~昼寝で見た悲しい夢~
こんな儚く悲しい夢を見たのは僕の人生で初めてだ。
然も昼寝で・・・。
それは、大学時代に付き合っていた彼女の話し。
当時僕は、駒澤大学。彼女は、トキワ松学園に通っていた。
共に246沿いだったせいか車でよく大学の正門まで迎えに行ったものだ。
今日見た夢。
彼女と映画を見に行った話だ。
彼女と映画館へ行き、人気のある映画だったので並んでいると何故か彼女の家族とバッタリ会ってしまった。よかったら一緒にって事になり誘われたが、僕は彼女と2人きりで見たかった。彼女を家族から少し離れた場所へ誘いその旨を伝えた。 そうそう、彼女の名前は Aki(アキ)という。これ本当の名前。 で、彼女 の回答は「いいじゃん、一緒に見ようよ」だった。 僕は、絶対に譲れなかったので、それじゃ僕は帰るから君は家族と 見ておいでと言って帰ろうとした。すると彼女は、僕を人気のない所に連れて行き キス をしてきた。そして、小走りに家族の元へ帰っていったのだ。
これ、実際に彼女がヨーロッパ各所へ卒業旅行に行った帰り、僕が成田まで彼女を迎えに行った時の状態にものすごく似ている。
到着ロビーで待っていると彼女の父親とバッタリ会ってしまった。 お互いに気まずい状態になってしまい、少し離れたところで Aki を待ちそして彼女の姿が見えた。 彼女は、父親と僕の姿を見て戸惑っている。 そして、父親の元へ。 当然こうなるよね。 そして、父親に何か話しかけると小走りに僕のやって所へやって来た。
「ごめんね、こんな事になってしまって」と謝った。
僕は、彼女に「いいよ、無事に帰って来たんだから」
父さんだって心配だし早く君の顔が見たくて迎えに来たんだから一緒に 帰りなよ」と言うと「うん」と頷いて父親のもとにゆっくりと帰って 行った。そして、二人で僕のほうへ振り返り短くお辞儀をして駐車場へ 向かった。
僕は、その後姿を呆然と眺めつつ、そして二人が見えなくなった。
気が付くと5分以上その場に立ちつくしていた。
ものすごく悲しかった。
ちょうどその年の夏休み中に飛行機事故があり多くの人々が亡くなっていたのだ。だから無事に帰ってきただけでも僕はホッとしたのを覚えている。 仕方がないから諦めて僕も高速道路に乗り川崎の実家に向かうことにした。すると渋滞にはまり車が止まると右横に彼女の父親の車が。 彼女は、僕に微妙な顔で手を小さく振っていた。 そして、ごめんね と言っていた。
何でこうなるんだよ。今度は、沸々と怒りがわいてきた。
ハンドルを両手で強く握りしめ下を向いて何とかその状況を堪えた。 ふと顔を上げるとゆっくりと Aki の乗った車が動き出した。 そのテールランプをボーっと見ていたら悲しくなってきた。ってお話です。
間違いなく僕の人生で一番に悲しい出来事。
僕が結婚できなかったのも彼女と巡り会ってしまったから。
彼女と巡り会っていなければ、多分普通に結婚をし普通に子供を授かり
今頃普通に暮らしていたのだろうと思う。
彼女とは、彼女が就職したと同時に分かれてしまったような気がする。
その後何人かの女性とお付き合いしたが長くは続かなかった。
どうしても Aki と比べてしまい、僕が口説いて僕が振ってしまう事の
繰り返し。
そしていまだ独身。
でも、もう恋愛はしたくない。
何故なら恋は有償であり、愛は無償だから。
人を好きになってイライラしたくないのだ。
でも愛は欲しいかな 何れ。
彼女が今幸せだといいな、と思いつつこのお話を終わりにします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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