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富裕層が求める移動空間 プライベートジェット.1

プライベートジェットの世界とは

プライベートジェットのリビングルーム

皆様、プライベートジェットを体験したことがありますでしょうか?

近年、コロナ禍の影響でプライベートジェットで移動する旅のスタイルがとても注目されているのです。密によって感染リスクが高まることがありません。

元々、プライベートジェットは名前のごとく飛行機をチャーターして自由自在に移動する旅の手段です。

旅行する際、例えば1日目は北海道一周旅行をする際、札幌の奥座敷「定山渓温泉」で温泉でリラックス。

2日目は利尻島へ行って高山植物鑑賞しながらのトレッキングと思う存分ウニ料理を満喫。

3日目は網走へ行ってカニ料理。

4日目は網走から函館へ向かい、函館山の夜景を楽しんでイカの踊り食いを堪能。

本場函館で頂いたイカの踊り食い

このような行程、車やバス、列車での移動だけでも1日費やします。

民間の航空機を利用しても乗り継ぎの連続だったり、就航していない路線もあるのでなかなかスムーズには移動できません。

プライベートジェットなら1時間程度のフライトで次の観光地に移動できます。

プライベートジェットを利用する富裕層の国別特徴

空飛ぶ豪華ホテル「プライベートジェット」

来日する国の富裕層によって動向が異なります。

出発地別では中国が全体の 3 分の 1、次いでアメリカ、東南アジ ア、香港。近年では東南アジアからの来日も増えております。 

観光地によってピークは異なりますが、北海道の場合明らかにに冬(12月〜3月)。夏 (6月〜9月)の往来が増え、夏の北海道の魅力が富裕層にも浸透しつつあります。

ヨーロッパ人はEU諸国周辺に多数のリゾート地が存在するので、北海道にはにはあまり興味を示さない傾向があります。むしろ紅葉の時期の京都に人気を博しています。

オーストラリア人は主にスキーを目的に北海道には多く来るがほぼ民間航空機。彼らはビジネスジェットをオーストラリア国内移動手段と捉えており海外に行くときにあまり使わないようです。

きっかけは、ウインタースポーツや冬のイベントなどから入ってく ることが多い。オーナーの若い息子さんやお孫さんは、SNS やソーシャルネットワークで最近の流行や、B 級グルメ、スイーツといったところへ敏感に反応して行く傾向があります。

札幌場外市場で頂いたボタンエビとアワビの海鮮丼

海外富裕層のディスティネーションは主に北海道。そのの 80%はニセコ。 そしてニセコと札幌は旅程に両方入っていることが多い。

例えば3泊4日の北海道旅行の行程は、到着後、直行でニセコに2〜3連泊。最終日は札幌 1 泊してから帰路につくのが一般的です。

また札幌から少し足を伸ばして、新千歳空港に程近い支笏湖エリアも人気があります。

乗客の構成としてはビジネスジェットを持っているのは企業オーナーなどがほとんどです。 中国・香港人の場合 1 機当たりの人数 が多く、8〜10名程度。

観光目的で北海道へ来るお客様は ファミリーが多い。オーナーが息子さん、お孫さんを連れてという トリップが多い。 先に家族だけ北海道へビジネスジ ェットで送ってきて、そのジェッ トがもう一回帰って行って、オー ナー本人だけまた一人で来るというパターンもある。

運航経費は2倍かかるがその辺のことは考えなくてよいのです。

消費動向としては最高級ホテルチェーンの最上級スイートルームや老舗旅館。北海道の場合、スキーや体験型の観光を楽しんでいます。お土産は日本産のワインや日本酒。海産物も人気です。

洞爺湖サミットが開催された「ウインザーホテル洞爺」の朝食風景

利用客ではないのですが、プライベートジェットのクルーも重要な「お客様」です。最終的な空港の着陸の最終権限はパイロットが持っているのです。つまり受け入れ空港はパイロット(特に機長)に気に入ってもらえることを目指すイメージが重要です。

クルー構成はパイロット 2〜3名、キャビンアテンダント1〜2名、メカニック 1 名程度。 乗客と同じぐら素晴らしいサービス対応をしてもらっているクルーが多いため、彼らも大切な「お客様」であることを認識しなければなりません。

プライベートジェット普及に関わる今後の課題

日本はみんなが中流意識 で富裕層への嫌悪感が強い傾向にあります。このような国民性の違いがビジネスジ ェットへの理解が進まない障壁になってます。そしてプライベートジェットへの理解 が不足も要因の一つになっております。

