ビデオゲーム史:『コンピュータースペース』
ビデオゲーム史について,作品ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は『コンピュータースペース』(Computer Space) を扱います。
概要
世界で最初のアーケードゲームとされています。1971年に稼働を始めました。『スペースウォー!』と似ていますが,宇宙船を操作して2体のUFOと戦う1人用のゲームです。1973年には,対戦可能な2人プレイ版も発売されました。
デザインはノラン・ブッシュネル(Nolan Bushnell),発売元はアメリカのナッチング・アソシエーツ(Nutting Associates),開発元はシジギエンジニアリング(Syzygy Engineering)です。操作が難しく,デザインには失敗したとされています。
作品メモ
1962年に開発された,ブラウン管を使用した最初のビデオゲーム『スペースウォー!』の魅力を知ったブッシュネルが,業務用ゲーム機を目指して開発したといわれています。『スペースウォー!』を動作させるコンピュータは大型でした。当時,電子部品の価格が低下したことで,ブッシュネルは開発を進めることができました。
ブッシュネルは,同僚だったテッド・ダブニーとラリー・ブライアンととに,シジギエンジニアリング社を立ち上げ,『コンピュータースペース』の試作品を完成させました。3人は業務用ゲーム機メーカーのナッチング・アソシエーツ社に転職し,特徴的な曲線形のデザインのアーケード筐体を作らせました。
以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZoBoa6BtJfM
『コンピュータースペース』は操作が難しく,売り上げが悪かったことで有名です。ゲームについての説明文を読まなければプレイできないようなデザインであり,ナッチング社の経営がうまくいかず,宣伝もうまくいかなかったといわれています。
以上,ビデオゲーム史シリーズの3つ目の作品でした。このように,この作品だけ見ると散々ですが,ブッシュネルというゲーム史における重要人物が,この作品の教訓を生かして次の時代を作ると考えると,大きな流れが見えてきます。
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