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ファイアーエムブレム風花雪月プレイ&考察まとめ17-報告書から見る王国に蠢く闇の足跡&紅花散策後日談まとめ

もう師走に入ろうというところですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。けろりです。私の住む地域は寒いので既に引きこもりが捗っております(-人-)先日初全員スカウトで紅花散策位置の記録を無事終わらせましたが、セイロス騎士団のマークをマントにつけたアロイスさんを教団と戦わせるのは胸が痛みますね。。個人的に紅花でスカウトしたくない(≒敵対セリフが格好いい)面子はイングリット・アネット・レオニー・アッシュ・アロイスです。イグナーツ君は敵対セリフも散策での歴史オタクムーブも好きなので難しいところですね(;´∀`)


閑話休題。

今回は先日の記事に続きアビス書庫まとめその2として、報告書の燃えさしについてまとめます。しかもだいぶ分量が増えてしまったので報告書の王国関連のみに絞り、残りの部分はその3行きとなりました(それでもかなりの長さとなっております...)。引き続き資料記事を目指して作成しており、モチーフや参考になりそうなものが真偽関係なく含まれておりますがご承知ください。(最終追記:11/25 セイロス教の対外政策について追記)

※DLC含めた全ルートに関連する盛大なネタバレ祭りです!


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報告書の燃えさし

今回紹介する資料はこちら報告書の燃えさしです。ページとしては五ページしかありませんが、第五十一項の六まで存在が確認されており、かなり長大な文章のようです。内容は教団関係者(暗部?)により調査されたと思しき、様々な史実の背後に迫る情報がまとまっています。内容がすべてバラバラの事件を指しているため、英語の資料はすぐ後に追加する形にしてあります。

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誰が何のために書いたものなのか?

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この報告書には、一つ目の記事から「闇に蠢き(Those who slither in the dark)」という表現が出てきます。この表現が本編で登場するのは、EP8の戦闘後レアとの会話シーンであり、ヒューベルト外伝においても彼がアランデル公たちを独自に「闇に蠢くもの」たちと呼称していることが描かれます。一方彼ら自身はアガルタと自称していることから、この書物は教団のような彼らの存在を知る別の人物により書かれたものと考えられます。加えて内容の一部にセイロス教会の騎士団暗部の証言を含むこと、数百年単位の開きがある複数の事件を当時の詳細とともにまとめたものであることからも、永きに渡りフォドラに存在してきた組織であるセイロス教の関係者による報告書である可能性が最も高いと思われます。特にレアや枢機卿などのように長命のものたちが長年に渡り蓄積していた記録かもしれません。ダスカーの悲劇・ゴドフロアの事故死の事件が語られていることから、少なくとも本編開始の3年前までは更新されていると思われます。

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銀雪の章交差の結末におけるセテスのセリフでは、このような闇に蠢くものたちに関する調査がネメシスとの戦いの後において行われていたことがわかります。先述の闇に蠢くものに関連したEP8でのレアの台詞でも、「遥か古の時」から「フォドラの安寧を脅かさんとする者たち」が「後を絶たなかった」と証言していることから、教団は複数の事件においてその背後の闇に蠢くものたちに気付いていたものと思われます。

一方この報告書で出てくる四つの歴史上の事件は、いずれもフォドラの安寧を脅かすような各国のトップに関する戦争や争いの種と、それにまつわる不審点をまとめたものです。特に「闇に蠢き」という表現が直接示されているファーガスの乱に加え、本編でタレス=アランデル公と共謀していた西方教会が過去に関わったクリストフによる大司教暗殺計画と、少なくとも闇に蠢くものとの関連が明確に示唆されている二つの事件が含まれています。そしてこの報告書が追加DLCのアビスでこの内容が公開されたということからも(メタ的ですが)、これらは教団が調査した闇に蠢くたちとの関連が疑われる出来事の資料であり、報告書に記載された4つの事件全てが闇に蠢くものにより引き起こされたのではないか?というのが個人的な考えです。ここからはこれらの事件を、闇に蠢くものたちとの関係を念頭に報告書の内容をもとにまとめていきます。

なぜこのような重要な書類が燃やされてしまったのか、その理由もまた定かではありません。例えば枢機卿が何かの要因で亡くなったり教団を離れることになり処分された、はたまた英雄の遺産などに関する書物と同時に廃棄されたといったこともありえなくはなさそうです。教会に戻ってきたトマシュが不都合な記録を処分した可能性もありますが、既に報告されている資料を処分してもあまり意味がない気がします。そもそもアビスで読めるのは「セイロス教にとって表には出せない書物」リストに含まれていた書物であり、この報告書がもし外部に流出した場合教会が体裁を保つためについた嘘が暴かれるという問題があることから、教会にとって表に出ると不都合な資料であるのは間違いないと思われます(例えば、2つ目の内容である王国成立は歴史上教会が間をとりもったと言われていますし、クリストフの処罰も教会によって大司教暗殺ではなくダスカーの悲劇の首謀者の罪に偽装されています(大司教の暗殺計画なんて聞いたらフォドラ中が混乱でひっくり返っちまうとのこと)。このことから処分も教会関係者によりなされた可能性が高そうです

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目次

各ページの章番号と起きた年号は以下の通り。

1P - 18の5: 747年 ファーガスの乱

2P - 22の2: 861年 王国分裂→ 881年 三日月戦争

3P - 49の18: 1176年 クリストフが加担した大司教暗殺計画

4P - 51の6: 1177年 ゴドフロアの死去

ざっくりと18から22の間では1章約30年、22-49の間では1章11年、そして最後は2章1年分であり、記録頻度が上がっています。このことから、近年教会に反目する不穏分子の活動が活発化している可能性がうかがえます。先述の通りまとめてみた結果分量が爆発しましたので、本記事では王国に関連する1Pと3Pの事件に絞って情報をまとめます。

