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ビデオゲーム史:『デスレース』

 ビデオゲーム史について,作品ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は『デスレース』(Death Race) を扱います。


概要

 1976年に稼働を開始したアメリカのアーケードゲームで,開発・発売元はエキシディ(Exidy)です。プレイヤーはスコアを獲得するために,棒人間で表現されている「グレムリン」に車で衝突します。車が衝突すると,金切り声が聞こえてグレムリンが十字架に変わります。当時,このような暴力的な表現が問題視され,論争を巻き起こすことになりました。なお,1人プレイだけでなく,2人同時プレイも可能です。


作品メモ

 その暴力的なゲーム内容のために,論争が起きたとされている問題作です。ゲーム内容が暴力を助長するものとして,テレビ番組や『ニューヨーク・タイムズ』などの新聞で報じられました。エキシディ社は,車で轢いているのは「グレムリン」であって,人間ではないと主張しました。

 約500台しか売れず,日本では輸入品が普及しなかったといわれています。以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。

https://www.youtube.com/watch?v=aBBtt72aJLA

 実際に問題になっている棒人間が,人間なのか「グレムリン」なのかを区別することは難しいと思います。


 以上,ビデオゲーム史シリーズの8つ目の作品でした。暴力的なゲーム内容といえば,現在はFPSなどがあります。表現を比較すれば,おそらくほとんどの人が『デスレース』を問題視することはないと思います。暴力的なゲームの悪影響論がこの時代からあったことを考えると,ゲームと悪影響論が切っても切れない関係にあることに気づかされます。

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