交流戦に思うこと

 今季の交流戦は実に盛り上がっている。日ハムの北山亘基が2試合連続でサヨナラ本塁打を浴びたり、塩見康隆が1試合で3本のアーチを掛けたり、三ツ俣大樹が古巣のオリックス相手に躍動したりと素晴らしい試合の連続であった。そんな交流戦に思うことを書いていく。

リーグ戦の中に交流戦を入れていいのか?

 これが一番の疑問点である。現行の制度では、143試合のリーグ戦で優勝チームが決まるのだが、その中に18試合の交流戦が含まれている。当然、この交流戦で大きな貯金を作ったり、逆に借金を作ることが出来るのでそれが優勝戦線に大きな影響を及ぼすこととなるので「リーグ戦」という体裁がなくなってしまうと思っている。

パ・リーグの投手は打席に立っていいのか?

 交流戦の楽しみの1つに普段打席に立たないパ・リーグの選手の打撃が見られることがあるだろう。昭和50年の制定から、パ・リーグは50年近く指名打者制を採っており、そんな選手たちが打席に立つ「非日常」がファンにウケているのだろう。しかし、僕はこれに反対だ。興行的な理由でも、競技的な理由でもなく、死球や自打球への危険性からの意見である。

 ドラフトで選ばれてすぐの高卒ルーキーや、六大学リーグ出身の選手であれば問題ないだろうが、長年パ・リーグでプレーしている投手は実践での打席のブランクが長いので故障の危険がぐんと上がってしまうのだ。セパの球場関係なく、交流戦は全試合で指名打者制を採ってほしいと思っている。

交流戦の中で生まれたものと失ったもの

 交流戦が始まったのは平成17年から。平成14年生まれの僕にとって、交流戦は物心が着いた頃からあるものであったが、野球史と興行的なことから交流戦が始まってNPBが得たものと失ったものを書いていく。

 まず、得たものは間違えなくパ・リーグ人気である。交流戦前のパ・リーグは、身売りや本拠地移転が多くあったが、交流戦が始まってからというもの、1チームも身売りや本拠地移転をしていないのだ。未だに「人気のセ」という現実はあるが、それでもパ・リーグの人気は間違えなく上がっているのである。僕の体感ではあるが、現在のパ・リーグはセ・リーグの集客の6割から7割ほどは埋まっているのではないか。観客動員数や収容率など、数字を粗探しすれば簡単に割合がわかる事だが、僕は敢えてそれをしたくないのだ。それはあくまで「球場全体」の人数であって、交流戦でセのチームのファンが何人か、パのチームのファンが何人かは全く以て分からないのだから。

 逆に失ったものはオールスター、日本選手権の「非日常的な盛り上がり」である。日本選手権やオールスターが夢の対決と言われる理由は、普段交わることの無いユニフォーム同士の対決だからだ。それが年間18試合も相対することが可能な機会を作ってしまっては盛り上がらないに違いないのだ。

最後に

 今回もダラダラと書いてしまったが、僕が言いたいことはリーグ戦に交流戦の結果を組み込んで欲しくないこと、故障の危険から交流戦を行う場合は全試合で指名打者制を採ることである。また、オールスターや日本選手権を特別なものとするために、交流戦はオープン戦のようなエキシビション・マッチとして欲しいと思っている。

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