見出し画像

挑戦することがNPBの財産なのだ

 オリックスの吉田正尚がMLBへ移籍を希望し、球団もそれを了承したとの事である。ただ、彼は守備の不安が大きく、打撃1本でMLBという文字通りの大舞台で活躍することが出来るのかが疑問視されている。今回は、吉田MLB挑戦について思ったことを書いていくこととする。

満を持して送り出したオリックス

 数年前迄は監督がコロコロと変わり、主力級の選手でもスランプに陥ると直ぐに放出されるというネガティブなイメージが強かったオリックスだが、中嶋聡監督が就任してからはガラッとイメージを変え、全員野球の素晴らしいチームとなった。

 そんな団結したチームの核を担っていた選手が抜けるのだ。これが普通の球団であれば、海外FAを持つまで待って欲しいと慰留するはずだ。ただ、福良淳一GM一下、オリックスの背広組はV戦士を惜しむことなくMLBに送り出し、穴埋めとして地元大阪出身の森友哉をとったのだ。これだけ選手思いで、かつチームのレベルを落とさないように考えた補強ができる球団が果たしていくつ日本にあるだろうか。改めてオリックスという球団は地味ながらも球団内のマネジメント能力がNPBの中でも群を抜いていると感じる出来事だった。

活躍の可能性は

 吉田がもう既に失敗したかのような扱いをする心無いファンも多いが、僕は吉田活躍の可能性は十二分にあると考えている。

 まず、なぜ吉田は失敗しそうだと考える人が多いのか。これは言うまでもなくウリが「打」のみであるからだ。拙い走塁や守備をしたという話は聞かないが、話題になるようなプレーもないので恐らく打撃以外はパ・リーグで「凡」に値するのだろうが、打撃が群を抜いていい。今季は打低パ・リーグで打率を.335に乗せた。1昨季には球史に残る大打者の証である.350を記録しており、カットボールやツーシームのような外国人選手のムービング・ファストボール系の変化球にめっぽう強い。

 そして、更に吉田の追い風になっているのがナ・リーグ指名打者制度採用だ。これにより、全30球団に「9人目の野手」が存在することとなったので、自ずと打棒に定評のある吉田の評価が上がるというわけだ。以上のことを踏まえて、僕は吉田がMLBの契約を掴む可能性は限りなく100パーセントに近く、打撃は水物なので分からないが十分MLBに挑戦するに値する選手であると考える。

最後に

 この投稿の題名である「挑戦することがNPBの財産なのだ」の真理は、例え吉田がMLBに挑戦して失敗に終わっても、173センチの小柄なアジア人がどのようにして屈強なMLBで変化していくかということこそが今後MLBへと挑戦していく後進の糧となるのだ。筆者は素直に「吉田、頑張れ」と応援していく所存だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?