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Vol.2 エグいシズル。

こんにちは、こがです。
私こがはVo.1でもお伝えした通り、大学時代にまともに授業を聞かずに、寝たり携帯をいじったりしていたクズでした。

でも唯一、この人の作品を扱う講義だけは、面白くて印象に残っていました。
それは、「松尾芭蕉」兄さんです。
なので、今回は俳句を紹介したいと思います。

■芭蕉兄さんについて■
芭蕉兄さんといえば江戸時代、“侘び寂び“を尊ぶ句風「蕉風(しょうふう)」で一躍時の人となり、40歳から旅をしながら多くの名句を詠んだことで有名です。
古池や 蛙飛び込む 水の音』
『夏草や 兵どもが 夢の跡』
…など、聞いたことのある句も多いでしょう。

■今回のパンチライン■
芭蕉兄さんの作品群の中で私が特に好きで、クリエイティブにも活かせそうと思ったのは、この有名すぎる句です。

『閑さや 岩にしみ入る 蝉の声』

この句、何かすごいのかというと、シズル(※)感がエグいんですよ。

(※)シズル【sizzle】
《原義は、油で揚げたり、熱した鉄板に水を落としたときに、じゅうじゅう音を立てるさまの意》広告表現で、消費者の五感に訴えて購買意欲をそそる手法。また、購買意欲。「都市生活者の―」「―感」

goo国語辞書より

授業で教わった話によると、蝉の声は当時の人々にとってうるさいだけの存在だったらしいのです。それを、芭蕉兄さんはこの句で風流な印象に変えたんです。

山形県の山奥にある立正寺と呼ばれる場所で詠まれた句ですが、「閑か」とは一見相反するもののように思える「蝉の声」は、静寂な山の中だと岩に溶けこむように一体となって、綺麗な音を奏でているようです。山中の緑豊かな自然と蝉しぐれの情景が目の前に浮かびますよね。

つまり、芭蕉兄さんはクリエイティブディレクターですよね。民衆の蝉のイメージを言葉で変えたのですから。蝉を訴求した訳ではないはずですが、(というか芭蕉兄さんはそもそも訴求という観点で句を詠んだ訳ではないですが)言葉によってユーザーに情景を想起させ、ワクワクしてもらうことは、企業と求職者をつなぐ媒介者である私が大切にしていることでもあります。
芭蕉兄さんのシズル感、今後も敬意を払いながら参考にしていきます。

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