1P目 ファーガスの乱 - パーンと闇に蠢くものの関係

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一ページ目はファーガスの乱において獅子王ルーグを助けた無欲の軍師パーンの秘密についてです。ルーグは盟友のキーフォン・パーンとともに帝国に反旗を翻し、以下に示したタルティーンの戦いで帝国軍に大勝します。最終的にセイロス教会の仲裁により、ルーグは獅子王としてファーガス神聖王国の初代王座の地位につきました(この仲裁による鎮圧の結果ファーガスの「乱」という名前になっていますね)。フォドラのカレンダーによると鷲獅子戦争終結記念日は10月27日、王国成立記念日は11月21日であり、仲裁から戴冠まで約一ヶ月(もしくは+一年以上?)かかっているようです。

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このファーガスの乱の立役者であった三人は様々な騎士道物語においてその姿が語られますが、パーンに関しては名前以外の情報がほとんど残っていないことが後述のフェルディナント支援Aで語られます。本報告書はそのパーンが実はフォドラの闇に蠢くものという真の姿を隠しており、ファーガスの建国にも闇に蠢くものたちが関わっていた可能性を記したものと考えられます。報告書中の「主に...」というのは女神ソティスに仇なす・逆らうといった文章に続くのでしょうか。

(紅花ルートでは帝国の学者にルーグは反逆者という文脈で語られているので、彼の騎士道物語もきっと帝国では人気がなかったんでしょうね)

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英語の文章では、闇に蠢くもの以降の文章自体は完全に独立しています。英語で文頭のAndは少し特殊な使い方であることが知られており、その前の文からの展開や断絶など、前の文章よりもなんらかの形で強調することを意味することが多いです。この場合、闇に蠢くものたちはファーガスの乱に関係した可能性が高いですが、必ずしもパーンの文と繋がってはいないようにも捉えられます。ただ基本的には日本語の文章がオリジナルだと思いますので、そちらと矛盾しない範囲で参照しながら考察したいと思います。

公に残る二人の英雄 - 王国の貴族名鑑の情報

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獅子王ルーグとキーフォンは、それぞれ十傑のブレーダッドとフラルダリウスの子孫だったことが明らかにされており、王国貴族名鑑にもその名が記されています。紅花EP17のエーデルガルトによると「勇者ルーグ」が時の皇帝をタルティーンで討ったと言われています。もしこの勇者が兵種を意味する場合、当時はアラドヴァルを持たず剣使いだった可能性も考えられます。実際ファーガス神聖王国(=ブレーダッド家の旗?)にはグリフォンにのった剣使いが描かれており、この旗の青色も青き外衣を翻したルーグに由来するようです。ただし、旗自体は青き騎士の旗と呼ばれておりルーグとイコールであるという明確なセリフも発見できていません。またこの旗にブレーダッドの紋章が刻まれていることから、ルーグが紋章を持っていた可能性は高いです。ちなみにエーデルガルトの言う「討った」は英語版ではdefeat(打ち負かす)とされており、おそらく皇帝が殺されたとまではいかず皇帝軍が敗北した程度の意味だと思われます。

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ルーグは獅子王と渾名されていますが、歴史上の支配者で獅子王に該当するのはこちらの四名です。この中で一番可能性が高そうなのは王国との類似点の多い英国のリチャード一世ではないかと思っていますが、彼にとってキーフォンのような盟友の存在は知られていません(唯一名前が挙がっていたのは王の教育係のような存在だったウィリアム・マーシャル)。また歴史上青い外衣を好んで纏った王の存在なども特に発見できておらず、この辺りはオリジナル要素と推測されます。

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次に、フラルダリウスの子孫であったキーフォンですが、彼に関してフェリクスの直接の祖先であるという描写は本編では見つかっていませんが、ディミトリとフェリクスの後日談において「彼らの祖たる獅子王ルーグとその盟友キーフォン」という表現があることから、現在のブレーダッド・フラルダリウス家は両者とも彼らの直系の子孫と思われます。

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最後にカロン家も鷲獅子戦争に関わった十傑の家の一つです。彼らは教会との折衝を担当しており、タルティーン平原のあと教会が帝国と王国の争いを仲裁する際にもその窓口となっていたようです。このことからも、カロン家自体鷲獅子戦争に参加していた、もしくは関係していたのではないかと思われます。カロン家の領地は王国の中でも教会にほど近いため現在でも関係は良好なようで、蒼月で援軍を呼ぶ際には「自分を守ってくれた教団の頼みなら断られないだろう」という発言がカロン家出身のカトリーヌからなされます。カトリーヌには父、および少なくとも兄と弟が一人はいるようです。

その他王国貴族のうち、ローベ・ガラテアは王国成立後に寝返っており、特にローベは鷲獅子戦争時代は帝国に所属していたことからルーグ側で戦ったことはないと考えられます。ゴーティエ・ドミニクに関しては鷲獅子戦争への関与を示す記述は見つけられていません。情報募集中です!

