見出し画像

打ち上げ"中止"と打ち上げ"延期"の違いとは?

 H-IIAロケット47号機の打ち上げまでには、3度の打ち上げ日時の変更がありました。

  1. 8月24日……天候悪化が予想されるため8月27日に"延期"

  2. 8月25日……天候悪化が予想されるため8月28日に再"延期"

  3. 8月28日……上空の風が打ち上げ時の制約条件を満たさないことから"中止"

 同じような天候理由による変更にもかかわらず、24日と25日は「打ち上げ延期」、28日は「打ち上げ中止」と呼ばれています。

 この理由について、三菱重工の広報の方によると、「ひとつのポイントは『機体移動作業移行可否判断』で、作業に入る前で延期が決まったら『延期』と呼び、作業に入った後で決まったら『中止』と使い分けている」とのことでした。

 機体移動作業移行可否判断(または「第1回Go/NoGo判断会議」)とは、打ち上げの前日に行われる機体移動のための作業を行うかどうかを判断する会議のことです。28日の場合には、27日15時に判断が行われました。

 この判断でGoがかかれば、機体移動に向けた作業をはじめ、さまざまな活動が活発になるため、ここがひとつのターニング・ポイントになっているようです。また、「ひとつのポイントは――」と説明があったように、ほかにもいくつかトリガーとなるイヴェントがあるようです。

 感覚としては、打ち上げに向けて本格的に動き出す前なら、そのまま作業を先送りするだけなので延期と表現し、動き出したあとであれば作業をいったん止めて、巻き戻す手間が出てくるので中止と表現するということではないかと思います。

 また、「『延期』の場合は記者会見はせず、『中止』の場合は開催する」という基準もあるとのことでした。実際に今回も、8月24日、25日の延期時には会見はなく、28日の中止の際には会見が行われました。

【ご支援のお願い】 noteのサポート機能によるご支援を募集しております。 旅費交通費や機材代など、取材にかかる経費は基本的に私費でまかなっており、限界がみえてきています。 今後の継続的な取材、報道のため、皆さまのご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。