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理科の視点でドローンに触る

こんにちは、コーダー道場神山の本橋です。ドローンで興味をがっつり掴み、理系科目の楽しさ面白さに触れてもらう特別授業をこの1月に神山町立広野小学校で開催しました。

1. 校庭で空撮体験
2. 教室に戻ってジェスチャ制御体験
3. お散歩ドローン体験
4. ジャイロ教材
5. 傾きセンサー教材
6. 自作ドローン教材
7. ドローン輪投げ

授業の流れは直感的に見栄えのする飛行の様子からだんだん細部に踏み込んでいくスタイルです。科学のお話も混ぜ込みつつ、2コマ90分をお付き合いいただきました。

校庭で空撮体験

冒頭のお話のあと、天気も良かったので校庭に出て空撮体験です。20メートル、30メートル、50メートルと高度をあげていくドローンを目視しながら、手元の画面では高度50メートルから周囲を見回して普段と違う視点を楽しみました。

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校庭の反対側までドローンを飛ばしながらGPSと人工衛星の話をしました。このあとの授業でも「ドローンはロボット」と繰り返し強調する前フリとして、プロポを触らずに自動的に帰ってくるRTH機能を実演しました。

お散歩ドローン

校庭から教室に戻ると、小さなドローンがちょこまかついてくるお散歩ドローンを体験します。さきほど50メートルまで飛び上がったDJI Sparkに比べて小さな可愛らしいParrot Mamboが教材です。

Mamboはホバリングを安定させるため、飛行中は常に対地カメラが地面を確認しながら前後左右の位置を合わせています。その仕組を利用して、対地カメラに見せたマーカーを移動させてドローンをお散歩させる体験でした。

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ジャイロ教材

空撮もさきほどのMamboも、ずっと姿勢を水平に保っていました。なぜそんな事ができるのだろう? という疑問に答えるコーナー、自転車のホイールに持ち手をつけた教材です。

ジャイロ効果は日常生活ではあまり実感することはないかもしれません。しかし実は身の回りにありふれた物理現象でもあります。例えば自転車の手放し運転が安定したり、コマが倒れない仕組みなどをざっくりですがお話しました。

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そしてドローンの関係性で言えばなんと言っても平成初期に発売されたクアッドコプター、ジャイロソーサーに搭載されていたジャイロセンサーです。物理的な円盤を使った傾きセンサーが搭載されていました。

こちらのブログに拡大写真がありました。

自分の手で体感したとはいえ、ジャイロの「回転軸を保つ力」がドローンの姿勢制御をしているとはなかなか理解するのは難しいかもしれません。それに加えて、現在のドローンに使われている加速度センサーはMEMS(Micro Electro Mechanical System)センサーといって目に見えないくらいのサイズです。

そこでドローン自作でよく使われるMultiWiiの紹介です。任天堂のWiiリモコンからセンサーを取り出して作られた、というストーリーはWiiで遊んだことがあれば直感的な理解に繋がります。若干無理やりな気もしますが、実体験をともなえそうな話につなげてみました。

自作ドローン教材

さてそんなMultiWiiをメインボードに採用した自作ドローン(2016年製)を教材として、ドローンの細かな部品に触りながら構造を知るコーナーに移ります。

機体カバーを外してむき出しの配線やGPSアンテナ、モーターやプロペラに触ったり、パソコンにつないで各種センサーやプロポの操作を画面に映し出しました。

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ここで電波の話も少し触れてみました。空中を電波が伝わって操縦や映像を伝えていること、WiFiの電波と電子レンジの電波は似ているので近くでなにか温めていると映像が乱れることなどをお話しました。実験は流石にしませんでしたが。

ドローン輪投げ

授業の最後は毎度おなじみドローン輪投げ。2つのボタンでドローンを飛ばしてターゲットに着陸させる簡単なゲームです。(TynkerのiPadアプリで作りました)

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実際のコードを見せて、次回はこんなふうにブロックの組み合わせでプログラミングをして見ましょう、と来週のプログラミング授業に繋げて締めました。

ドローン輪投げは1プレイ30秒くらい。繰り返しプレイをしてもらって授業の最後で時間調整しています。人数次第で5分~15分くらい。

5年目は理科色を出したい

2016年からスタートして、広野小学校では5回目の開催となりました。毎年6年生に向けて特別授業をしています。これまでも理系科目とのつながりを口頭でお話はしていましたが、より具体的なお話に踏み込んでいこうとしています。

電波の話、物理の話、プログラミングの話を今回は入れてみました。例えば流体の話、電気の話、地磁気の話、数学の話、人工衛星の話など、ドローンに絡めてしまえばあらゆる理系分野が導入できそうです。

目指せ「まんがサイエンス」

「まんがサイエンス」という5年の科学に掲載されていた理科学習マンガがあります。

僕も子供の頃から大好きなマンガで、大人になってからも度々読み返しています(あさりよしとお先生のマンガ自体も大好き)。ドローンを入り口としてまんがサイエンスのように展開できたら楽しいと思うので今後も持ちネタ・自作教材を増やしていこうと思います。

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