職場はどうなっていくんだろう
生産年齢のピークが1995年の8700万人くらいですが、2021年でこれが7450万人になっています。12年後の2035年の推計値で6500万人を割る内閣府の予測になっていて、ここくらいまでが大体確実な未来だろうと思います。それ以降は政策などで生産年齢の定義が変わって比較できないようになるんじゃないかと思いますが、いずれにしても労働力が15年で1千万人(約13%)近く減ることになります。男女別の労働力の増減を見れば、男性の大幅減少と女性の増加傾向が続いているので、結局、労働力を支えているのは女性の社会進出ということになる。これで賃金も上がらないと婚姻率も減り続けていくので、そうなるとなかなか出生率が上がる要素も無く、衰退のループにはまりこんでいますね。これは色々なところで聴く話かと思います。
これを個人のミクロの視点で見れば、前向きな面もあって、組織と個人の関係はこれまでとは全く違うものになるだろうという見方ができます。働く気があって健康であれば職は選べるし、どこも人手不足だから転職のハードルも低い。健康で、ある程度スキルや経験がある人は食いはぐれは無くなるという見方もできるかもしれません。収入を得るという点さえクリアできれば、働くことはもっと自由度が上がっていっていくでしょうし、AIでできることや機械化、自動化できることはどんどん自動化して少ない人で経済を維持できるようにせねばならないし、そうなっていくでしょう。
そうなると、例えば管理職の仕事は、リアルな対人交流の場である職場というコミュニティを、より居心地の良いものにすること、具体的にはメンバーと対話すること、がもっともっと重要な仕事になっていくんじゃないかと思います。人手不足で管理職がプレイングマネジャーの会社だと、まだまだメンバーとの対話は仕事の合間でスキマ時間にするもの、みたいな雰囲気ですが、これからは対話そのものを管理職の仕事として見ないといけないと思います。
「心理的安全性」という言葉が流行っていますが、そこでも説明されるように、達成感や成長も必要ですから、ただ居心地が良くてゆるいだけじゃダメです。仕事のレベルを保ちながら、誰も我慢することなく本音で話せる雰囲気とか、目的意識を持って、自分の仕事が社会に必要とされている実感をもっと明確にするとか、うまくいけば仲間と喜び、失敗したらみんなで学んで成長する、といった相互協力のムードを長期的に築くことが大切です。
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