三人の名前の由来の謎

それぞれの英語版での綴りはLoog, Kyphon, Panで由来に関しては、ルーグとパーンがそれぞれケルト神話のルー、ギリシャ神話の半獣神パーンが候補としてあげられています。ケルト神話のルーは、アラドヴァル・ルーン・アッサルの槍、さらにタスラムなどの武器の持ち主であり、アラドヴァルに対応するブレーダッドの血筋である点で一致が見られます。また闇に蠢くものとの関連が疑われているパーンも、アガルタ幹部がギリシャの七賢人由来であることとギリシャ神話の神という点で類似が見られます。一方キーフォンだけは明確な由来が見つかっておらず、ギリシャ語で背骨が歪んだ人を意味する単語や、この単語に由来する首と手首を曲げさせる木製の晒し台を意味するKyphonという言葉が存在することが知られています。あまり建国の英雄の名に適したものとは思えませんね...。ちなみにルーグとキーフォンはアッシュ・イングリッドの英語支援から男性、パーンも報告書の文章の記載により男性であることがわかります。

アッシュの騎士道豆知識

次回に回すことになったリーガン公のお話にも関連してくるので、ここでアッシュ関連で登場する騎士道物語をまとめておきます。まず、アッシュの投書箱の質問の回答に出てくる本が、ファーガス建国史・ルーグと風の乙女・キーフォンの剣の三つです。この三つ全てがファーガスの乱と鷲獅子戦争に関連する書物であると思われ、前者がフェルディナント支援、後者二つがアッシュとイングリットの支援会話で話題に上ります。風の乙女が何者かについては全く手がかりが出てきませんが、どことなく速さの高いイングリットがモデルとされたイメージがありますね。

またそれ以外にも、名前は不明ですがフェリクス支援でフェリクスに似た騎士の話、イングリット支援で王に仕えた女騎士の話とフォドラの喉元の戦いを題材にし公爵を守った男騎士に関する物語が登場します(「喉元を守りきった勇士の使った槍」であるグラディウスの持ち主の可能性がありますね)。最後に、アッシュの落し物の一つが月の騎士と薔薇公であり、「三日月戦争」に取材した物語とされるリーガン公とブレーダッド傍流の女騎士の物語の内容が、アッシュとハピの支援で語られます。それぞれ名前の明らかな書物の英語名はHistory of Faerghus, Sword of Kyphon, Loog and Maiden of Wind, the Luna Knight's tale(こちらでは薔薇公の名前は登場せず)です。

報告書の内容に戻りますと、パーンのことが少しだけ語られているファーガス建国史の内容を、フェルディナントとの支援会話にて知ることができます。本編においてパーンの話題はこの支援以外では出てこず、現在に至るまでに具体的な記録が消されていると考えられます。教会は他にも人間が魔物になるという英雄の遺産の負の側面についても、フォドラ全土から記録を抹消していたことが黒風の塔後の金鹿イベントで語られます。このことからパーンが教会にとって不都合な人物であったために資料が処分された可能性が考えられます。また「その命さえもルーグの手助けに費やした」とされていることから、戦争の最中もしくはそのすぐ後に死ぬか姿を消した可能性があります。パーンという闇に蠢くものたちと繋がった存在が戦後まで生き延びなかったからこそ、ファーガスはセイロス教を国教とすることができたのかもしれません。

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この支援の中で無欲の軍師パーンと先生との類似がフェルディナントにより指摘されます。このような「無欲」というキーワードは実はクロードにも指摘されており、軍師パーンが先生のように何かしら強い感情を持たない・もしくは表に出さない人間であり、ともすれば先生と同様になにかしら人工的な存在だった可能性も考えられます。

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しかしその一方で、本編で登場する闇に蠢くものたちの行動原理は地上の獣への復讐であり、とても無欲な人間たちとは思えないような行動をとります。具体的には権力者層に入り込み、英雄の遺産を集め戦争のための武力を欲し、また領地に苛政をしくなどしています。このようなことからも軍師パーンが闇に蠢めくものたちの仲間であった場合、彼らの中ではかなりイレギュラーな存在だった可能性があります。今回の本編でも紅花ルートのキャラクターたちは教会内部では闇に蠢くものたちとして報告されていてもおかしくなく、パーン自体がアガルタの民であった訳ではないのかもしれません(トマシュのように表ではうまく隠していただけという可能性もありますが)。

個人的には(後述の謎の軍勢とも関連しますが)パーンの名の由来が半獣神であることから、何かしら眷属の血が混ざった存在、例えば先生のようにレア様に紋章石を埋め込まれた存在だったら面白いのでは!?と思っていますが、シトリーが病弱で修道院を離れられなかったことから技術的に難しい可能性が高いですね...。ただ紅花聖墓でのレア様のセリフ「あなたも...「失敗」だったのですね」が、単純に女神を宿すことに失敗したのではなくセイロス教に反旗を翻したことまで意味していたとしたら、実は聖墓での裏切りがレア様の地雷を何重にも踏んでいるのでは?と妄想が広がります...!

王国軍に加わった謎の軍勢とは?

パーンの正体に加えてここで挙げられている疑問は二点で、帝国に気取られずに兵を集めた方法及び謎の武具の入手方法です。前者は物理的に一箇所に集めることではなく、どうやって人材を採用し集めることができたのかを指しています(=How did he recruit soldiers without rasing suspicions)。これに該当する特殊な軍勢で思いつくものは以下の二つ、女神の眷属たちに由来する幻影兵アガルタに由来する軍、アガルタ兵と古代兵です。

幻影兵の所属は女神の眷属であり、セイロス・インデッハ・マクイルなどが防衛の要として用いており、女神の眷属の周囲や聖墓、封印の谷などで現れます。

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さらに、赤き獣と彷徨える獣のステージにも幻影兵が登場します(赤き獣の場合は「幻影兵」ではなく「幻影」ですが、基本的に同じ仕組みだと思われます)。このように女神やその眷属の血を濃く宿すような強い力を持つものであれば、幻影兵を作ることができた可能性があります。もし幻影兵が王国軍に混ざっていたのであれば、これらの兵はいくら倒しても尽きることなく湧き続けることから、強大な戦力になったと考えられます

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一方、アガルタ側では本編で帝国軍として戦っていたアガルタ兵の援軍や、フォドラ解放戦で登場する古代兵などが参戦していた可能性が考えられます。彼らはワープのような独自の移動魔法が使えるため、秘密裏にファーガス北部に兵たちを送り込むこともできたと思われます。パーンが闇に蠢くものたちとの関連が疑われていることを考えると、これらの軍勢が王国軍として鷲獅子戦争の際にも参戦していたと考えるのが自然なのではないかと考えています。

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王国軍が用いた謎の武具とは?

