藤浪晋太郎の第1歩
大リーガー・藤浪の初マウンドは高校時代に「ビッグ3」と呼ばれたライバルの大谷翔平との投げ合いとなったが、結果は上々のものとなった。今回は、そんな藤浪のロマン溢れる投球を振り返ることとしよう。
初球に見せた個性
藤浪の記念すべきMLB第1球は死球スレスレのシュートボールだった。これには良くも悪くもNPB時代と変わらないなという感想を持ったが、次に外角低めへと直球を投げ切ったところを見て藤浪のアバウトな制球がMLBで武器となることを確信した。アナハイム・エンゼルスの先頭打者はこれに腰が引けて手が出なかったからだ。
藤浪の課題と言われ続けているのがガラスのメンタルだが、高校時代に春夏連覇を果たした選手の心が弱いわけが無いのだ。元々、三塁側に踏み込むフォームなだけに内角への抜け球が多いところを在阪のメディアを中心にやいのやいのと言われてしまったところから彼が調子を落としてしまったのではないかと考えている。従って、MLBでは下馬評を見ずに自分のペースで野球をやって欲しい。そこが成功のカギだろう。
追い風となりそうな新制度
今季よりMLBでは指定時間内に投球動作に入らなければボールを1つカウントされる新ルールが採り入れられている。僕はこれに反対ではあるが、藤浪自身にはいい制度なのではないか。
NPB時代の藤浪はというと、テンポが悪くマウンド上で固まったように不自然な間合いを取ることが多かった。しかし、ルールで縛ってしまえば考え込むことができないのでひたむきに投げることができるはずだ。従って、古い表現を使うと「ちぎっては投げ」のスタイルで投げられるようになり、MLB公式球に順応することができたら大化けの可能性があるだろう。元ボストン・レッドソックスの上原浩治氏のように、相手の打者が構えることには振りかぶっているような投手にモデルチェンジしてほしい。
最後に
藤浪は常に制球が不安材料ではあるが、小さくまとまらずに課題がしっかりとあるということはそれだけ伸び代なのだ。カウントを悪くしてもストライクを取れるようになれば、エース格へ飛躍するだろう。