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【体験記】CTIコーチング:基礎コース

人材業界での転職支援、社会人教育機関でのリーダー教育、各社での組織マネジメントに携わってきた中で、「人が持つ可能性を引き出す」ことに強い関心があります。

ただ、ふと思い返すと、人との関わり合いや人に影響を与えることは、全て経験則に従う「我流」であることに気づきます。

そこで、それらが体系化されたプログラムであるコーチングを学んでみたい、と考え飛び込んでみたCTIコーチング講座の体験記です。

※応用コース:フルフィルメントコースの体験記はこちら
※応用コース:バランスコースの体験記はこちら

CTIジャパンとは?

CTIとはCo-Active Training Instituteのことで、世界最大の対面型コーチ養成機関です。1992年に創設され、2016年時点で世界中の約50,000人にコーチングのプログラムを提供しています。

CTIジャパンは、CTIのコーチングプログラムを2000年から日本国内に広げるために設立されました。その結果、日本人の受講生数は2016年時点で9,150人を超えています。

ちなみに、コーアクティブ(Co-Active)とは「協働的」という意味で、コーアクティブ・コーチングはクライアントがその持てる能力や可能性を最大限発揮できるようなパートナーシップをコーチとクライアントが協力しながら創り出す、CTIの特徴的なコーチング・スタイルのことを言います。

※「コーアクティブ・コーチング®は、株式会社ウエイクアップ CTI ジャパンの登録商標です。より詳しくお知りになりたい方は、 CTI ジャパンのホームページをご覧ください。

基礎コースとは?

コーチングの初学者、あるいはCTIが提供するCo-Activeコーチングの初学者に向けたエントリーコースです。

私が参加した回の参加者数は、20名前後。年代は20代から40、50代までさまざまでした。IT、商社、教育、そして起業家やコンサル、人事、ライター、You Tuberなど、多様な業種×職種の方が集まっており、スキルとしての汎用性(どのような環境、立場で使える)を感じさせられました。

受講動機は、
「コーチングに触れてみたい」
「コーチとして、より一層のスキルアップをしたい」
「職場や家庭でのコミュニケーションを改善したい」
「会社の研修の一環として参加している」
「今後、コーチとして独立・副業していきたい」
など、さまざまでした。

開催は、金曜半日(14時〜18時)と土日終日(10時〜18時)の連続する2.5日間でした。お昼休憩、小休憩を挟みながらも、基本的にはどっぷりコーチングに浸ります。また、翌日のクラスに向け、ちょっとした当日課題も出ました。

費用は、132,000円(税込み)です。

どのようなクラスなのか?

コンテンツ保護の観点から、詳しいコンテンツ内容の記載は控えますが、概観をお伝えしていきます。

講義は、2人の講師をファシリテーターとする参加型スタイルです。自己表現や擬似体験(それによる挑戦・失敗)を前提とするためか、終始、和やかな雰囲気で進行されていたのが印象的でした。

講義の形式は、基礎的概念のレクチャー、実演されるコーチングの観察、コーチングを受ける体験、コーチングをする体験など、さまざまな方法を織り交ぜながら展開されます。2.5日間、連続で開催される講座ですが、飽きる暇もなく、あっという間に終了しました。

印象に残った3つのこと

直接内容には触れられないので、個人的に印象的だった3点についてシェアしたいと思います。

1.知識・スキル < スタンス

受講前は、コーチングとは体系化された知識やスキルが存在し、その蓄積されたノウハウが肝であり、コーチの核を成すものだと考えていました。

ある側面では正解だと思います。コーチングは人間性心理学に端を発し、言語学や発達学、ときに東洋哲学を取り込み、人間相手の実践知を織り交ぜながら構築された奥深い知見があります。

コーチが用いる各種スキルも、かなり細かな粒度で定義、分類され、再現性の高い形式でノウハウが保有されています。

ただ、講義に参加して認識が変わったのは、コーチが最後の最後に問われるのは、「知識」や「スキル」ではなく「スタンス」だということ。それは、目の前の生身の人間とどのような関係を構築するか、どのような自分で向き合うかという己そのものです。

人間に対する「思い込み」をどこまで捨てることができるか。人間が持つ可能性をどこまで本気で信じ抜くことができるのか。最後にはそのようなスタンスが問われるのだと思います。

2.人間全てを扱い本質的変化に導く

『人生の輪』というツールを使い現状を多面的に捉えるワークをしました。人生の輪とは、円が8分割されたシンプルな図で、仕事・お金・健康・人間関係などのテーマに分かれています。

各テーマに対し、10点満点で現状を直感的に評価します。そして、なぜその点数なのか?全体バランスの中で何点が理想なのか?どうしたら理想の点数に近づけるのか?などを考えます。

そのツールを使ってみて掴んだものは、「本質的な問題は、テーマを越えて互いに影響しあっている」という真実です。

コーチングの目的はいくつもあれど、究極的には本質的な変化に導くことだと思います。人の本質にアクセスしたければ、人の一面のみを眺めるのではなく、その人の全てを俯瞰することが必要だと学びました。

3.知得と体得

知得というのは、言語を通して意識的に頭で理解するということ。そして体得というのは、感覚を通して無意識も含めて身体で理解するということ。

コーアクティブ・コーチングの体系的な知識は、書籍『コーチング・バイブル』にまとめられています。とてもわかりやすく整理されている良書ですが、それでも、頭で理解し「わかる」ことと、理解したことを実際に身体で「できる」ことにはGAPがあります。

コーチングに限りませんが、「知得」の学習レベルでとどまってしまうと、実際に使うことができず、成長実感を得ることが難しいのですが、「体得」の学習レベルに近づき積極的に実践すれば、経験し、フィードバックを受け、内省するという学習サイクルに入ることができます。

体得するためには、やってみて、失敗し、肌感覚で「できる」状態をつかむことが重要であることを、あらためて実感させられました。

※2020年6月26日に第4版が発売されました。第3版から、概念説明のわかりやすさ、具体例の充実など大幅にアップデートされていてとても勉強になりました。CTIのコーチングに興味をお持ちの方にお薦めしています。

※マンガに馴染みの深い方には、こちらも^^

まとめ

コーチングは、人との関係構築、内省や視野拡大の支援、本質的変化の支援など極めてベーシックかつ重要な事象に対して、本質的かつ効果的にアプローチするための体系的メソッドであることがわかりました。

テクノロジーの時代だからこそ、人間的な関わり合いやコミュニケーションを再定義していく価値があるのではないでしょうか。

激動の時代だからこそ、普遍的かつ汎用的な色あせないベーシックな力が、キャリアの土台を骨太に支えてくれるのではないでしょうか。

選択肢に溢れる時代だからこそ、誰にでもアイデンティティに沿う本質的な変化をつかむチャンスがあるのではないでしょうか。

可能性を感じるテーマに触れることができ、とても幸せな気分です。

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