そしてこれらの軍勢と関連するのが、謎の武具についての疑念です。原文は「彼らが使用した英雄の遺産に類似した謎の武具("Those mysterious weapons, so like Hero's Relics")」です実際に候補の武具を考える前に、まずそれらに必要な条件をまとめます。まず「武具」と表現されることから対人戦で用いる武器及び鎧兜などの防具まで含めることができ、さらに「彼らが使用した」とあることから(武器をシェアでもしていない限り)複数本存在する武具であると考えられます。そして最も重要な点は英雄の遺産に見た目が類似した武具であるということです。

冒頭で議論したように、この報告書は教会関係者により書かれた可能性が高く、その仮定に基づくと英雄戦争で用いられた既存の英雄の遺産や、教団関係者が用いる神聖武器・聖なる武器などのミスリル武器は教会でよく知られた存在であり、謎の武具には含まれないのではないかと個人的に考えています。

本編中では闇に蠢くものたちや女神の眷属たちが武器を作り味方の人間たちに与えていますが、それぞれの軍勢の用いる武器は以下のように異なる修理素材を用いることがわかります。これらの素材はゴーレムのアーマーブレイクでミスリル(聖なる力が秘められた錬成素材)、タイタニスのアーマーブレイクでアガルチウム(古の技術で精製された錬成素材)が得られることとも一致しており、特殊な修理素材を用いる武器はそれぞれの軍勢との関連も強く疑われます。パーンが闇に蠢くものであると示唆されている以上、闇に蠢く者たちが好んだ修理素材を用いる武器は該当する可能性が高いと推測しています。

女神の眷属たち:神聖武器・聖なる武器(・神器)=ミスリル

闇に蠢くもの:英雄の遺産系=ダークメタル、アイムール・サリエルの大鎌・三日月の鎌(・デビル武器)=アガルチウム、インドラの矢=魔法水晶

その他:ゾルタン武器=ウーツ鋼

参考:ファイアーエムブレム風花雪月攻略wiki - 天馬騎士団 かわき茶亭

謎の武具候補トップ5

さて、以上の仮定をもとに謎の武具に該当する武器候補トップ5+αをまとめておきます。ヒントがスクショ一枚分しかないことから根拠はほぼなく、参考程度に考えていただければ幸いです。

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1. フォドラ解放戦で用いられる闇武器:翠風の章最終戦でネメシスと十傑たちが手にしている、それぞれの英雄の遺産に類似した模造品です。当然見た目が「英雄の遺産に類似した謎の武具」であることは疑いようもありません。また確実に複数本存在し、武器以外に盾や宝珠などの装備品も存在するなど、先述のすべての条件に矛盾なく合致します

もしこれらの武器が鷲獅子戦争で使われていた場合、当然「謎の軍勢」に関してもフォドラ解放戦で登場する古代兵の可能性が高いと考えられます。翠風の章においてネメシスたちの軍勢が現れた報告を受けたレアは、「天帝の剣を模した武具を持ち」「炎の紋章を掲げている」ことからネメシスが復活したことを断言していました。しかしこれだけからではネメシスたちを崇拝している軍勢であることしかわからず、なぜ復活を予見できたのか?と疑問に思っていました。もし、実際に過去にこれらの武具が利用された戦争が存在したのであれば、レアがすぐに死者の兵を連想するのも自然だと思われます。

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2. アガルチウム修理のデビル系武器:隠れ本命がデビル系の武器(+三日月の鎌)です。これらの武器の修理にはアイムールやサリエルの大鎌と同様アガルチウムが利用されることから、アガルタの民が技術提供した武器であると考えられます。個人的には紋章石と骨から作られた英雄の遺産と、これらの武器の見た目はかなり類似しているように感じます。本編でも複数本入手できるため条件には合致しており、特にデビルソードが外伝金鹿の守る地・デビルアクスが王国貴族結婚余聞などで手に入るということからも、闇に蠢くものや王国での乱と深く関連している可能性があります。武器自体の威力も高く、自傷ダメージが10入るところも、英雄の遺産の紋章不一致と類似しています。

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(紋章石と目玉、似ていませんか...そう思うのは私だけですか...そうですか...)

3. 神器(メリクル):神器には過去作にも登場したメリクル・グラディウス・パルティア・オートクレールがありますが、そのうちのメリクルの説明欄には鷲獅子戦争で活躍したと書かれており(War of the Eagle and Lion=鷲獅子戦争)帝国か王国の誰かがこの武器を使ったのはまず間違いありません。しかし各神器は本編中で一本しか手に入らないため複数本あったとは考えづらく、見た目も英雄の遺産との類似は見られません。もしかするとルーグ・キーフォン・パーンのうちの誰かが使用していた剣なのかも?(例えばキーフォンの剣に出てくる剣など)

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4. 紋章石改造武器アイムール & 5. 謎の遺産ヴァジュラ

これらの武器はどちらも紋章石に基づく英雄の遺産もしくは遺産を模倣してアガルタの民と山の民によりつくられた武器であり、見た目や紋章の適合反応などは明らかに英雄の遺産と類似しています(過去記事参照)。しかしながら、それぞれの武器と同条件の武器が他に発見されていないことから、複数存在するという条件を満たしていないと思われます。

初めて報告書の文章を読んだときには、謎の遺産という説明文の類似から、ヴァジュラがこの武具に該当すると思っていました。しかし、ヴァジュラは同盟領に存在する山の民に代々受け継がれてきた武器であり、他に類似の武器も見つかっていません。アイムールに関しても登場時期や元々英雄の遺産であった可能性からも、これらが鷲獅子戦争で使われた武器とは少し考えづらいかもしれません。もしこれらと同様の武器が他にも存在していたが、本編では既に失われていたというのであれば十分可能性はあるかと思われます。

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大穴 妖刀アシュラ:こちらの妖刀アシュラ、赤い光を放つという点は英雄の遺産の特徴として度々言及されるものであり、類似していると言えなくもありません。しかし修理素材は標準的な玉鋼であり、闇に蠢くものとの関連性は別段示唆されていません。自身のプレイでは実はほとんど使ったことないですね...

