっと約束の日。

待ち合わせの時間、待ち合わせの場所、メイク、ヘアスタイル、ファッション、全てを考えるだけでドキドキした気持ちは貴方だけなのは確実。鏡の前でチェックしてメイク直しもして大丈夫かなって何度も何度も確認するほど思える人はやっぱり貴方だったね、忙しくて連絡も少なくなってあれだけしていた電話も前回いつしたかも覚えてないぐらいの記憶までになってしまって自分の思いもわからなくなるばかりなのに会った瞬間、あ、やっぱり貴方だった。

初めて会ったのに前から会っていたような距離感でやっと会えたことに嬉しくて忙しいのに時間を作って会ってくれるその気持ちにも嬉しくて本当にありがとう。

どのお店に入るか探す時間も愛おしくて
食事する時間も同じ料理を分け合って食べる時間も
他愛のない話で笑う時間も貴方の話を聞く時間も
全ての瞬間が愛おしかった。

けど本当に貴方は忙しい人、私とはまた別の忙しい世界の中で今を必死に頑張っている。顔色をみたら確かに目の下にはクマもあって寝れていない事にも十分わかるほどに、だからその分理解しようと確信。この後も大学に戻ってまた勉強して、レッスンして、ってこのスケジュールの中この時間を作ってくれた事に感謝しかない。

食事も済んでお別れの時間。

駅まで送ってくれてバイバイが惜しくなるその瞬間お互い引き寄せられたかのように近づいて貴方は私の手を取り握りってくれた。私は目を見て貴方に感謝の気持ちを伝える。貴方の右手と私の右手。確実に繋がっていた。自然と繋がれた手は自然と離れていってお互い別の方向へ。この行動は何を意味している?貴方がわからないまま、またわからなくなるばかり、それでも貴方にまた会いたいと思うのは間違いないの。


握ったその手にどんな思いがあったのかは
まだ知れないまま。また今日も眠りにつく。

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