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【25Leaders】Yong Kim Fong Roseline さん(特定非営利活動法人光希屋(家)) CCJA2021

全国の地域社会に貢献する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(英語名称:Champion of Change Japan Award;略称CCJA)」5回目となる本年度の募集には、全国各地から203名もの応募が集まりました。一次審査を経て選出された25名のリーダーをご紹介します!

Yong Kim Fong Roseline(よん きむ ふぉん ろざりん)

特定非営利活動法人光希屋(家) 代表

マレーシア出身で、多文化多民族の環境に育ちました。子どもの頃から妙な正義感があり、今も物事の順序に疑問を感じると、常識にとらわれず、疑問が解けるまで追求することが多いです。ひきこもりと自殺の問題に関心を持つようになったのは、自分自身の体験が関係しているものと思います。人生で一番大きな課題と実感すること、「人を愛し、人を許し…」一生学んでいかなければいけないことと思っています。

活動をはじめたきっかけ

私は日本の自殺とひきこもりの課題に関心を持ち、2006年に仕事をやめて香港大学の公衆衛生学に進み、ひきこもりを研究することになりました。2008年卒業後、研究したことを現場で検証したく、2009年日本へ3か月の旅をしました。そのことがきっかけで東京大学の精神保健学に進学し、当時自殺率が第1位の秋田県の現場を頻繁に尋ねるようになり、ひきこもりの友達ができました。卒業後は、彼らと共にもう一歩前に進むため、秋田で居場所作りを始めました。

活動の成果

「ふらっと」の創設メンバーは、私の研究活動から始まったひきこもりの集いで出会った仲間たちです。ひきこもりの特徴は無表情無反応、人との接点を望まない、コミュニケーションもとりたくない、対処方法がつかみづらい部分が多いです。この8年間一緒に過ごして、彼らは笑顔を見せてくれるようになり、楽しい時間が増えました。人間関係が苦しくなった時に再びひきこもるより自分の気持ちを一生懸命に伝えようとした努力。居場所のケアスタッフを経験してその後就職し、今も模索しながら居場所を利用するのは13人。現在、支援対象者から支援者になる決心をし、居場所のケアスタッフになったのは8人。悩む時に連絡や相談・報告ができるようになったことが一番の変化ではないかと思います。本人の変化だけではなく、ひきこもり当事者の声が詰まった季刊誌を市内に全戸配布できたこと、ひきこもりの活動をポジティブにメディアでアピールしたことで、周りの地域社会の受容力が高くなったと思います。

今後の目標

私の活動は、単純にひきこもりの状態にいる人たちの話を聞き、絡み合った複雑な背景を分析して一緒に考えます。日本は、経済発展の陰で、地方の過疎化があり、超高齢化社会においては、子ども・若者・高齢者のそれぞれの課題、教育格差等が緊密な関連を持っています。地方の小都市を活動の拠点にして気づいたのは、人口減少と少子高齢化の進行の割に医療福祉の支援が乏しく、深刻な経済雇用問題を抱えて、若い世代がレールを外れやすくひきこもりになりやすい地域だということです。私は、これからのひきこもり支援には、介入策だけではなく、すぐには見えない予防策がさらに大事と考え、そのためには地域住民の意識と行政の考え方を根本的に変えていくことが、本当の意味の問題解決に繋がると思っています。どのように医療・福祉・経済・教育の政策との連携を図れるのかを探りつつ、より持続性のある、生きやすい社会の実現に関与していきたいと考えています。

コロナ禍の影響

感染の広がりによる自粛期間も利用者との相談を継続していましたが、のんびり過ごす居場所の提供が難しかった時期がありました。その時、「赤い羽根子どもと家族の緊急支援全国キャンペーン」の助成を受けてオンライン交流の場を提供することができました。また、コロナ禍に不登校とひきこもりの状況でさらに家庭の不和が深刻になった問題に気づき、ふらっと季刊誌を作成、令和2年度「NHK歳末たすけあい助成金」(冬号)、「子どもと家族の緊急支援」(春号)、「いのちをつなぐ支援活動を応援」(夏号)の助成金を受け、2021年のお正月、GWと夏休み期間の自殺予防のために秋田県の中高の保健室及び大仙市全戸、総計12万枚の紙媒体を配布しました。今年9月には、秋田県の 「寄り添う市民活動」緊急サポート事業100万円を受け、季刊誌(秋号)の配布と、「つながる」「つなぐ」「つながり続ける」寄り添い支援を提供し始めたところです。

第五回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞 表彰式
◆日程 2021年12月10日(金)19:00開始
・プレ・トークセッション:19:00~19:30
・表彰式:19:30~20:30
・アフター・トークセッション:20:30~21:00
◆アクセス YouTubeで生配信します。参加費無料。
◆参加視聴
表彰式のご視聴・ご取材をいただける際には、公式ホームページの事前登録フォームよりお申込みください。
事前登録を頂いた方に、配信先のURLをメールでご案内いたします。
https://forms.office.com/r/Z5mkS2uXSh

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