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というわけでファーガスの乱の調査報告書からは、ネメシスたちの軍勢に力を貸したように、王国独立の際にも闇に蠢く軍勢たちの強大な軍事力が用いられていた可能性が示唆されています。しかし最終的には教会が間に入ることで帝国の打倒は阻止され、闇に蠢くものに関連していたパーンも歴史の表舞台から姿を消しています。この辺りの話は本編蒼月との類似も見られドラマ性も高いので、外伝などで詳細が明かされるのを期待して待ちたいと思います( ˘ω゚)

3P目 西方教会・クリストフによる大司教暗殺計画

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次に取り上げる内容は、西方教会とクリストフと中央教会の間の不和に関する話題です。ダスカーの悲劇のあと西方教会内では中央教会を非難する者が増加し、中にはダスカーの悲劇そのものを教会が引き起こしたとするものまで現れます。かねてより西方教会は中央教会が主導する運営と公会議での発言力の弱さに不満を持っていましたが、このような対立から西方教会はついに大司教の暗殺と中央教会の権威失墜を狙い、ガスパール城主の子クリストフらに大司教暗殺計画を実行させます(そのうちは英語版でsoonとされており時間の経過を意味するようです)。しかし計画は失敗に終わり関わったものたちが教会により処断されることとなりました。本報告書はこの件に関する教会の調査結果と考えられます。ダスカーの悲劇の発生から、ダスカー討伐、クリストフの処断、カトリーヌが王国から騎士団に所属するまでの一連の出来事が全て1176年に発生しています(またハピがコルネリアから解放されたのもこの1176年です)。

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(↑公会議はキリスト教における最高会議を意味する用語ですね)

件の文章を改めて読むと「教義の正当性を巡った対立では済まなくなっている」とあり、もしかするとダスカーの悲劇以前に既に中央教会が唱えるセイロス教の教義と西方教会の解釈に食い違いが生まれていた可能性もあります。裏で反発しながらも表面上関係性を保っていた両者が、西方教会管轄下である王国西部において、中央教会の関与を疑う事件が起きたことで溝が深まり、実際に暗殺計画という行動を引き起こすことにつながったと推測しています。

ダスカーの悲劇の首謀者たち

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ダスカーの悲劇は、ある重要な会談のためにダスカー地方を訪れていたファーガス神聖王国国王のランベールとその家族、王直属の部隊が何者かの襲撃を受け、最終的に王子のディミトリが主要人物の中でただ一人生き残ることになった事件です。この事件の表向きの首謀者として言及されるのは、ガスパール城主ロナート卿の息子のクリストフを含む複数の王国内の加担者、及びダスカー人らです。ただし後述しますが王国内の加担者については、公にもあまり知られていない可能性があります。またディミトリが見た実際の犯人にダスカー人は含まれていなかったことから、別に真犯人がいるだろうと、具体的にはアランデル公の関連を疑っていました。蒼月の章では、最終的にこの事件に大きく関わりのあった人物が、ダスカーのあった領地を治めていたクレイマン子爵の麾下の者とギルベルトの調査によって明らかにされます

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具体的にダスカーの悲劇への関与が本編で示唆されたのは、クレイマン子爵・コルネリア・パトリシア+アランデル公です。またギルベルトの弁から、クレイマン以外にファーガス公国に臣従を表明したファーガス西部の貴族にも、おそらく協力者がいたものと思われます。しかし具体的に名前が上がっている中では、クレイマン子爵は既にあった計画へ実行犯として加担を持ちかけられ、パトリシアもすべてを仕組んだものではないと言われており、真の首謀者とその狙いはアランデル公に代表される闇に蠢くものたちが王国の混乱を狙ったものであったのであると推測されます。またタレス・炎帝との会話においても、ダスカーの悲劇が炎帝が力を得るためにタレスらによって引き起こされたとの会話がなされており、彼らが首謀者であったことを裏付けるものと思われます。ここで重要な点として、この中に西方教会やロナート卿などは含まれていません。彼らは(少なくとも上層部以外は)ダスカーの悲劇に関しては第三者で真実を知らず、中央教会の関与を本当に疑っていた可能性があります。

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ガスパール地方と領土が隣接しロナート卿亡き後地方を治めることになるローベ伯も、元々帝国から王国に寝返った存在であり、本編でも王国の旗色が悪くなると帝国につく風見鶏のような存在であることから、「王国に反感をもつ貴族」に含まれるほど明確に王国と対立していたようにはあまり見えないと個人的には思っています。がコルネリアに対しては基本的に臣従を表明していることから、悲劇に関与していた可能性も依然として存在します。またリュファスに関しては首謀者一味であるコルネリアからギルベルトに対して語られるのみであり、女にかまけているらしい様子からも積極的にダスカーの悲劇を起こすことに加担したとも思えません。しかしクレイマンへ爵位や領地を与えコルネリアを重用し続けるなど、ランベールよりも彼らの意の向くままに動く、都合の良い存在として結託していた可能性は十分にあります。

西方教会と闇に蠢くものたちの関わり

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このような混乱する王国を背景に、西方教会はついに中央教会と大司教の権力失墜を目指し、クリストフに大司教暗殺計画を実行させます。しかし、クリストフが処断されてからも(報告書内で関係性は疑われていますが)西方教会との関係は続いており、彼らの関与はこの時点では公にはなっていなかったと考えてよいと思われます。