さらには日本人の感覚や意識 、文化の違いや時間 価値への考えの欧米との差も背景にあるのではないかと思われます。

プライベートジェットの就航数が多いのは一位がアメリカ。追ってブラジル、メキシコなどがあります。

理由としてはこれらの国は富裕層への憧れが強いのです。

また、プライベートジェットに関しては、世界標準から比べると10 年も 20 年も日本は遅れていると言われているのです。

大きくは、航空・空港規制 が発展途上であること。

これは日本全体の空港におけるビジ ネスジェットの受け入れ体制・施設の整備不足でもあります。これらが理由で、 日本で開催予定だった国際的大企業の会議が他国開催になったこともありました。

豪華客船運航会社がプライベートジェットを所有

クリスタルクルーズ社が所有していたプライベートジェット

アメリカに「クリスタル・クルーズ社」という主に富裕層をターゲットとしたクルーズ会社があります。

元々は日本郵船が創業した会社ですが、2015年に東南アジアのカジノ会社が買収。その後、コロナ禍の打撃によって経営破綻。現在はモナコに拠点を持つ富裕層向け旅行会社がただいま再建中です。

クリスタル・クルーズ社のプライベートジェットは乗船客が住む街からクルーズ客船の出港地までのプライベートアクセスを目的として活用していました。

もちろんクルーズ乗船客がいないときはビジネス需要としての利用もありました。

ボンバルディア・グローバル・エクスプレスジェットXRS

使用機材のボンバルディア・グローバル・エクスプレス・ジェットXRSはクルーズ会社のコーポレットカラーや内装のリメイクをし、接続プラットフォームの全面刷新に加え、ゲスト向けの新しいエンターテインメントオプションも搭載。

この機体は、新しいカーペット、新しいウィンドウトリートメント、豪華な座席を備え、すべてのキャビネットとドアは上品な木製に仕上げられています。

リビングルームからベッドルームに変身

最大12名様までご搭乗いただけるオンデマンド・チャーター機で、3つの広々としたキャビンを備え、最大6名様までお休みいただけるため、ビジネスにもレジャーにも快適にご利用いただけます。ジェット機は、ビジネス活動、リラクゼーション、睡眠専用の 3 つの独立したキャビンに改装されました。前方キャビンには、折りたたみ式テーブル付きのエグゼクティブ ワイド クラブ シートが 4 席あります。

クルーズと同様の食事が堪能できます。

ミッドキャビンには、5 人掛けの座席と、ワークステーションとキャビネットが装備されています。また、後部キャビンには、大きなベッドに変換できる 3 人掛けの長椅子があります。その他の設備には、冷気チラー、高温オーブン、電子レンジ、アエロラックス ネスプレッソ マシンを備えたフォワード ギャレーがあります。

クリスタルの定評あるサービスと、お客様のお好みに合わせたメニューを提供するワールドクラスの料理が、このオーダーメイドの体験をさらに際立たせています。

クリスタル・クルーズ社が提唱するの空の旅は、クリスタルに期待されるケータリングサービスを受けながら、シームレスな効率性を実現します」と、当時のクリスタルのマーケティング・セールス担当上級副社長、カルメン・ロイグは述べています。

「これらのアップグレードにより、お客様は旅先でのビジネスに必要なほぼすべての利便性を享受し、また、空の上のどこにいても最新のエンターテインメントでくつろぐことができます」と述べていました。

ロックウェル・コリンズ社の会場管理システムとエンターテイメントシステムを追加したグローバル・エクスプレス・ジェットでは、24インチと32インチのワイドスクリーンHDモニターでお好みの番組を見ることができ、iPod Touchで操作することができます。

付属のブルーレイプレーヤーと8台のiPadによるビデオストリーミングにより、機内のエンターテインメントがさらに充実し、機内を移動しながら自由に視聴できるようになりました。

また、ワイヤレスAVODシステムにより、お客様がお持ちのデバイスで視聴することも可能です。

Venue Airshow ASXIソフトウェアアプリケーションにより、各ゲストは自分のデバイスや機内のモバイルタッチスクリーンで、フライトの移動、2Dおよび3Dマップを独自に操作することができます。

クリスタルのグローバルエクスプレス機は、ARG/USおよびIS-BAOの安全規格を持つFAA135認証のもと、コンツアーフライトマネジメント社によって運航されています。

同機のWi-Fiシステムも大幅にアップグレードされ、Via Sat技術によるSatcom Directを搭載し、空中で究極の柔軟な通信を提供します。このシステムは、ユーザーがネットワーク間を移動する際にも、中断することなくシームレスな接続を可能にします。

SkyShieldフィルターは、航空機との不要なデータトラフィックをブロックすることで機内のWi-Fiパフォーマンスを向上させ、専門のサイバーセキュリティチームが24時間365日ファイアウォールアクティビティを監視しています。 

いかがでしたでしょうか?

このように富裕層が求めるプライベートジェットの一部分をご紹介しました。

日本でも徐々にプライベートジェットの良さが浸透し、比較的手に届く範囲の料金設定でもご利用することが可能になりました。

機会がありましたらお試しください。





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