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おかあさん、それだけで素晴らしい

チャイルドケアを作った目的は、
自然療法や家庭教育を伝えることではなく、
それは2番目でした。

いちばん最初に伝えたかったことは、
「おかあさんになった人は、それだけで素晴らしい」っていうことを
ただわかってほしかったから。

私自身、「おかあさん」になれたことがとてもうれしくて、
責任を持つことももちろん大事だけど、
それ以上に、私の体を通して、生命が誕生したということに
とにかく感動したのです。
子どもに対して、感謝しかありませんでした。

私を選んできてくれたんだと・・・・素直に思えたのです。
まぁ長女は1200gという極小未熟児で、
申し訳ないという気持ちもありました。
出産直後は申し訳ない気持ちでいっぱいになり、泣いてばかり。

でもそのときに夫が
「未熟児で誕生し、少々しんどい思いも覚悟のうえで、
早くお母さんに会いに来たかったんだよ。
だからそんな勇気のある子だから大丈夫」と
言ってくれたことで、罪悪感が薄らいで
ただただ、感謝の気持ちになったことを覚えています。

私のことを選んできてくれた。
何もわざわざ私を選ばなくてもと思ったけれど、
こんな私をおかあさんに選んでくれたから、
ちょっと変わった子かもしれない。
本当に愛しい。
世の中のおかあさんは皆、選ばれている。すごい!!

そう自画自賛で子育てがスタートしました。
もちろん決してそこからスムーズな子育てだったわけではありませんが
選ばれたからには頑張らないと・・・・と思っていました。
でも、そんなとき世の中のおかあさんたちを見ると・・・
なぜか苦しんでいる人も多くいたことに気づきました。

元気に生まれて、元気に育っているのにも関わらず
悩んで、苦しんで、迷って・・・
子どもがいちばん可愛いときを見過ごしてしまっているのです。

その悩みも「今」考えなくてもいいことばかり。
情報ばかり頭に入れて、そこと比較して、焦って、不安を抱えて
悩んでしまっているように見えました。

もったいない。
こんな素敵な一瞬一瞬を、
先の心配ばかりで見ているようで見ていないのです。

なぜ、もっと「おかあさん」を楽しめないのか、
なぜ、もっと「おかあさん」になったことに自信がもてないのか、
なぜ、もっと「おかあさん」という役割を自由にしてあげられないのか・・・・。
あまりにも「おかあさん」の偶像に縛られすぎていると思ったのです。

いいじゃない。どんなおかあさんだって。
子どもをただ愛してあげれば、それで十分すてきなおかあさん。

それが
私の中で思うことでした。
だから、チャイルドケアの一番の目的は、
「おかあさん」を楽しむことを提案することだったのです。

そして「おかあさん」になったことを誇りに思ってほしかったのです。

その頃は、「良いおかあさん」になるための講座や学ぶ方法はあったけれど、逆にその内容は苦しくなるものでもありました。

やっぱり良いおかあさんはそうしなくちゃいけないんだ・・・と
固定観念をうえつけるものばかり。
自制して、受容して、いつも笑顔で・・・・

そういうことが伝えたいのではなくて、
「おかあさん」になった人は、
選ばれたんだから、世の中に威張っていい! って思ったんです。

おかあさんがやりたいことやってもいい、
おかあさんが少しくらいわがままをいってもいい
子どもの方が丸ごと受けとめてくれるから。
時に泣いちゃったっていいじゃない。
おかあさんだって、人間だから。
頑張りすぎているんです。

頑張りすぎて、混乱して、狭い視野で行き詰まってしまっている。

もちろん、だからといって
ネグレクトになって自由になれということではありません。
精神的な縛りをかけずに、重責を一人で抱え込まずに
「おかあさん」になれたことをもっと喜んでほしいと
そう思って作りました。

チャイルドケアを学んだ人はわかると思いますが
チャイルドケアは子どものためのものではなく、
実はおかあさんのためのものです。

これ、きっと学んだ人ならわかるもうひとつの隠れた答えです。

おかあさんが安定しているだけで
子どもは何もしなくても元気で健やかに育ちます。
子どもは何もしなくても、このおかあさんと一緒なら
楽に育つことができるって思ってくれるはず。

良いおかあさんなんて、自分が決めることでも
まして他人様が決めることでもない。
その子どもが元気に成長し、成人したときに
子どもが「この親を選んでよかった」って言ってもらえたら
素晴らしい「良いおかあさん」なんです。

すでに選ばれているから素晴らしい。
でも本当の評価は子どもがしてくれる。
だから気は抜けないけど、子どもを信じていればいい気がします。

私も自信のあるものなんて何一つないけれど、
おかあさんになれたことが唯一の自信かもしれません。
その内容がどうこうよりも、
私を通して、生命をこの地球に送り届けることができたこと、
ひとつの使命を全うしたとも思っています。

それぞれ、自分の役割があります。
血のつながりだけのことではなく、
いろいろな形でいのちと接し、関わり、存在していること
これが素晴らしいと思います。

そんな感動を伝えていくのが次のチャイルドケアの答えです。


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