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その後の女神再誕の儀の時点では、西方教会はアランデル公らと協力関係にあり、彼らと協力して大司教暗殺計画を実行しますが、実際は彼らに偽の計画を教えられ失敗、セイロス教会に処断されます。ダスカーの悲劇の時点での両者の関連性は不明ですが、この報告書に西方教会の名が書かれていることから、彼らは既にダスカーの悲劇前後で闇に蠢くものたちと関係を持っていた可能性も考えられます。

ダスカーの悲劇と大司教暗殺計画に関する情報は少なく妄想しかできませんが、王国自体はセイロス教を国教とし長く教会と友好関係を保ってきた国であり、セイロス聖教会に国王を殺害する動機があるとは一般的には信じがたいものがあります。にも関わらず西方教会が関連性を疑っていたとなると、闇に蠢くものが中央教会=黒幕という情報を流し両者の対立を煽るようなことをしていたのでは?という疑念が浮かびます。それに加えて西方教会自身もクリストフがダスカーの悲劇の犯人と偽って処断されたことで、中央教会の秘密主義がダスカーの悲劇の真犯人を覆い隠そうとしているようにも見え、さらなる反感を生んでいたということもありえそうです。

その一方で、詳細が不明であるダスカーとの会談や急進派のランベールの方針に、実は中央教会の意図や教義に反するものがあった可能性もあるかもしれません。その場合にはアガルタの策謀がなかったとしても中央教会が自然と疑われることとなったと思われますが、果たしてそのような尤もらしい動機はあったのでしょうか。

燃える黒水の真の発見場所とは?

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その件を考える前に、まずダスカーに関する基本情報を挙げておきたいと思います。ダスカーに関連する重要な情報として、資源の存在があります。ダスカーは書庫の諸遊紀行によると「取り立てて何もない土地だが、珍重な鉱物が見つかるという噂もある」といわれ、ドゥドゥーの支援会話では漁と鍛治が盛んだったと語られる(父親も鍛冶屋)ことからも、鉱物資源が豊富な場所であった可能性が高いと思われます。

これに関連して見かける考察が、アビス書庫で提示された燃える黒水とダスカーの関係性です。この燃える黒水の特徴は現実世界の石油に類似しており、それが事実であれば様々な科学技術の発展にも貢献しうる資源と考えられますが、科学の発展を制御しているセイロス教により利用を禁じられました。つまりこの資源がダスカーに存在したために、これを手に入れるため会談やダスカーの悲劇の舞台となったのでは?という説です。

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しかし、ここで注目していただきたいのがフォドラの虫大全における燃える黒水の発見場所は「ファーガス北部」とされています。一方書庫におけるダスカーの説明文は「フォドラの北」であり、「ファーガスの北」とはされていません。ドゥドゥー外伝ではダスカー地方において反乱が起きますが、その際の場所の説明でもダスカーは王国西部もしくは王国の西北端とされていることがわかります。

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実際にフォドラの地図を見てみますと、王都フェルディアのあるブレーダッド領から見てダスカーは西もしくは西北に位置しており、ファーガスの北部というとむしろリュファスの領地であるイーハやゴーティエ領などが該当すると考えるべきだというのが個人的見解です(↓実際コナン塔関連でゴーティエ領がファーガス北部と呼ばれている)。すなわち燃える黒水の発見場所はダスカーではなく、ダスカーが舞台として選ばれたのも鉱石資源や異民族であること、セイロス教への疑いを向けやすいといった、何か別の理由によるのではないでしょうか。最終的にクレイマンはダスカー討伐の功績により爵位と半島を領地として獲得しているので、報酬として与えやすい土地だったということもあるかもしれません。

参考:日本語で地名情報が追加された、とてもわかりやすいフォドラ地図をこちらで公開してくださっています→Twitter

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フォドラの外の宗教とセイロス教

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改めてダスカー地方の特色を考えますと、彼らはフォドラの宗教とは全く異なる宗教体系を持つことが主にメルセデスとの支援で語られています。それによると、ダスカーには多くの神が存在し、フォドラの女神はそのうちの一柱とされるそうです。さらにダスカーは天と地の神々の喧嘩によって生まれた土地であるなど、セイロス教とは異なる独自の創世記を持っています。このようなことからダスカーの信仰は、唯一神である女神がフォドラを中心に世界を作り上げたとされる、セイロス教の教えと衝突する可能性が高いと思われます。実際これらの話を聞いたメルセデスはセイロス教の枠組みから外れた考え方に驚いており、異教の存在を知ることは、セイロスの書にある「主の存在と力を疑ってはならない」ことに反する要因として危惧されうるものと考えることもできます。

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またアビスには異教の像に祈りを捧げる謎の女が存在し、彼女もフォドラの女神とは異なる神を信仰しています。遠く離れた地からやって来た彼女はアビス以外でその神に祈ることが許されないと話し、涙のわけの散策では邪教の徒であることを疑われてアビス(そしておそらくフォドラ)を離れることとなります。セイロス聖教会は人種に関わらず騎士団や士官学校に人材を受け入れてはいますが、このような状況からも聖教会が異教の崇拝と布教を表立って認めることはなく、セイロス教の教えに反く信仰自体は排除していることは明らかです。

ここからは完全に想像ですが、諸外国と基本的に敵対状態か貿易しか行われていない現在のフォドラにおいて、仮にダスカーと国レベルでの交流が生まれていた場合、新たな宗教観によりセイロス教の影響力低下が避けられない事態となったことが予想されます。もしも聖教会がこれまでにも他国や異なる文化圏との大規模な交流を禁止していたのならば、ダスカーとの国交や文化面での交流を望んだランベールの存在を不都合なものとして中央教会が排除したと疑われるのも、十分あり得ます。王国西部の貴族たちがランベールの王政に反発したのも、そのように前例のない外交的な試みによるものだったのかもしれません。

