俳優・塩谷瞬の20年に及ぶ芸能生活とは？その功績を振り返ります。

芸能人は水商売と言われ、常に活躍をし続けなければ簡単に消えていってしまう過酷な仕事です。そのため、芸能人としての活動が長ければ長いほど、業界で評価され続けていると言えるでしょう。

俳優として活躍する塩谷瞬さんは2023年で芸能生活20周年を迎えます。この20年は塩谷瞬さんにとってどんな20年だったかは、塩谷瞬さんがいずれ語るかもしれませんが、この記事では芸能生活20周年の功績を振り返ります。

ハリケンジャーでいきなりの主役デビュー

石川県出身の塩谷瞬さんは1999年にナムコ・アミューズ・ホリプロ・ニッポン放送の共催で行われたオーディションでナムコ特別賞を獲得し、芸能人としての興味を抱くようになり、下積みを始めます。

なかなか仕事が決まらず、日本での活動を諦めようかというタイミングで舞い込んだのがスーパー戦隊シリーズである忍風戦隊ハリケンジャーのハリケンレッド役でした。これが初めての俳優としての仕事であり、いきなりの主役デビューです。

当然スキルも何もなく、まさに気合と根性で体当たりで臨んだ塩谷瞬さん。忍風戦隊ハリケンジャー自体がこれまでのスーパー戦隊シリーズとは異質なところもあったため、視聴者は新鮮にハリケンジャーを見るようになります。

のちにハリケンジャーはスーパー戦隊シリーズでは初となる10周年記念作品、20周年記念作品を制作し、塩谷瞬さんの芸能生活10周年、20周年に華を添えるようなものとなりました。塩谷瞬さんは20周年記念作品の記者会見などで感極まるなど、この20周年がいかに大変な道のりであったかを感じさせています。

俳優として大きな成長につながったパッチギ

塩谷瞬さんはハリケンジャー以後多くの仕事に恵まれ、人気を集めていきます。その中で俳優として大きな成長を遂げたのが映画「パッチギ」です。パッチギと言えば沢尻エリカさんの好演が光り、井筒和幸監督が絶賛した一方で、パッチギの主役は塩谷瞬さんでした。

しかし、井筒和幸監督を始め、いわゆる井筒組と呼ばれる撮影クルーからは常に辛辣な態度をされ、塩谷瞬さん曰く、「人生の中で一番苦労」をしたのだとか。もちろん主役だから辛辣だったわけでもなければ、沢尻エリカさんが可愛かったから優遇していたわけでもないものの、大変だったことはパッチギに参加した俳優の多くが語っています。

一方でパッチギに参加した俳優の多くは今も第一線で活躍するなど、役者として成功している人が多く見受けられます。塩谷瞬さんにとってもパッチギの出演が役者としての成長に大きく関わっていることは言うまでもなく、パッチギを契機に更なる仕事に恵まれることになりました。

パッチギが公開されてからは、地上波のテレビ番組で主演を務める機会が増えたほか、映画の主演もどんどん決まり、多くの作品に出演を果たしています。

芸能生活20周年に公開される作品

塩谷瞬さんは2023年で芸能生活20周年を迎えますが、この2023年には2本の作品が公開されています。1本はレンタル×ファミリーです。レンタル×ファミリーは、実在する家族レンタルサービスでのエピソードを実写化した作品で、塩谷瞬さんは主演を務めています。

2021年から撮影がスタートし、1年以上の時間をかけて撮影が行われました。コロナ禍で撮影環境も難しい中で主演の塩谷瞬さんを始め、多くの出演者たちが奮闘し、素晴らしい作品に仕上がるほか、クラウドファンディングにも多くの支援が集まるなど、様々な人に支えられて作られた作品となりました。

塩谷瞬さん自身も両親がいない家庭で育ったこともあり、自分事として捉えるほか、自らも人間レンタルに挑戦するなど、単なる役作りを越えた経験をレンタル×ファミリーを通じてすることができたようです。

2023年にはもう1作品、「いまダンスをするのは誰だ?」という映画にも出演します。主演を務めるのはシンガーソングライターで、パーキンソン病を抱えて闘病を続ける樋口了一さん。パーキンソン病を抱える主人公の仕事や人生などを描く作品となっています。

樋口了一さんはこの作品が初の俳優作品であり、初の主演となります。塩谷瞬さんは樋口了一さんを支えるポジションで出演しています。この作品は自らもパーキンソン病と診断された松野幹孝さんが実体験を中心に原案を作成しましたが、クランクインの直前に亡くなるなど様々な人の思いが込められた作品です。

2023年に公開される2作品はいずれも人間にスポットがあてられた作品であり、様々な人の思いが強く込められています。塩谷瞬さんは芸能生活20周年でこれらの作品に巡り合っており、芸能生活20周年以降に向けて更なる円熟味につながる機会になったかもしれません。