来年のブレーク候補【広島篇】

 盛者必衰とはよく言ったもので、緒方孝市監督の下で3連覇を達成した広島が勢いを無くして4年連続のBクラスに沈んでいる。今回は、そんな悩める鯉の未来を担う選手を2人ピックアップしよう。

投手

 今季、3連覇で疲弊した投手陣復活の兆しを見せたものの、まだまだ選手層は薄い。その中でシーズン終盤にナゴヤドームで好投を演じた森翔平という投手をブレーク候補筆頭に挙げる。

 彼は左腕では珍しい極端な上手投げで角度をつけるタイプの投手だ。同僚の森下暢仁や栗林良吏の反転映像を見ているようなフォームはNPBに於いて非常に珍しいのではないかと感じる。長所はひとえに直球と言えるだろう。前述の通り、極端な上手投げのため縦回転の綺麗な球が行くので打者の視点から見るとホップするような軌道を描くのではないか。この直球に鋭く落ちるドロップのようなカーブがあるので、先発として試合を組み立てる能力もあるはずだ。

 ここからは余談だが、1度8月にナゴヤ球場の二軍戦で森の勇姿を見る機会があったのだが丁度大学の追試験が重なってしまったがためにそれを断念せざるを得なかったことが非常に心残りだ。試験は合格し事なきを得たものの、代償は大きかった。

野手

 今季はチーム全体で26盗塁。これは中日の岡林勇希1人と数を競う程の少なさだったと言うので「機動力の広島」にしては寂しすぎる数字だ。やはり走る野球の復活には若手が必要。ということで、ここには来季が高卒4年目となる韮澤雄也という選手を挙げることとする。

 この選手は僕が8月にマツダスタジアムへと行った際に菊池涼介の代役としてスタメン出場し、機敏な動きをしていたので非常に印象に残っている。まだまだ送球は粗削りなものの、身軽そうな動きで広い守備範囲を網羅していたので背番号がなければ正二塁手の菊池と間違えてしまう人も少なくないのではないか。また、目を見張るような打力はないものの、追い込まれてから粘って対角線上にポトリと落とす何とも広島らしい執拗い打撃をするので相手から見たらヤッカイな選手になりそうだ。いずれは東出輝裕現広島コーチのようなクラシックな二塁手へと成長して欲しい。

最後に

 派手さはないが地力はあるというのが広島の伝統。玄人好みの選手をこれからも輩出して欲しいものだ。新井貴浩新監督の真価が問われるのは若手の養成である。

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