追記:実際にある程度敬虔なセイロス教の信徒であるローレンツの認識では、セイロス教の教義で外界への出入りは禁止されていると捉えられているようです。

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ただし西方教会自体も中央教会に対して異端者・背教者と罵り、女神に対する篤い信仰心を示していることから、彼ら自身も異教の信仰を認めるような集団ではないであろうと推測されます。宗教史には詳しくありませんが、異なる宗教・宗派間の対立は数えきれないほど歴史に残されていますので、このような政教分離されていない国での排斥傾向も珍しいものではないはずです。

追記:フォロワーさんから西方教会に関する「不穏な噂」のクエストで、「異民族を快く思わない」ことが強調されているという情報をいただきました。このような情報を鑑みるに、これらの民族を士官学校や騎士団に受け入れている中央教会と比較すると、西方教会はより異民族の排斥傾向が強い可能性があります。そのため、ダスカーの悲劇の発生は西方教会における異民族への反感と、それを多少なりとも受け入れている中央教会への反感を大いに煽ったとも考えられそうです。

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中央教会の権力失墜を狙った動機とは?

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先述の通り、西方教会は中央教会が主導する運営と公会議での発言力の弱さに不満を持っており、権力を手にするために大司教の暗殺を試みたようですが、これも中央教会を女神の名を騙る背教者であるという信念に基づいたものであった様がアッシュ・カトリーヌ外伝から見られます。具体的には(アッシュという養子の存在さえ知らなかった)西方教会の司教との戦闘会話で「絶望に暮れるロナート卿をただ救済してやった」とロナート卿を利用していた様子が見られる一方、退却台詞では「女神の名を汚す、背教者め」と中央教会を真剣に背教者たちと考えていたように思われます。

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そんな西方教会の司祭たちは、女神再誕の儀の後のイベントにて「幾人もの同胞を殺してきたのを知っているのだぞ」と中央教会を非難しています。聖教会では異端者・背教者とみなされた場合には、司祭のような要人であっても容赦なく処断されることが本編で描かれます。またアビス書庫のフォドラの虫大全からは高度な技術への干渉などフォドラ全体に対し大規模な権力行使をしていたことが読み取れ、例えば過去そのように明確な説明もなく下された決定に対し、中央教会が歯向かうものを強硬に粛清していった結果、西方教会の司祭の反発を招くことになったのかもしれない...というのが個人的な妄想です。

上で禁止された活版印刷技術の発展は、現実においても聖書の原本が民衆へと普及することで、教会が作成していた免罪符の正当性が疑われルターの宗教改革につながりました。このように教典の普及が好ましくないという背景には、明確に書かれていないことを正当化していることが明らかになってしまったり、逆に中央教会とは異なる捉え方をされてしまい対立を生み出すことを恐れたものと思われます。先述のように中央教会が異民族に対してある程度寛容な対応をとっていることを不満に思っていたのも、元々はこのように異なる教典の読み解き方に由来している可能性があります。

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さらに帝国軍と闇に蠢く者たちは開戦の際して民意を獲得するため、セイロス教団の暗部(シャミアが属するスパイ組織のことではなく単純に後ろ暗い側面?)の情報をフォドラの民に対して詳らかにしています。このときの暗部の行いの物証をダスカーの悲劇の時点で既に手に入れていたのならば、それらを西方教会に流すことでも両者の対立を仕向けることができたとも考えられます。

以上のことをまとめますと(まとまっていない)西方教会は常々不満を抱いていた中央教会に対しダスカーの悲劇をきっかけに、二度の大司教暗殺未遂を引き起こしました。報告書で直接言及されていることからも、その動機がダスカーの悲劇に対する中央教会の関与を疑ったことに起因する可能性はある程度高いと思われます。ダスカーの信仰の布教を恐れたという点から中央教会が国王を殺害する動機が存在した可能性があり、また既に闇に蠢くものたちとの関連があった場合、彼らから中央教会を貶めるための情報を流されていたのやもしれません。そしてコルネリアとアランデル公はそれぞれ影で結託し、ダスカーの悲劇と大司教暗殺の計画を疑われることなく進め、王国の混乱と中央教会の転覆を同時に狙っていたと考えられます。

おまけ - クリストフの動機とカトリーヌに着せられた罪とは?

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クリストフ本人とカトリーヌに一体何が起きたかについては、多くの謎が残されています。カトリーヌは王国の名家カロン家の出身で、かつて雷獄のカサンドラという名でその武勇が知られていました。しかし彼女は士官学校時代ともに学んだ友人のクリストフを、大司教暗殺に加担したとして聖教会に突き出し、結果ダスカーの悲劇に関連する何かしらの罪を着せられ、王国でおたずねものになってしまいます。アッシュ・ギルベルト支援によると、クリストフの具体的な容疑は"襲撃犯を手引きした"というものでした。しかしながら、カトリーヌは表向きにはダスカーの悲劇の犯人の一端を明らかにした人物であったにも関わらず、逆にそれに関連する罪を着せられてしまったのは一体なぜなのでしょうか。この一連の出来事について具体的な描写が見られるのは、先生との支援会話で「国王殺しに絡むゴタゴタであらぬ罪を着せられた」、ディミトリとの支援会話で「王国でお尋ね者」、ローレンツとの支援会話で「罪を犯して国を追われた」といったものです。しかし具体的な罪について語られることはありません。

