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第3回 立憲民主党未来世代委員会 内容報告


初めまして。未来世代委員の1人となりました、角谷樹環と申します。私は2019年9月より気候変動への具体的な解決策を求める運動である、Fridays For Future Sapporoのオーガナイザーとして活動しており、現在は高校2年生です。

今回は第3回未来世代委員会の内容についてのnoteを書きました。第1回・第2回の委員会については、未来世代委員会に関する委員への説明といった内部向けのものだったため、第3回からの内容を公開していく予定です。今後は、委員会が開催されるごとに、各委員が交代で委員会の内容についてのnote をこちらのアカウントで公開する予定ですので、ぜひご覧ください!

それではまず初めに、未来世代委員会とは何かについて簡単にご説明したいと思います。

1 未来世代委員会とは

未来世代委員会とは「未来世代」の観点から現在の施策を検証することを目的に、立憲民主党によって立ち上げられた仕組みのことです。
未来世代の視点で環境エネルギー政策を幅広く検証し提言を行う第三者による「未来世代委員会」の設置法の準備と並行して立ち上げられ、委員は推薦を受けた環境エネルギー分野で活動する若者団体などのメンバーで構成されます。
委員会は取り上げる具体的なテーマ・政策を決定し、省庁や有識者に対するヒアリングや国会図書館での調査、視察などに基づいた議論を通して、現在の政策の検証結果を立憲民主党に提出することをゴールとしています。

詳細は立憲民主党のWebサイトをご覧ください。また、委員の1人であり、日本若者協議会の代表理事である室橋祐貴さんによる記事もよろしければご参考にしてください。

Webサイト:https://cdp-japan.jp/news/20230626_6350
記事:https://onl.bz/vuXLNyM

また、委員は以下の通りです。キックオフ時点では8名となっていましたが、その後3名追加され、11名となりました。

・大山 倫輝(りっけんユース・代表)
・奥西 夏季(Earth Guardians Japan・大学生)
・角谷 樹環(Fridays For Future Sapporo・高校生)
・金井 優樹(株式会社Aladdin・代表取締役)
・匿名希望(日本版気候若者会議・中学生)
・黒瀬 陽(Climate Youth Japan・大学院生)
・芹ヶ野 瑠奈(日本若者協議会・大学生)
・豊島 亮(Change Our Next Decade・理事)
・室橋 祐貴(日本若者協議会・代表理事)
・山崎 鮎美(350 New ENEration)
・渡辺 優(シブヤ若者気候変動会議・大学生)

2 第3回未来世代委員会について

開催日時:2023年7月24日(月)19時-21時
主なアジェンダ:

  • 委員長の決定

  • 未来世代の定義・バリューについての議論

委員長の決定
未来世代委員会は、委員長の下で運営されます。各委員による投票により、日本若者協議会に所属する大学生の、芹ヶ野瑠奈さんが委員長となりました。芹ヶ野さんは経験値があり、意見も積極的に発言される、信頼できる方だと私自身、感じています。

また、委員会の議論においては、全ての委員が対等な関係で議論を行うとしているため、最終決定権が委員長にあるというわけではありません。委員長は、公式の場においての発言などを行う役割となります。

未来世代の定義・valueについての議論
委員会ではまず初めに、今後の活動にあたって、委員会内での「未来世代」の定義を決定し、活動にあたっての共通の価値観(value)を確認することとしました。

そこで、今回の委員会では、議論の参考として委員であり、Climate Youth Japan副代表の黒瀬 陽さんに、「未来のための正義論」と題して、倫理や人権、公平性、コミュニタリズムなどに関するインプットを行っていただきました。目次は以下の通りです。


目次

  • 正義論A Theory Of Justiceの概略

    • 理論としての正義 A Theory Of Justice

    • 分配的正義distributive justice

  • リベラリズムLiberalism

    • リベラリズムとロールズRawls『正義論』

    • ロールズと未来世代への配慮

    • リベラリズム(ロールズ)まとめ

  • 気候正義Climate Justice

    • グローバルな分配的正義

  • 功利主義Utilitarianism

  • 共同体主義Communitarianism

  • フェミニズム/ジェンダーFeminism

    • 正義としてのフェミニズム

    • フェミニズムの理論

    • フェミニズムと気候変動(IPCC報告書から)

私は、「気候正義」を重視し活動していましたが、正義そのものについて深く考えたことがなかったため、とても参考になるインプットでした。また、valueを考えるにあたって、「気候正義」といった言葉が出てきたときに、正義そのものついて理解していることはとても重要だと思います。黒瀬さんのインプットでは功利主義の理念に立ち帰ると、未来世代への配慮も考えやすいのではないかといった議論が生まれました。

黒瀬さんのインプット後には、東北大学の明日香壽川教授に、ウェールズ未来世代法制定の経緯と内容、また、未来世代法に関する世界と日本の動きなどに関して共有していただきました。特にウェールズが未来世代法制定を意識した上での大規模な国民対話を行い、持続可能な発展後の理想的なウェールズのビジョンを定めたというケースは衝撃的でした。日本でも、今回の未来世代員会や、すでに起こっているいくつかの活動などをきっかけに、国民の声をより反映し、未来世代へ考慮した法律が制定される動きが生まれること、が私の理想なので、世界の例なども参考にしつつ、今後、議論を深めていきたいと思っています。


お二人のインプット後は、ブレイクアウトルームに分かれ、「未来世代」のイメージをシェアし合い、valueとしてもつべきものを出し合いました。未来世代のイメージとしては、これから生まれてくる人といった考えが出され、valueに関しては、自然との調和や公平性、保全と保護といったキーワードが出されました。時間の関係で、十分に議論ができなかったため、下記の通り、次回も引き続き議論を行います。

3 今後について

今回の委員会では、私自身も含めて、全員が意見をシェアするということがなかなか簡単ではなかったので、今後は価値観を共有し、理解し合いながら、少しずつ発言しやすい場にしていければと思っています。また、個人的ではありますが、この仕組みが持続的なものになるよう、今後も積極的に現在の日本・世界の状況や、提言するテーマに関する情報を学び、「未来世代」として、また、先進国に住んでいる人間として、意味のある提言ができるよう最善を尽くしたいと思っています。

さて、次回は、「日本の理想の姿とその理由」と「活動する上で軸としたいもの」をお互いにシェアした上で、未来世代の定義とvalueを決定する予定です。また、今後、ヒアリングを実施したい相手や必要となる資料についても考えていく予定となっています。

オブザーバーとしての参加が可能ですので、興味のある方は以下のリンクから申し込みください。また、SNS等でも発信していく予定なので、そちらもご覧いただけると嬉しいです。

オブザーバー参加 詳細
立憲民主党未来世代委員会では、オブザーバーの環境系若者団体を募集しています。
未来世代委員会では隔週程度で会議を行なっていますので、会議に参加したい団体は下記フォームから記入をお願いします。
フォーム:https://forms.gle/XXi7E5fsYajjxvzb6