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ビデオゲーム史:『ナイトドライバー』
ビデオゲーム史について,作品ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は『ナイトドライバー』(Night Driver) を扱います。
概要
最初にドライバーの1人称視点を表現したレースゲームであるとされます。開発・発売元はアタリで,1976年に稼働を開始しました。コースが左右にカーブしているように見せるために,走査線ごとにスクロールさせる技術であるラスタースクロールが用いられています。これによって,プレイヤーは立体感を得られます。
1人プレイのゲームで,プレイヤーは筐体のハンドルとアクセル,シフトを操作します。画面上部にスコアが表示されていて,スコアは走行距離に応じて増えます。コースアウトすると画面が点滅して停止します。スコアが一定以上になると,プレイ可能な時間が延長されます。
これと類似したゲームに,1977年にミッドウェイ社から発売された『280ザアップ』(Datsun 280 Zzzap) があります。
作品メモ
以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=n5I2oh_ecvk
実は『ナイトドライバー』と『280ザアップ』のもとになっているゲームがあり,それがデジタルゲームズ社(Degital Games)の「ナイトレーサー」(Night Racer)だといわれています。ミッドウェイ社はデジタルゲームズ社からライセンスを受けて「ミッドナイトレーサー」(Midnite Racer)を作り,その改良版として『280ザアップ』を出荷しました。以下は,YouTubeにアップロードされている『280ザアップ』の動画へのリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=BELmLcuk0hI
両者に違いはありますが,道路端を示す白い四角の列がコースの幅を表現しているという点は同じです。
以上,ビデオゲーム史シリーズの10作品目でした。初期のビデオゲームの歴史をたどる意義のひとつは,その当時の技術を工夫してデザインに生かすアイデアを見ることだと思います。ラスタースクロールによって1人称視点を表現したことは,優れた発明のひとつではないでしょうか。
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