ギルベルトとカトリーヌの支援会話B(Cが蒼月薔薇色の大河まで、Bはニ部解放)では「家族や友人があなたを信じて待っているはず」「ロナート卿が亡くなった今、あなたについて騒ぎ立てる人もいない」と言われています。この表現を見るに、元々ダスカーの悲劇の犯人ほどの大罪人扱いではない可能性があり、どうやら蒼月の時期には彼女を捕らえようと騒ぎ立てる人間もいなくなっているようです。このときの状況を整理するとカトリーヌが罪を問われたときに摂政であった大公リュファスは既にコルネリアにより殺されており、またそのコルネリア及び西部諸侯の王家への裏切りも明確になっています。このことから支援会話時点で既に王国側ではなくなっている(or 上層部が入れ替わっている)、西方教会、リュファス、西部諸侯らのうちの誰かが主導して、カトリーヌに罪を被せていた可能性があります(要検証ですがローレンツとの支援会話にも期限が一部に限定されているものがあり、二部の段階では既にお尋ね者ではなくなっている可能性があります)。

この中で、まずダスカーの悲劇に関与した者たちにとっては、クリストフがその犯人とされたことは予期しないものだったはずです。特にクレイマンや西部諸侯にとっては、ダスカーへの関与の疑いがダスカーの民だけでなく王国西部に向くことになるため、カトリーヌの存在が邪魔であった可能性があります。次にクリストフを唆した西方教会にとっても、クリストフから自分たちへ調査の手が回る恐れがあり、大司教暗殺計画という真実を知るカトリーヌの存在は邪魔であったはずです。このことからカトリーヌの罪はセイロス聖教会の介入を嫌ったダスカーの悲劇に加担した者たち、もしくは西方教会によりなすりつけられたものであると推測しています。

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彼女が語るガスパール城の城主ロナートの実子であったクリストフ=アルド=ガスパールの人物像は「良い奴すぎ」て「人を疑うことを知らない」人間であり、「女神のためだとか人のためだとか西方教会の口車に乗せられちまった」そうです。この暗殺計画が起きたのはダスカーの悲劇と同年中であり、先述の通り西方教会の人々がダスカーの悲劇を中央教会のせいだという疑いが発端となっていた可能性があります。ロナート卿はもともと信仰に厚く王国との関係も良好であった人格者として知られ、大司教とセイロス聖教会に対してのみ敵意を向けていました(参考:ディミトリとの戦闘会話)。もしクリストフがロナート卿と同様の信条を持っていたのならば、「ダスカーの悲劇が教会主導のものである」と信じ込んでいる西方教会の言を信じ、王国やダスカーの人々のために暗殺計画に加担し、最終的には王国の反逆者として処断されることになってしまったという、実に皮肉な結果になってしまったのやもしれません。

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また、ロナート卿が挙兵した節の散策において、ほとんどの人物はロナート卿の息子クリストフの存在と教会による処断を知らないようでした。つまりクリストフなど複数の王国民が表向きにダスカーの悲劇に加担したことで処断されたこと自体、一部の人間にしか知られていなかった可能性があります。ロナート卿との戦闘前の会話でその事実を知っていたのはアッシュ・ディミトリ(復讐と理解している) ・カトリーヌと、いずれもダスカーの悲劇とクリストフに深く関わっている人物たちだけでした。実際クリストフはダスカーの悲劇には関わっていないためおそらく十分な証拠が提示されることもなく秘密裏に息子が処刑されてしまい、ロナート卿は教会への不信感を高めていくこととなったのかもしれません(ディミトリがダスカーの悲劇を調べるために士官学校に入学したのも、教会が何かを隠していることが明らかだったため?)

このように報告書からは闇に蠢くものたちが王国を独立させ、さらに混乱を引き起こしたこと、そして西方教会と中央教会との分断へも関与している可能性がうかがわれます。フォドラには西方教会以外に東方教会と南方教会も存在していましたが、南方教会は本編の約100年前帝国に対して反乱を引き起こしたかどで取り潰しに合い、帝国と教会との関係性にもひびが入ることとなりました。このような南方教会との不和も、実は西方教会のように過去闇に蠢くものたちにより引き起こされたものであり、このように各教会の支部との関係を断つことで中央教会を孤立させることが彼らの目的だったのかもしれませんね。。

おわりに

以上報告書の燃えさしにおける王国関連部分に関する雑感でした。次回同盟関連部分をまとめたあと、闇に蠢くものたちがこれらの行動を引き起こした動機などに関してまとめる予定です。アビス書庫でここまで記事数を使うつもりはなかったんですが、意外と一枚の画像でも一単語ずつ読み込んでいくとかなりの情報量がつまっていたんだなぁと驚いていますΣ(´∀`;) 次回は本編でも度々触れられるブレーダッドとリーガン家が血を交わらせてきたその歴史についても触れられたらと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。面白いと思っていただけましたらハートしていただけると励みになります。またご意見やコメントなどありましたら、マシュマロやツイッターでお待ちしております( ・∇・)

紅花後日談まとめ

紅花の章では紋章の力を失った先生の去就が大きく違っており、その辺りが注目ですね。あとは闇に蠢くものたちとの争いが後日談の大半を占めることが多いのもポイントでしょうか。先生とアロイスのかなり異色な後日談は紅花だからこそ、といった感じがします。エーデル・ベルのほっこり後日談も良いですね(..◜ᴗ◝..)

先生

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異学級

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黒鷲

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金鹿

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灰狼

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その他

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紅花キャラ各月散策位置まとめ

全員スカウトでプレイした紅花の章で、各キャラクターの所在地をまとめました。名前の頭の2,3文字を記入してありますが、ローロレ、コンコニ、ユーユリのような多様性も存在します。 また丸で囲んでいるものは、主人公との支援会話の発生位置です(その後の調査でこの支援会話の発生位置はどうもランダムであることがわかりました)。銀雪の章の散策まとめはこちらです。

白雲の章3月(仮設)

中に書き込んである読みにくい名前はハピ・ロレ・シルですね。コン・エル・ヒュは近すぎてほぼ一つの丸になってます。その下がユーリスです。

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紅花の章 12月

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1月

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2月

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3月

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4月

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