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クルーズ旅行の本質

クルーズ旅行では、世界中で300隻以上のクルーズ船が就航しています。それぞれに個性が有り、その寄港地やサービスの多様性は非常に豊富な選択肢がある事に気がつくのです。クルーズ旅行とは一回の旅行で2つの異なった休暇を楽しむことが出来る旅なのです。(アメリカでは「ワントリップ・ツーバケーション」と言われてます。)

船の寄港地として訪ねる世界の観光地や名所に加えて、船上での生活・体験が旅の思い出を作るのです。旅行の観光地も大事ですが、船上でのライフスタイル体験の充実度も客船やクルーズ会社を選ぶ際の重要な要素になるのです。クルーズ船社側は自社の経営方針に基づき1~2年先の就航海域やルートの企画します。 そして各種調査を経て最終的なスケジュールを作成します。その配船先を企画する際、クルーズ船社はセグメントした客層の意向や予算などを見極めて船の就航する海域を決めます。そして食事やエンターテイメント等の船上プロダクトにおける生活環境を決めるのです。

アメリカ人ゲストが中心のクルーズ船のクルーズライフは、彼らにとって心地よいアメリカ的な日常性のある環境よりに成立っているのです。日本人とアメリカ人がそれぞれ求めるクルーズに対する価値観や考え方が異なるのは国民性によるところが大きいからです。

クリスタル・ハーモニー(現在:飛鳥Ⅱ)最高ランクの客室、「クリスタル・ペントハウス」

ヨーロッパ人クルーとアメリカ人乗船客によって成り立つアメリカ的環境このような傾向は何もアメリカ船だけの問題ではありません。ドイツ船は限りなくドイツのライフスタイルを取っていますし、フランス船には フランス的な食生活が満喫できる船に成っているのです。

船上での生活がクルーズ旅行の大きな楽しみであるが故に、どのような船を選ぶかがクルーズ旅行の満足度の決め手になるので、自分が最も自分に合った船を選ぶには、クルーズに詳しい旅行代理店のアドバイスを求める事をお勧めします。特に日本のクルーズ会社や旅行会社の多くは 未だに「豪華客船」と言う表現を使って販売していることが多いのです。 

これらのミスマッチを少なくするためには クルーズ旅行を計画される場合、クルーズ船社のパンフレットが決め手。

これは外観はどれも華やかで綺麗に出来ており、超豪華とかの表現も氾濫しクルーズ船社の特徴や区別・差異が良くわからないケースが多いので、旅行代理店のアドバイスやインターネット情報等を出来るだけ集め、積極的に活用しましょう。そして豪華とか非日常性等の言葉に惑わされず値段だけではなく、シビアに船上生活する視点からも比較検討をされることをお勧めします。 

「部屋は海に面しているか?」
「ベランダがあるか?」
「使われている家具の素材は何か ?」
「バスタブは有るか?」

クルーズによって異なっている事も知っておく必要があります。

中にはマニアックな客層向けの1泊400ドル(日本円に換算して約55,000円.2022年9月現在)前後の予算の探検船もあります。

各クルーズ船社は彼らの営業上絞り込んだ客層を対象としてクルーズのサービス海域や船上のプログラムを組んでいるケースが多いのです。

タヒチなど南太平洋を主としてサービス海域とするクルーズ客船では小型船のため、船内にはエレベーターのない船もあります。これは新婚旅行層や若年層にマーケットを主たる対象としているために高齢者や歩行を苦にする船客には不向きかと思われます。しかしマリンスポーツのプログラム満載で若い活動的な客層には受けるに違いありません。

夫婦でシルバームーン休暇をカリブ海の船旅に求めたところ、子供が多く不愉快であったとか、子供家族連れの船旅を選んだためベビーシッターもおらず、なおかつ船上の子供用プログラムも少ないのです。結局、子供の面倒見だけで疲れたと言った不満も良く耳にします。これらは船旅の実情に対する情報不足からくるミスマッチに依ることが多い傾向です。

このリサーチを怠るか、積極的に調べるかによってその人の生涯における「クルーズ人生」を大きく左右することになります。

この記事の観点から今後のクルーズ旅行を参考にして頂くのではなく、富裕層に特化したインバウンド事業の観点でご覧いただければ幸いです。



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