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【前編】両立期をもっとハッピーに~グループ型キャリアコーチングプログラムができるまで

仕事と子育ての両立期のキャリアのカタチをデザインするオンラインのグループ型キャリアコーチングプログラム「キャリア・デザイン・ラボ(Career Design Lab)」(※以下、CDL)

特に復職を控えた育休中の方々や、再就労を目指す離職中の方々にグループセッションと個別キャリアコーチングを提供し、両立期の働き方・生き方(キャリア)をデザインし、目指すゴールに向かっての行動を後押ししています。今回は、CDLを主催する3名にCDLのプログラム立案の裏側や両立期の方々へのキャリア支援の想いをインタビューしました。

前編では、CDL立案背景や特徴、開催にあたって工夫した点をご紹介します

Career Design Lab主催者3名(左上より右回り:田中、渡邉、古賀)

両立課題を「みんな」で助け合うプログラムの着想


-CDLの立案背景を教えてください。

田中:出産後、私自身が産後の仕事と育児の両立、その後の働き方で相談できる場がないと悩んだ経験がきっかけでした。子育て広場などでママたちに子供の悩みは話せても自分自身の仕事の悩みは話せませんでした。また、育休取得やその後の働き方の調整が女性だけというところに不平等感やモヤモヤを抱えていたこともあり、解決する“何か”が必要だと思いました。

PR事業の傍ら、キャリアコンサルタントやコーチングの資格取得や学びを続けていたのですが、こういったものを活用して、私が感じた課題を解決したりやキャリア支援が行えるプログラムを作れないかなと思い、徐々にグループで行うコーチングプログラムを考えるようになりました。

立案時に実施したウェブ調査のまとめスライド

田中:両立期の方で、私と同じような悩みを抱えている人は多いのではないか、また、グループで行うコーチングプログラムは趣味ではなくきちんと事業としてやりたかったので、ニーズがあるかWeb調査をしてみました。

育休中の方や育休経験者の方(計145名)にアンケートをさせていただいたのですが、80%以上の方がキャリアに不安を感じていると回答されていました。また、必要なサポートの項目で、約30%の方がグループで取り組むことに関心を持たれているということもわかりました。1対1で専門家のアドバイスを受けるよりも、横のつながり、身近な人からのアドバイスを望んでいる方が多かったのも印象的です。

ニーズはあるのでは?と思い、横のつながりを作りながらキャリアの転機を乗り越え自分なりの答えを見つけられるようにという想いをこめて、CDLの骨子は1年ほど前に作成していました。そして今回、一緒にCDLを主催した2人との出会いにより、ついに実現しました。


明確に成果物を残す!ママの気持ちに寄り添った実践的プログラム

-CDLのプログラムにはどのような特徴があるのですか?
田中
:グループで行うコーチングプログラムであることが最大の特徴ですが、人に相談する敷居をなるべく下げたいと思っていたので、楽しみながらハンズオンで行える、実践的なプログラムにしました。また、明確に成果物を残すというところもこだわっています。

コロナ禍で始まった事業ということもあり、オンライン開催であるところも特徴ですね。グループワークの後には、個別でフォローできるような設計にもしています。

古賀:キャリア理論など内容的に聞くだけでは難しいと思われるかもしれませんが、コラージュなどを取り入れ、視覚的に理解しやすくしているというのも特徴ですね。本当に理論を学んでいるのかと思うほど、楽しくワークできます。

渡邉:グループにすることで、ワークの後に都度、シェアリングタイムがあるところも特徴です。1対1のコーチングでは、コーチ1 人からのフィードバックになりますが、グループで行うことでさまざまな価値観の方から多くのフィードバックをいただけるので視野が広がります。


私たちも両立期に悩んだからこそ力になりたい

-古賀さんはなぜCDLに参加されたのですか?

古賀:もともとは、アイムインの別事業であるオンボーディングカフェのキャリアコンサルタントに興味があり、応募させていただいたのがきっかけです。私は、“キャリア教育”、“生きる力”、“土台作り”がライフワークで、これまでも学生支援や街づくりに携わってきました。

田中さんとの面談の中で、CDLのお話をお伺いしたのですが、“家庭”も大事な要素であり環境面でサポートしていきたいという想いもありました。私自身、両立をしながら「~ねばならない」という考え方に最初、苦しめられてきました。ちょっとしたきっかけで考え方を変えることができ、そこから働き方や子育てに対しても、選択肢を多く持つことができました。

CDLではそのきっかけ作りを提供できること、そして、ゼロからイチを作り上げていくというところにも一緒にチャレンジしたいと思って、参加することを決めました。

-渡邉さんはなぜCDLに参加されたのですか?

渡邉:私もオンボーディングカフェに応募させていただいたのがきっかけではありますが、CDLのお話を聞いて両立期の方の支援という部分で共感することが多く参加を決めました。

私の原体験なのですが、大学卒業後、数年間働いた後に専業主婦になりました。子育てに専念していたのですが、全て家族に合わせるというような状況で、自分が何がやりたいのか、先のビジョンなども明確になっておらず、このまま社会復帰できないのではないかとモヤモヤした時期が長かったのを覚えています。

子どもの成長を機に仕事を始めたのですが、改めて、自分が何がしたいのか模索しました。そして、キャリアビジョンを描けるようになると自己理解が深まり、“こんなに生きるのが楽しくなるんだ”という経験をしました。

両立期の方は、振り回されがちで毎日生きるのが精一杯という方も多いと思います。そういう方の役に立ちたいですし、私が経験したように生きるのが楽しいと思える瞬間を作りたいという気持ちはもともとありました。また、新たなチームということでとてもワクワクする気持ちになったのが決め手となりました。


-CDL開催にあたって工夫した点、3人でつくることの利点や難しかった点はありますか?

リハーサルをする渡邉と田中

田中:全体を引っ張っていく立場だと思っていたので、3人のベクトルを合わせる工夫をしました。構想はありましたが、実際にカリキュラムに落とし込んでいくところは3人でディスカッションを重ねて決めていきました。

例えば、この理論のこの部分を伝えるのにどういうワークをしたらいいのかディスカッションするのですが、そのディスカッション自体がちゃんとした方向性に進むように軌道修正することと、そこからそれぞれが作業がしやすくなるよう方向性にズレがないか確認することを心がけました。

難しかったのはオンラインでの実施ということです。どのような方に参加いただけるのかわからないですし、リテラシーに差がある可能性があります。だからこそ、セッション前に練習用のデモサイトを参加者さんに提供したり、ツールを試す時間を作ったり入念に準備しました。

渡邉:3人でつくることの利点としては、私が思いつきで発言したことでも田中さんがきちんと受け止めてくれることです(笑)。確か、コラージュやりたいというのは私が言ったんですよね。それぞれのアイデアを、その回のゴールに合うように考えて形にしていく進め方だったので、この3人ならではのものができたと思います。

工夫したところは、ママの気持ちに寄り添うことです。ママたちはメンタルが少し弱っていたり敏感になっている方も多いと思います。子どものことも自分のことも人と比べたりすることが多いかもしれません。グループでシェアリングすると気になってしまう方もいらっしゃるのではないかという懸念もあり、心理的安全性を担保するにはどうするかというディスカッションから、場の約束が固まっていきました。

古賀:工夫したところは、4回セッションなので、1回ずつのゴールも大事なのですが、4回終わった最後のゴールにきちんと繋げることができるようにすることです。参加者の方々がセッション後どのような状態になっているか、1回1回のセッションは何が大事なのかとすごく頭を使いました。

田中:開催している最中もセッション内容をガラッと直前で変えたものもありますよね。毎回アンケートをとっているので、フィードバックをいただいて微修正しながら進めました。

執筆者:小池亜希(ライター)


・・・前編は、ここまで!後編では、CDLトライアル実施についてや、キャリア支援への想いをご紹介します!
後編は、こちらから!


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次回は、6月よりスタート!詳しくは、Peatixにてご確認ください。

主催者プロフィール

田中瑠津子
2011年より、国内外の非営利団体やグローバルPR代理店にて勤務。2018年にフリーランスのPRコンサルタントとして独立。PR事業の傍ら、キャリアコンサルタントやコーチングの資格取得や学びを続け、コーチや企業向け研修ファシリテーターとしても活動。2021年4月に、PRと人材・組織開発領域を統合させた新たなコミュニケーション事業「株式会社アイムイン」を設立。国家資格キャリアコンサルタント、育休後コンサルタント®認定 育休後アドバイザー

渡邉はるか
名古屋大学文学部卒業後、外国人弁護士秘書等を経験。約10年間育児に専念した後、30代半ばで IT系スタートアップの管理業務担当として社会復帰。心理学を学んだ後、キャリアコンサルタントを取得。個人向けキャリア相談、社外サポーターとしての1on1の提供、NPOでのSNS相談員等の活動に従事。国家資格キャリアコンサルタント、JCDA認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、育休後コンサルタント®認定 育休後アドバイザー


古賀夏子
今まで就職支援業界に約13年程携わり、2万人のキャリアカウンセリングを実施。2018年からはフリーのキャリアコンサルタントとして活動中。主に子育て世代を含む中途採用者向けの自己分析/応募書類・面接対策講座などを行う。自身の子育て経験から、子どもの自己肯定感を育むキャリア教育への興味も湧き、中学生のキャリア教育授業やまちづくりにも携わる。国家資格キャリアコンサルタント、JCDA認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、(株)ワーク・ライフバランス社認定コンサルタント、育休後コンサルタント®認定 育休後アドバイザー

Career Design Labについて

Career Design Lab(CDL)とは、「両立期をともに、もっとハッピーに!」をモットーに、家族も、仕事も、自分自身も大切にするサステナブルな生き方・働き方を、パートナーや仲間とともにデザインしていくためのキャリア支援プログラムです。キャリア支援に特化したグループセッション、個別・夫婦メンタリング、イベントなどを提供しています。